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莉乃葉(待っててね…お姉ちゃん…私は必ず…お姉ちゃんの「望む世界」を作るからね……)
ー4年前ー
この日は憂鬱になる位、鬱陶しい大雨だった。
母親「いやあああああ!!恋華……!恋華ぁああああ!!!」
莉乃葉「……。」
ー今日、私のお姉ちゃんは死んだ。
暴走してきた車から私を守るために……。
莉乃葉「…お母さん…。」
母親「………うして……」
莉乃葉「……え……?」
母親「どうして!?どうしてあの子が死んであんたが生きてるのよ!!!」
莉乃葉「辞め…辞めて……お母さ…。苦し……苦しいよ……っ…。」
母親「……!」
母親「ごめんなさい……ごめんなさい…っ……。私……私…そんなつもり…じゃ…っ…。」
莉乃葉(お母さん……。そうだよね……お母さんからしたらお姉ちゃんは実の子だからそりゃ悲しいよね…。)
母親「…お母さん,ちょっと外に出てくるわね…。」
莉乃葉「…うん」
莉乃葉(お姉ちゃん…どうしてあの時私を庇ったんだろう……)
ー4時間前ー
恋華「…でさ〜。まじでほんと最悪だよね〜。…聞いてる?莉乃葉?」
莉乃葉「あ、う、うん、ごめんなさい…聞いて…ます。」
恋華「…あのさ。ずっと思ってたんだけどさ。」
莉乃葉「?」
恋華「いい加減,その敬語辞めない?だって私達、家族なんだよ??」
莉乃葉「あ、えと、ごめんなさ……あっ…。」
恋華「まぁ…そう簡単には行かない。か。」
莉乃葉「ごめんね…」
恋華「大丈夫!それよりさー…。」
莉乃葉(…私は別に、お姉ちゃんのことが嫌いなわけじゃない…。だけどいきなり私が養子として来たから…何となく居心地が悪いだけ…。)
通行人「危ない……!!!!!」
恋華「莉乃葉……!!!!!」
莉乃葉「…え…」
通行人A「きゃあああああ!!!!女の子が!!女の子が!!」
通行人B「早く!!早く救急車を……!!!!!」
母親「恋華…!!!!!莉乃葉……っ…。」
医者「お母様ですか…?」
母親「っ…はい…!」
医者「…少しお話があるので別室の方へ…。」
母親「分かり…ました」
母親「そんな…。どちらか1人しか助からない…って…!」
医者「私達もできる限りやってはいますが…何せその…長女さんの方が損傷が激しく、助かるかどうかなので…。」
母親「……っ……。」
ガラガラガラガラ…。
母親「先生……!!!!!先生……!!!!!うちの子は……!!!!!恋華は…!?」
医者「……。」
母親「そんな…そんなっ……!!!!!嫌っ……嫌あぁああああ!!!!」
莉乃葉「…行ってきます…お母さん。」
母親「……」
莉乃葉(やっぱり今日も喋らない……か)
お母さんはあれから人が変わったかのようになってしまった。
私の首を怒りに任せて締めてしまったあとから
ずっと暗いままだった。
あれだけ分け隔てなくニコニコ笑っていたのに笑いもしなくなった。食事も取らなくなった。
お父さんもなんだか元気がなかった、そりゃそうだ。だって…再婚同士で血は違えど娘には変わりないお姉ちゃんを亡くしたのだから…。
そしてそれは私も例外なくー。
莉乃葉「…お姉ちゃんの部屋に入るの初めてだな……。」
学校から帰った私は何となくお姉ちゃんの部屋に入っていた。少しでも姉の事を知りたいと思ったから。
莉乃葉「これ…なんだろう……?」
私はふと姉の部屋を散策していた時ひとつのノートに目をやった。
莉乃葉「…”秘密のノート”…?」
莉乃葉「……!!!!!これって……。」