その日はただ、一人でショッピングをして家に帰ろうとタクシーを待っていたら突然ハンカチで口を抑えられる。
何が起こったのか脳では処理できず戸惑っている間に、ハンカチに睡眠薬が塗られていたのか急激に眠気が私を襲う。
寝ちゃ駄目、寝たら駄目と解かっている筈なのにまともに睡眠を取れていない身体は抗えず眠ってしまった
ちゃんと寝ておけば良かった、
目覚めるとマンションの一室らしき部屋に監禁されていた。気色悪い
「ははは、私を攫ったのは君かな?」
部屋の主らしき女性に話し掛けると彼女は不気味に微笑んだ
と思ったら思い切り腕を振り上げ、僕をスマートフォンで殴ってきた。
流石に成人男性の私の身体でも金属で殴られてしまえば相当の傷が出来る。
現に衝撃で頭皮が切れドクドクと血液が脈打っていた
「とっても可愛いよ♡」
女性は私の顎を掴み引き寄せた。
其の為、無理矢理上を向かされた為唇の端からは唾液が溢れ出る 。痛いなあ、
「は、趣味の悪い事、、、ッ、」
パァンと渇いた音が聞こえてきたと思いきや大分遅れて痛覚が状況に追いつく 今度は頬をビンタされたのか。
ヒリヒリと響く痛みに目の前の女性を睨み付ける すると、女性は僕の様子に興奮した様ではあ、はあ、と息を零す
「分ってくれないなら、身体から堕とすしか無いよね♡」
嗚呼、僕は一体何をされてしまうんだろうか。
「い”や”ぁ゙、や”め”、て”、」
何を思ったのか気の触れた彼女は何処からかディルドを取り出し、僕の後孔に挿入する
「じゃあ、他の人でもいいよ?白髪と薄紫髪の彼は「や”、か”ら、”、や”る”か”ら”、」
彼女は歪に口角を歪めた
こんな事に友人を巻き込ませられる訳、無いじゃないか。
「ぁ゙、、、が、、」
ふと後孔に苦悶の梨を挿入する、なんて拷問をドス君がしていたのを思い出す。そっか、これは拷問なんだ!罰なんだ!
「い”た”ぃ”、う”、ぁ”、」
そうでもしないと耐え切れないよ、
「た”、、、、す”、け”て”、」
地獄が三時間程続いた後、女性は満足したのだろうか。僕を其の儘に何処かへ行ってしまった。
男性とも女性ともセックスはした事ないし、慣れていないのにディルドを無理矢理挿入された僕の後孔は途轍もない拷問とも取れうる痛みと共にただただ血液を垂れ流す。
ふと、ある思考が脳裏を過る。
女性が居ない今なら出られるんじゃ、、、?
そう思考している間にもチャンスは逃げて行く
速く動かないと
「はい、ご飯」
ゾクリ、、、と悪寒が走る。
脱走は中止して、今直ぐ機嫌を取らないと、
「あ、ありがとね」
女性が差し出してきたのは一見。普通の料理っぽく、割と普通そうだった為、女性の機嫌を取る為にも一口食べてみる。油断した僕が悪かったのだろうか。
料理の中には一見蛆蟲の様にも見える無数の爪が入っていた、虫唾が走る。
僕は料理を戻して仕舞った
すると女性は酷く憤怒した様で、今度は僕の薬指をフォークで刺してきた
「い”ぁ、”」
張り裂けた皮膚は紅い玉を作り、地面にただ緋が広がる。
其の儘抉られた薬指からは想像を絶する苦痛と肉が裂ける音がする
嗚呼、帰りたいな。
「此処までしてもまだ堕ちませんか、(ボソ)」
その一言は聞こえなかった。
僕は一体何をしてしまったんだろうか
犯され、最低限の飯を食わされ、泥の様に惰眠を貪る。
この生活が続き、僕の心も確実に壊れ始めていった
ある日、待望のチャンスがやって来た。
今日は女性が外出の為、一日居ないらしい
こうなればやる事は一つ
僕は情け無くよろける脚を奮い起させ窓に向かう
、、、、、、、鍵が空いていたから
窓を開け、身を乗り出す。
風ってこんなに心地良かったんだね
目覚めると僕はまだ生きていて、知らない家のベットに寝かされていた。
「また、?」
やっと終われたと思ったのに。
腕で目を隠し声を出さずに微笑う
すると、誰か居たのか視線を感じる
「またって何だ?矢張り何か、、、、、」
嗚呼、一番来て欲しくない人が来た。
「ただの寝言だよ。気にしないで、」
「、、、、、、」
シグマ君は何か言いたげだったが下唇をぐっと噛み締めていた
特に何も考えず、ぼーっとする。こんな何でもない時間が嬉しくて嬉しくて、涙が出る
「もう、何もされ無いんだ、」
殴られる事も、嬲られる事も、
シグマ君はそんな僕に心を痛めたのか、同情したのか
僕を苦しくなるくらいに抱き締める。
彼に救われた気がして、今だけでもとても落ち着いた
その時からか僕のシグマ君への感情がドス君への感情とは変わった気がしている
もっと、もっと大切で喪いたくないような温かい気持ち。
結局シグマ君には何も説明してはいない
正確には出来ない。と言うべきだけどね
気持ち悪いとか、構って欲しいだけとか、嘘だとか思われたくないから。嫌われたくない。
ただ、流石人間観察に優れていると言うべきか不安定で頻繁にフラッシュバックを起こす僕を彼は何も言わず抱き締めて慰めてくれる
その時間が嬉しくて、大好きで、ほんのちょっとずつだけだけど、段々回復して行った。
そんなある日偶には外に出て散歩でもしよう。と言う事で
最大限の配慮をしてくれた上で数年ぶりに外出する事になった。
まだあの時のトラウマが原因で女性恐怖症は感知していないけれどとても外出が楽しみだし、今はシグマ君が居るからきっと大丈夫
「大丈夫そうか?」
シグマ君が、まるで仔犬みたいに眉を下げて聞く
僕はそれに
「全然大丈夫!」
と元気よく答えシグマ君に微笑み掛ける
「手、繋ぐか?」
彼の発言に僕は頬を赤らめる
「なんか、こう、デートみたいだね」
僕の一言でようやく気づいたのかシグマ君は俯いて手で顔を隠す
「忘れてくれ//////」
「はは、可愛いなぁ」
周りから見たら、僕らは恋人のように見えるのだろうか
恋人なんて甘い関係なんかじゃないのに。
「最近海沿いに遊園地が出来たらしいぞ。行ってみるか?」
「いいの?」
僕がシグマ君に尋ねるとシグマ君はニパッと笑い
「勿論だ!」
と僕の手を引く
嗚呼、この人と付き合えたらいいのに。でも彼は僕に特別な感情は持っていないし、彼の優しさは皆へ向けられているのを僕は知っているだからこそ苦しい。この優しさが僕だけのものだったらな、
その期待はただ藻掻くだけで
その言葉は泡になるだけだって知ってるのに
「観覧車、乗りたいな」
「分かった」
嗚呼、幸せだなぁ、
いっそ、今このゴンドラが落ちて仕舞えば、
彼女が来る前に終わらせられたら、
2人で死ねたら、
「ゴーゴリ、」
彼は僕の唇にキスをした
熱い、くらいの
「すまない、不安そうで、つい」
そうやって、また君の優しさが僕の首をぎゅっと絞める
今ただ、浸って、溺れて居たいだけなのに。
「シグマ君、次何処、、、、、、、あ、ぁ、」
僕はシグマ君を置いて、逃げる
何処へかは分からないが、遠くに行きたかった
「やっとまた見つけました」
ごめんね、
「大人しくしててくださいね?」
愛してたよ
「ゴーゴリ!?何処だ?」
振り返るとゴーゴリは何処にも居らず、人影の少なそうな場所を中心的に探してみる
とあるアトラクションの裏側。殆ど誰も居ないような場所でヒソヒソと何かを話しているのが聞こえた
「女性が可哀想ですよ?なんせ僕は烈輝とした男ですし、僕がそのレイプ犯です。
見知らぬ内に濡れ衣を着せられ、避けられていた女性が可哀想ですよ?」
「あ、、、ぁ、」
知らない男と酷く怯えたゴーゴリがいた。
ゴーゴリは男に押し倒されていて、一触即発の雰囲気だった
「何をしているんだ?」
2人が此方の方へと目線をやる
一人は余裕そうに、不気味に微笑みながら
一人は絶望した顔で顔を涙でぐしゃぐしゃにしながら
「おや、何も聞かされて居ないんですか?
僕がゴーゴリさんを玩具で可愛がった事。」
は、、、、、???????
「ゴーゴリさんはずっっっっっと平静を装って居ましたけど、見て下さいよこの身体」
誰かの手の跡。刺し傷、殴られた痣、
瘡蓋に瘡蓋を重ねた腕、手首、脚
首と足首に残る跡
「見ないで!!!」
ゴーゴリがバッと立ち上がりまた、何処かへ走る
もう離したくないのに
「待ってくれ!!!!!」
その一言は、人魚姫には届かないままで
魔術師は静かに微笑んだ
海。前からゴーゴリがずっと行きたいと行っていた場所だ
もしかしたら、と淡い期待を持ち海に向かった
案の定彼は海に居て、膝元位まで水に浸かっていた
「ゴーゴ「来ないで!!!!!」
彼は背を向けた儘だったが、彼の足元の海水は小さく凪を作る
「気持ち悪いの、、男の人が、、、、
また、翫ばれそうで、
全部、全部忘れられないよ」
私は何も言えなかった
「そうか、ごめんな。助けられなくて」
「じゃあ、ばいばい!」
僕は最後に後ろを振り向き、今まで一番の笑顔を君に向ける
君は、泣き崩れてた
「お前は気付いて居なかったが、私はずっとお前と付き合いと思っていた、」
「そっか、僕も大好きだったよ、」
僕はシグマ君に貰ったお揃いのピアスを握り締めた
もう遅いよ。シグマ君
僕の太腿にドロリとしたナニカが、垂れる感触がする
途端に僕は
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