・irisのnmmn作品です
・黒くん愛され
・エセ関西弁
・本人様にはなにも関係ありません
・以上のことが大丈夫な方だけお読みください
活動記念日まで後3日
桃「あにきー!活動記念日配信のさ、内容について打ち合わせが…」
黒「……」
桃「あにき?」
黒「えっと、どなた様ですか?」
喉の奥がヒュッとなった。また、またあの悪夢が?
黒(あ、あれ?さっき俺はなんて)
黒(ッッッ!塗り替えないと!塗って塗って塗って)
黒「ないこ、どうした?」
桃「え…」
桃「さっきどなた様って」
黒「そんなんないこの聞き間違いやろ」
桃「違う、絶対違う」
俺はこの耳で聞いた。いつもあにきの歌を聞く耳で。何色にも染まってない無垢な声が聞こえた。
桃「言ったよね?誰か分からなかったんでしょ?」
黒「ちがっ、」
黒(なんで、俺は『悠佑』で居たほうがいいのにそれを溶かそうとするの?)
桃「今は戻ってるかもしれない、でもさっきは……」
黒「違うっ!」
黒「ちょっと疲れてただけ」
黒(自分に色を塗ることが)
過去一感情の籠もった声だった。これ以上聞くことはできない
黒「ちょっと外でてくる」
興味本位で今のあにきの部屋が気になった。前のあにきの部屋とは別で新しい部屋を与えたから、何をしているんだろう。もし日記とかつけていたら、どういう気持ちなのかわかるかもしれない。
桃「あった……」
勝手に見るのは躊躇してしまうが、これも仕方ない。あにきには心のなかで土下座し、ページをめくった。書き始めは『悠佑』についてのメモ。まだ人格の無い頃だったから字が綺麗だ。その綺麗な字は続き、2週間前頃の日記で急変した。さっきまでラインに沿って丁寧に書かれていた文章は急に殴り書きで、お世辞にも綺麗とは言えないあにきの字になった。内容はこの状況を飲み込めてないという混乱。次の日は綺麗な字、その次の日はあにきの字、入り乱れている。
桃「これは……二重人格」
あにきの日記には出てこないでくれと書かれている。それはさっきのあにきのことだろう。でも日にちが進むつれ、衝撃的な事実が記してあった。
『もう俺は、俺としては音楽を辞めよう。全部アイツに渡そう。』
なんの理由があるからは分からないが、そんなことであにきは音楽を辞めるのか?
クロ「ッ、はぁ…ボロが出そうやった」
黒「………」
黒「ねぇ、やっぱり音楽を…」
やりたい、その言葉が喉でつっかかってる。俺はずっとあの博物館にいた。ライブの写真も見て、時を過ごした。突然視点が変わって、俺は日記と向き合っていた。わけも分からず日記を見たら、俺が記憶喪失になっているということ。ただしくは記憶喪失ではなく、博物館に居て抜け殻だった俺に新しい俺が宿った。真っ白なキャンバスから急に黒色と黄色に染まる俺。勿論すぐ戻ろうとした。でもアイツは俺を捨てないかと提案してきた。俺も博物館では思い出せなかったが、俺を追い出した青髪の男性はまろで、精神が弱っちゃって。だから飲んでしまった。音楽を辞めることを。バカじゃねぇの?って感じ
クロ「音楽を?なに?」
黒「いや、なんもないけど…」
クロ「お前は安心していいんだよ、確かに音楽を辞めるのは辛いと思う。でもそれ以外の辛いもんは全部背負うから。」
クロ「だって感情と作りもんやしなんもわからんからな」
そう、こいつは感情が無い。偽ってるだけ。
黒「あ…えっと、活動記念日の日は変わって欲しい、かな」
黒「俺の大切な節目やから」
クロ「………」
クロ「まーええけど?そこで”交代”な」
ほらまた言えなかったよ、辞めて
活動記念日当日
青「活動記念日の配信見ないで欲しい…?」
黒「うん」
青「え、…」
黒「とにかくお願いね」
配信見られたら入れ替わってるのがバレる。
黒「じゃあ、そろそろ始めるわ」
久しぶりの配信。コメント欄はいつも暖かくて、優しい。色々話してから、歌ってみたを匂わせてYouTubeに誘導させる。カウントダウンの終わりと共に流れ始めたのは
「だから僕は音楽を辞めた」
これを撮る前は本当に音楽を辞めることなんか無いって信じてたのに。歌通りになるなんて、ね
あにきに配信を見るなと釘さされたけど、見ないという手はない。俺の隣にはまろが、後ろには別端末で子供組が。
青「あ、あにき…あにきだ」
数ヶ月前と変わらない話し方。笑い声も絡み方も。音楽を本気で辞めたいとは俺は感じられなかった。今すぐにでも凸りたいけど、流石にそれは非常識なので配信をそのまま見続ける。
あにきにとっては、歌が人生で人生は歌。音楽が主電源で、マイクは起動ボタン。ローディングは喉慣らし。スタートボタンはタイトルコール。
桃「俺、ちょっと行ってくる」
終わった、配信が。日付もそろそろ変わりそうで、約束の11日は後少し。9/12。なにもない日。
黒「さて、ないこ達に挨拶でもしてくるかな」
バンッ
桃「あっ、にき」
黒「ん?」
もう一人が出てこようとするのを抑え振り返った。自分の目がおおきくなるのが分かる。なぜなら
黒「なんで、泣いて……」
桃「あにきじゃん!あにきじゃん!!」
………ああ、見られたのか。俺もあの言葉だけでないこ達が従うわけもないとは思っていたけど。
黒「俺はずっと俺やよ」
どうせアイツは賢いからちゃんとやってくれるよ
桃「嘘つき!音楽を渡すとか辞めるとか。そうなんでしょ!?」
黒「おまっ…日記まで見やがったな!?」
まさかそこまでしてるとは。
桃「だって、だって怖かったんだもん!居なくなるのが」
そうやってわんわん泣くないこを見てると申し訳なくなって来た。交代だと喚く喉元のモウヒトリを飲み込んだ。飲み込むのに時間がかかったけれど。
黒「ちゃんと話すから、みんなを呼んでくれん?」
そして6人が集まって、俺はぽつぽつと話し始めた。経緯も心境ももう居ないあいつも。
黒「音楽を辞めたいとは一瞬思ったよ」
黒「唆されたのもそうだし、俺のいないいれいすはなんだか」
綺麗に見えたから
黒「なんだか…ね」
俺のために泣いてくれる人がいて、俺のことを考えてくれる人が居て、
黒「俺を愛してくれる人が居たから、戻ってこれたよ」
音を繋いで走ってきた。そうするうちに大切なものが増えて。気づけば沢山の笑顔に囲まれて。きっと戸惑いも証明だって、乗り越えていけるから。
黒「まだコレは中盤に過ぎないから、これからの結末も幸せだと思う」
ちょっとカッコつけて見ようじゃんか。
黒「身勝手な俺だけど、これからもよろしくな」
12時が過ぎて本物になれたシンデレラ。この足でずっと未来へ。俺の頭の五線譜に新しく刻まれた7個目の音符。
俺がみんなに繋いでもらって生きる音をいつまでも、
黒「ありがとう」
END
急いで書いたのでちょっとおかしいかもですが、一応終わりました!!
でも周年はまだ終わっちゃいない。曲パロ書くぞー!!(バカ)
曲パロといえば、これも終盤歌詞意識してます。星を繋ぐとどんな結末がお望みだいって歌です。
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