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テラーノベル(Teller Novel)
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私を連れ出そうとした男を抹殺したが、やはり予想通り警報がなった。これによって研究所内は警戒態勢に変わる。たまにアナウンスが流れ、私を捕えるよう指示していた。

自分のいた隔離スペースから出るとタイミングよく警備員が数名こちらに向かってきていた。もちろんターゲットは私で、捕らえるか殺すかの二択といった雰囲気を感じた。まぁ、持っている武器を見れば分かるが捕らえるつもりはなく、殺す気らしい。

それはそれでちょうど良かった。私も皆殺しをする予定だったからだ。私はもう14歳にもなっている。思考する頭も14年分の魔法にスキルもある。殺戮兵器として生まれた私にたかだか、警備を任せられた一般人とでは力の差は火を見るより明らかだ。けどそれを理解できていないのが、今私の目の前にいる愚かな大人たちだ。案の定この大人はみんな噴水を上げてくれた。無様で笑える。

追っては来てないらしくあとは適当に歩き回って出口に向かうだけだった。その途中私と同じような境遇の子を何名も見てきた。やはり子供で女の子のばかり。そんな中で一人気になる子を見つけた。私と同じようにこの施設に恨みを持ってるも表には出ていない。殺意を上手く隠しているそんな子だ。

助ける時間も義理もないが、何故か私はその子を助けた。その子の瞳は蒼く、しかしその瞳の奥に煮えたぎる炎を感じた。それが復讐や憎悪の炎だと言うのも瞬時に感知した。

「あなた名前は?」

青き眼の乙女に名前を問う

「……。わかんない。みんなはG-096って呼んでる」

「じゃあ96。あなたに質問よ。今私はあなたを解放してあげた、これで逃げれる。でも、もし恨みがあるなら私と一緒に暴れてかない?」

「……。あなたの目的が分からない」

「破壊。それ以外に何も無いわよ。こんな豚箱なんて私たちの生活を苦しめる場所だもん。それに子供達に何させてるか教えてあげないとじゃない?」

「いいよ。分かった。協力してあげる。ここに来てから何年か経った。その間に色々と学べたわ。それをあいつらに身をもって押してえあげましょうか」

「交渉成立ね。出口には何人か見張りがいるんだけどみんなそんな強くないわ。けど、確実に仕留めたいの。そこでコントロールルームに行ってくれる?」

「何をすればいい?」

「簡単よ。出口のロックを解除するだけの仕事。その間に私が雑魚を片付けるから」

「分かった。他にやることは?」

「確実に仕留めるためにB-99って言う薬品を持ってきてくれるかしら?それは危険な薬品じゃ無いからどこでも手に入ると思うよ」

「B-99は精神安定剤でしょ?なんの役に…」

「それはお楽しみってことにしましょうよ。それじゃあ、後で出口で会いましょう。」

「私分からないですけど…」

彼女の返答を聞くまもなくA-00は去っていった。諦めてG-096は彼女の話すコントロールルームを目指すことにした。


さて……。1人助けちゃったけどあの子強いのかしら?使えなかったらどうしよう…。しっかり考えて行動するべきだったわ。そんな事より今は出口を固めてる警備隊を仕留めないとね。

「見つけたぞ!脱走兵A-00だ!!支援組は魔法の準備!俺らはその間時間を稼ぐ!なんとしてでも抑えるんだ!!」

あーイヤイヤ…。まるで私が悪魔みたいな捉え方されてさ、まぁ……。悪魔なら何人殺しても問題は無いか

こんな考え無しに突っ込んでくる馬鹿共はまず、私の鬱憤を晴らすためのサンドバッグになってもらおうかな。この施設の研究者のおかげで色んなことが出来るようになったからね。例えば…

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?た、助けてくれぇぇぇ!!」

隊長格を私のスキルのひとつである糸操作で吊し上げた挙句、操ってパペットマンみたいなことも出来ちゃうんだよね。

「た、隊長?なんで、こっちに来るんですか!!?その剣を…まさか……」

「ち、違う!俺の意思じゃない!!だから頼む、その剣をしまって…」

操られた敵の隊長とその部下はお互い自分の身を守るために殺し合いを始める。その姿をみた他の仲間は阿鼻叫喚の声を上げ、みながパニックに陥っていた。

仲間同士の殺し合いなんて楽しそうねぇ?これがあなた達が行ってきた非人道的な行為だと言うのに、まだ生きたいともがくのね…。

「う、嘘だろ?隊長の首が飛んだのに動き続けるなんて……。支援組!早くあの隊長を焼き払うんだ!」

あーあ。酷い見世物ね。

あら?こんなとこにいい球があるじゃない。どうにも汚くて不快感のある珠だけどもね。

手に取ったそれは、はね飛ばされた首だった。顔は絶望に歪みその瞳からは涙が流れていた。瞳には最後の景色が残ると言われているが、コイツは何も写っていない。死ぬ瞬間に上を向いてしまったのだろう。「つまらないの…」一言そう呟き投げようと構える。切断された首元からはダラダラと鮮血が流れ、その血は最後の抵抗かのように服に付着する。

「……。不快ね。こんな球なんていらない。消えてなくなってしまえ。《武装 サンタマリア》こいつもアイツらもみんな消えてしまえばいい」

体は白い甲冑のようなもので覆われて、右腕はランスのような形を作りその腕で敵陣に入り込み持っていた首を上に投げると突然爆発する

「あらごめんなさい。《爆芽 サンフラワー》そいつの血が刃みたいに降ってくるから気をつけてね?」

その光景は絵に書いたような地獄であった。

鮮血の雨。赤で染まる白き甲冑。その場に倒れる幾つもの”人形”気づけば床は赤い池が出来上がっている

「はぁ。また汚れちゃった。でも、スキルだし解いたら消えるからいいや」

全員が動かなくなったのを確認するとスキルを解き出口の前に立つ。そして、先程気まぐれで助けたあの少女を思い浮かべる。彼女は無事に辿り着けたのだろう?いや、むしろ無事でたどり着いていないと困るのだ。わざわざ助けて、役割分担させたのに成果なしでこときれるなど、許されない。心の中で彼女はそうつぶやくのだった。

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