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成功したのね!?泣いてる桃さん想像したら泣けてくる..... というか桃さん2年もよく待ったな...これが愛なのか.....(?)
注意書きはあらすじ、プロローグを見てください
11_行きたい
青side
この間遊郭へ行ってからはや2年。
行こう行こうと思っていながら仕事に仕事の付き合いに仕事で出張。ここ2年仕事三昧でろくに休みも取れずないこにも会えていない。
梅毒の可能性があるから早く行きたいのに全く行けなかった。そして今日はやっとこさ休みが取れたので久しぶりの遊廓だ。
うきうきでないこを指名し、部屋に入る。今日は出張帰りの報酬でいつもよりも多く金が入った。そして十分すぎる金が貯まった。
だから今日は身請けをするつもりだ。
うきうきでないこを指名し、部屋に入る。
「お久しぶりですいふさん」
「うん。久しぶりこれんくてごめんな」
そして気づいた。梅毒が進行していることを。
「大丈夫やった?」
「あ、はい…」
嘘だ。何処かおどおどしているし、目線が下向きだ。
「嘘つかんで」桃
「…梅毒、でした」
そうぽつぽつと話し始めてくれた。
最初のしこりは1ヶ月で消えたが、3ヶ月経った頃から手足や体に発疹ができ始めたと。矜恃が高いないこは誰にもばれぬようにしてきたらしい。
男だと知られている客には一夜に誘われたら体調不良。女だと思っているものには月の道だと誤魔化してきたという。
「…こんな時に言うのはなんやけどさ」
「身請けされてくれへん?」
「え、」
「俺と暮らしたいって思うんだったらもちろん嬉しい。」
でも、嫌なのだったら無理に着いてこなくてもいいと付け加える。
彼はぽかんとした顔を浮かべていた。
桃side
断ろう。身請けを提案された時にまっさきに思ったことだ。
着物の下には発疹が出まくっている。こんなのを見られたら身請けされたとて飽きられるのが目に見えている。
もちろんついていけるもんなら行きたい。けど捨てられるのなら行かないほうがいい。
「ほんとの気持ちを聞かせてな」
そう付け加えた彼に何故か口が勝手に動く。
「行きたいです」
「でも発疹がでまくっている体を見て捨てられるのは目に見えてます」
「だからお断りさせていただきます」
はっと我にかえる。言ってしまった。こんなの同情を誘うようにしか見えないだろう。
「そっか、じゃあ身請け自体はええねんな?」
首を縦に振る。視界が滲んできた。
「じゃあさせて。捨てるなんてせえへんから」
「他に4人住んでるけどみんなそうは思わんよ」
「けど…」
どうせ会ったことのない4人だ。きっと嫌われるに決まってる。
「ちなみに内2人は今いる遊郭から身請けされた2人で残り2人は身請けしたやつやねんけどさ」
顔が上げる。もしかしてもしかするかもしれない。
「しかも俺の目の前にいる人と仲がよかったんだって」
堪えていたはずの水が垂れる。とめようとしても止められなかった。
「なぁないこ」
「こんなとこで言うのもなんだけどさ」
「結婚してくれますか?」
本当にやめてほしい。余計に止まらなくなるじゃないか。
「ないこ〜」
「なにー?」
ここ座ってと椅子を指さす。
ここ最近突拍子もないことをいうのが多くなってきた。
座るや否やどこからか筆と紙を持ってきた。
「動かんといてな」
それから3時間ぐらい経った頃。
「終わった」
そう言って紙をこちらに向けてきた。
そこには
「俺、?」
俺が写っていた。
線が少ないのに生き生きとしている。気がする。
「こういうの残しといたらさ後になって見かせるやん?」
「後すごい絵になるかも!!」
笑顔を向ける。絵が描けないのが惜しかった。俺も描きたかった。