2006.07.04
本格的に夏が始まる数週間前。
日差しを避けて歩きながら考えていた。
‘ もし私が死んだら誰か哀しむのか ’
呪術師なんてものは何時死んでも可笑しくは無い訳で、其れは最強と称される五条悟も例外では無い。
相手が強ければ此方は死有るのみ。
では、私の死は誰か1人でも哀しむだろうか。
例えばあの3人。
五条悟。
此奴はそういうのは弁えてそうだから悲しむ事も無さそう。
家入硝子。
サバサバ代表だから悲しまないと思う。
夏油傑。
此奴は優しさの塊だから屹度少し悔いる。
猫田「 五条って薄情だと思う 」
五条「 唐突に貶される俺の気持ち。 」
家入「 死んでも仕方無い精神っぽいよね 」
夏油「 仲間想いではあると思うよ 」
五条「 御前ら俺の事嫌いなの???? 」
猫田「 私が死んで悲しむ人手上げて 」
家入「 はーい 」
夏油「 はい 」
五条「 …… はい 」
猫田「 五条、処刑。 」
五条「 何でだよ!? 」
猫田「 悲しさを感じなかった 」
其の後は沈黙になってしまった。
私の発言の所為だろうけど訂正もせず黙った儘、任務先へと向かった。
猫田「 例えば五条が死んだとして 」
五条「 俺最強だから死なねぇし 」
猫田「 私は屹度、哀しまない。 」
五条「 心臓ぶっ刺して来るじゃん 」
猫田「 例えば私以外の全員が死んだとしても哀しまない。 」
どうせ死ぬ運命だから。
誰が死んでもどうでも良い。
嗚呼、早く旅立って可哀想。
くらいにしか思わない。
猫田「 だって誰も100歲まで生きる訳じゃないし、長生きしても後70年くらいだし 」
たった、其れだけじゃん。
猫田「 五条と硝子、呪霊祓ったら合流ね。
私夏油とこっち行くから。 」
家入「 ほーい 」
五条「 猫田、死ぬなよ。 」
其の言葉にほんの少し熱が篭っている様に感じたのは勘違いか否か。
分かれた先の砂利道を進みながら隣の彼が口を開いた。
夏油「 君が死んだら困る人は居る。 少なくとも私達を必要としている人も居る。 」
猫田「 そっか 」
夏油の言葉を否定していたらもう少し早く消えられたのか。
もう少し名残惜しさも無く居なくなる事が出来たのか。
私には判断出来ない。