no side
扉が閉まった音を聞いた後、彼は地下室へと足を向け、歩きだす
kn「……」
しかし、ふと立ち止まり、くるりと体の向きを変えると、地下室とは反対方向へ足を進めた
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ドアの横に【製薬開発室】と掲げてある部屋の前に来ると、彼は立ち止まり腕を上げる
彼がコンコンとドアをノックすると
??「誰だ」
と中から声がした
kn「俺だ」
彼がそう言うと、ドアが ガチャリと開き、白衣を身に纏った、無愛想な男が顔を出した
sm「俺だ、だけじゃ分かんねぇだろ。きんとき」
薬師は、少し苛立ったようにしながら悪態をつく
男は、R.O幹部の1人であるスマイルだった
彼は麻薬の密造 又は新薬の開発を担っており、R.Oの資金源の1つである麻薬の取引等は、彼を筆頭に執り行われている
kn「…wごめんごめん。
ところでさ、筋弛緩剤ってある?」
sm「筋弛緩剤?あるけど…それ使って何する気だ?」
薬師は眉をひそめながら、棚から薬を取り出し、彼に渡す
kn「まぁ、ちょっと…ね。」
彼は、曖昧に返事をしながら薬を受け取った
kn「ありがとう。じゃ、俺はこれで」
sm「あっ、おい!きんとき!」
薬師が彼を慌てて呼び止めるが、扉はバタリと音を立てて閉まってしまった
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トントンと、彼はコンクリートで出来た階段を降りていく
そして、重い鉄製のドアを開け、打ちっぱなしのコンクリートに囲まれた部屋に入る
部屋はダブルベッドとランプだけという質素な造りであった
しかし、天井から吊り下げられた手枷と柱に繋がれている足枷だけが、部屋の中で異彩を放っていた
そして、男がソレに手足を拘束されたまま、静かに眠っていた
彼は男に近寄り、しゃがんで彼の目線と自身の目線を合わす
shk「んぅ…」
その時、男が小さく呻き、ゆっくりと瞼を開けた
shk side
kn「おはよう、鮫島 翠君。ご機嫌いかが?」
目が覚めると、彼奴の顔が眼前に広がり、俺は慌てて顔を引く
shk「お前…なんで俺の名前を…」
kn「え? 何でって…知ってるに決まってるでしょ? 調べたんだから」
そう言いコイツは、にこりと俺に笑い掛けてくる
しかし、その目の奥は全く笑っておらず、ゾクリとする
shk「…組織のボス様が、俺に何の用だよ」
kn「何の用って…君が1番分かってるでしょ?可愛い可愛い”スパイ”さん♪」
shk「ッ!……俺は何をされようと、組織の情報は吐かない」
俺は、キッと彼を睨む
すると、コイツは愉しそうに目を細め
kn「お~!忠誠が厚いんだ」
と、おどけたように言った
しかし、直ぐにその目は、嘲笑に変わった
kn「でもさ、君…その組織に見捨てられたよね?」
shk「ッ!」
俺は、咄嗟に殴りかかる
shk「黙れッ!」
しかし、それは手枷によって叶わなかった
shk「ッ…俺はッ捨てられてなんか無いッ!
あれは俺のミスだッ!俺が…」
kn「時計台を真正面から臨める場所」
shk「 ッ!? 」
kn「…だったけ?それは彼処しかない。
それは君も気付いてたでしょ?
いい加減認めなよ。
君は、”組織に捨てられた”んだ。」
shk「ッ……」
俺の目に涙が浮かんでくる
これは、全部コイツの嘘だ。
だって、ボスは…あの人は、俺のことを絶対に見捨てないって…
“愛してる”って言ってくれたんだ…。
kn「君のボスは、君を捨てたんだ。
それでも、守ろうと思える?」
shk「…」
俺は言葉に詰まり、下を向く
だけど、もし…もし、コイツの言うように、捨てられたんだとしたら…?
俺が任務に失敗したから、ボスは呆れて俺のことを見捨てたんじゃ…?
そんな悪い考えが脳裏によぎり、俺はふるふると首を振った
いや、そんなことは無い。
俺は、”ボスを信じる”。
俺はそう思い直し、キッと彼を再度睨む
そんな俺を、コイツは呆れた目で見つめ、溜め息を吐いた
kn「はぁ…まぁ、君がそう思いたいなら、そう思ってればいいと思うけど…
俺から1つ、君に提案がある」
そう言い、コイツは俺の方に身を寄せてくる
そして、俺の顎に人差し指を当て、クイと上に上げた
kn「俺の性欲処理にならない?」
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<皆さんへ>
いつも沢山のハートやコメント、
ありがとうございます!
私の作品作りのモチベーションに繋がっています!
これからも、私共々、作品をよろしくお願いします!
コメント
3件
続き正座待機しますかぁ
えやばいめっちゃ好き