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※最終回
ワンクッション
同居を始めてから大騒ぎ続きではあったが、その間に殺し合いのようなケンカをしたり仲良くたくらみ事をしたりしている間に、グルッペンはエーミールという『少年』が何となく掴めてきた。
飛び級を重ねて外国の大学に入ったのも、何かと一人で突っ走ることが多いのも、ひとえに彼が早く自立したい焦りから来ていると、グルッペンは考えた。
おそらくエーミールの根底を支えていた『ユカリ』は、今やエーミールの手の届かぬところにいるらしい。精神的な支えを失ったエーミールは、誰も頼ることなく、のしあがるために、早く自立したいと急いでいる。
大人びた態度と子供のように泣きじゃくる態度が同居する、大人にも子供にもなれない不安定な『エーミール』という存在。
彼にとって、何だかんだ言いつつも全てを受け止めようとするグルッペンという存在は、居心地のいい宿り木であると同時に、いずれ乗り越えなければならない障壁である。
のしあがるための力を得る。そのための準備期間とわかってはいるが、早く力を手に入れたいという焦りが、時にエーミールを暴走させる。
焦る必要はない。『遊び』もまた、学びなんだ。
グルッペンは深く眠るエーミールを抱き締め、次はどんな『アソビ』に駆り出そうかと、ワクワクしながら考えていた。
「……ッあ、は、あぁ…ッ」
グルッペンの上に乗り腰を振るエーミールの姿に、愛おしさと征服欲を掻き立てられ、グルッペンはエーミールの中を更に強く突き上げた。
「あぁうッ!!」
いいところに当たったようで、エーミールは身体を仰け反らせ、甘くて切なそうな声を張り上げる。
エーミールが望む望まないに関わらず、結局この関係は続いていた。
頑なに自室の寝台環境を改善しないエーミールのために、グルッペンは自室のベッドをもっと大きなモノに買い換えた。グルッペンが自室にエーミールを引きずり込むこと=セックスをするということが、二人の間で最早暗黙の了解となっていた。
エーミールが好き好んでセックスに応じないことはグルッペンも重々承知しているから、基本的にグルッペンが強引にエーミールを誘い込むこととなる。
不承不承ながらエーミールが応じるのは、計算高く合理的思考ゆえに、断ったり抵抗したりが愚策と判断した時。グルッペンもそんなエーミールの思考がわかっているから、敢えてエーミールが断れない時に誘い込んでいる。
言い訳できないほどに、身体の関係は深くなっていく。それでもエーミールは断固として『恋人』という関係を拒む。
だから
「お前は……俺のモノだ。忘れるなよ、エーミール……」
そう囁くと、グルッペンはエーミールの腰に深く爪痕を刻む。
「……ッ!!」
初めて『精霊』と交わった時に、グルッペンが付けた『爪痕』。グルッペンはエーミールとのセックスのたびにそこに爪を立て、血が出るほどに深く爪痕を刻んでいく。
癒えることのない爪痕が、嫌が応にもエーミールを縛る鎖となる。
繋がれている先には、グルッペン。
言葉と爪痕で、エーミールは縛られる。
けれど、グルッペンが与える痛みは、エーミールを奮起させてもいた。
この痛みから解放される時こそが、エーミールが真の自由を勝ち取る時。
今は耐えろ。グルッペンを利用し、駆け上がるための、雌伏の時だ。今までの事に比べれば、グルッペンとの関係など些事に等しい。
「エーミール…ッ!イけッ!!」
「ひぅッ!あ”ッ!あン…ッ!!ンふッ…んン”ーーーッ!!」
激しく打ち付けるグルッペンの動きに、エーミールもまた高められ絶頂に向かっていく。
混濁しそうな意識の中、目に入るグルッペンの顔と、唇の感触。
いずれ潰す。
その思いを糧に、エーミールは今日もまた、グルッペンに身体を委ねていく。
【終】
【エピローグへ】
コメント
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すげぇこれ読んだら頭痛治った