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(嘘だ…こんなの…)
ふと、頭をよぎる。―魈の微笑み。
会いたいな。
蛍がいない寂しさを支えてくれたのは、パイモンだけではない。魈もまた、空のことを想ってくれた。
人に優しくすることに慣れていないだろうに、不器用ながら空の心を満たしてくれた。
時に無理をしすぎた空をしかり、時に泣きたくなるような笑顔を空に向けてくれた。
それに応えるように、空もまた、魈の支えになれるように努めた。
無意識に二人は、お互いの存在を心地よく感じていたのだ。
ああ、会いたいよ…魈
失っていく意識の中で、魈が自分の名を呼んだ気がした。