1個前の作品の反転版。どぞ。
現在時刻24:34なのですが、子供が私の後を尾けてきてるんです。
『…どうしたんですか?』
「お前に暗殺依頼がきてる。それだけ。」
『そうですか…なら、今此処で殺して下さい。あの、
“暗殺者セラフ・ダズルガーデン”様なら余裕でしょ? 』
「ッ?!」
「お前、何者?」
『四季凪聖来、一般人です。』
「いーや。なんか殺す気失せた。 」
『そうですか。つまんないですね。』
嘘だ。本当は…一目惚れしてしまったから。
冷たく吊り上がって綺麗に化粧された目元。
疲れや表情を隠す為の化粧だが蕩けそうな頬。
赤く可愛らしく染まった鼻先。
自分に似合う色を使いこなしている口紅。
全てが美しく。見た瞬間、殺すに殺せなくなってしまった。
『どうしました?そんなに見つめられては穴が空いちゃいますよ?フフッ』
「…」
可愛い。笑い方も上品で冗談の言い方も色気があって美しい。
仕草に惹かれたのは初めてだ。
「四季凪、着いてきて。 」
『? わかりました。いいですよ。』
『此処、何処ですか?』
「俺の部屋。」
『何をするんですか?』
「…」
考えてなかった。大人しく手を繋がれて進む姿が愛おしくて、
見とれてしまったら着いてしまった。何と言い訳しようか。
もういい。其の儘言ってしまおう。俺の、素直な気持ちを。
「あのさッ、俺、四季凪がッ好き。」
『フフッそれは嬉しいですね?』
「そうじゃなくてッッ!恋?で好きなの…」
『なら…、大人になった時に私を攫いに来てください。』
「…わかった。約束だよ。」
『約束ですよ。来なかったら他の人のお姫様になるので。
早く来てくださいね?』
「…左手…、出して。」
『左手…ですか?はい?』
「ハムッ ガリッッ」
『?!ぃ゙い゙ッッ』
「ごめんね。でも、予約したかった。」
『いいですよ。早く、攫いに来てくださいね?』
『…良い子は寝る時間です。健康な状態で来ないと承知しませんから。』
「…わかった。」
『それじゃあ、また今度。』ヒラヒラ
あれから俺はずっと訓練した。
初めて思った恋心を、初恋の人を無くしてしまわないように。
そして俺はとうとう20歳になった。今日、迎えに行こう。
『んふふ、そうなの!』
《あぁ、とても似合ってるよ。デゥフ》
『本当?!嬉しい!!』
《_______!______?》
『_______!______ww』
信じられなかった。俺だけが予約してると思ってたのに先約が
居たんだね。君は俺よりそんな人を取るんだ。11年も我慢してた
何かが吹っ切れた気がしたんだ。彼女を一目見れたなら死んでもいい。
そんな覚悟で今日は来たから。
それから、ずっと尾けて別れた所で覚悟を決めた。
「フゥー………四季凪。」トントン
『ッ?!…ッせらふッ?』
「そうだよ。攫いに来たよ。お姫様。」
『ッッ!まってましたよ…』ポロポロ
「あぁ、泣かないで。可愛い顔なんだから笑ってよ。」
『…フフッ ………はい!』ニパッ
「…ところで、さっきの人は?」
『…仕事の伝です。』
「そっか。なら良かった。」
『…?どういう事です?』
「贅沢なお姫様だから、他の人のモノになったのかと思った。」
『…私は、貴方の事しか考えて無かったのに
貴方は私以外の人を気にしてたんですね?』(上目遣い+頬ぷっくり)
「///聖来、それは///狡いよ…」(顔真っ赤)
『なにがですか?』
「俺のモノなのに可愛すぎるところ。」(耳元)
『/////貴方もでしょ』(顔真っ赤)
「ねぇ、聖来。俺と付き合ってくれない?」
『はいッ!お願いしますッ!』
「…」ポロポロ
『泣かないで下さいよ!』ポロポロ
「聖来も泣いてるじゃん。」ポロポロ
『…近いですし、私の家。来ますか?』
「ッ!行く!」
『なら、行きましょ?エスコートして下さい。私だけの王子様。』ニコッ
「…そういう所狡いよなぁ。」ボソッ
『なんか言いました?』
「なんでもないよ。行こっか」
コメント
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はっ、!!よく見たらショタおにだ!最高…可愛い…ショタ攻めもいいよなぁ