❕attention❕
・ nmmn 、BL
・ irxs紫(攻受曖昧) × irxs桃(攻受曖昧)
・恋愛 表現 少なめ
上記に理解がある方のみの閲覧を推奨します
- N side -
「…」
無機質なタイピング音が静かな部屋に響く。手元にはモンスターの空き缶や頭痛薬が散らばっている。
むしゃくしゃするくらい散らかっているがそんなことを気に止めるほど余裕はない。やらなくてはいけない仕事が溜まっているからだ。
時刻は午前2時。最近ほとんど寝ていないし 、ベッドが恋しいのは確かだが本当に時間がないのだ。
「よし 、終わり … ちょっと休もうかな」
独り言を呟いてパソコンを閉じる。これで今日中にやるべきものは終わった。少しだけ仮眠を取ろう。いや 、お腹空いたかも。なんか食べようかな。
「あれ …」
立ち上がった途端目の前が真っ白になった。慌てて机に手を着く。
いつもの目眩だ。どうってことない。
そうならよかったのに。目眩はひどくなる。おまけにさっきまで感じなかった疲労と頭痛が一気に襲いかかってきた。
やばい 、かも …。
ドサッ
S side -
「ないちゃん…仕事忙しいんかな」
ないちゃんは3日前ほどから部屋に篭もりっぱなし。何か食べてるか不安だし正直寝てるかもだいぶ不安だ。
「ココアでも持ってくか」
最近スーパーで見かけてつい買ってしまったココアを入れて、持っていくことにした。モンスターの飲みすぎでカフェイン中毒になりかけそうなのでコーヒーはなし。
「ないちゃん?」
ドアを叩く。中からは何も聞こえない。
「…起きてるんやったら返事して?」
やはり返事はない。
失礼な気もするが心配の方が勝ったので勝手に部屋に入ることにした。
「ないちゃ … !?」
ないちゃんは倒れていた。暗い部屋の中机に寄りかかるように気絶していた。
N side -
「~ ♪」
何か聞こえる。小さくてはっきりとは聞こえない。けど、優しい誰かの声が聞こえる。
「~♪」
目をうっすら開く。そこには、鼻歌交じりに作業をするしょうちゃんの姿があった。
「しょうちゃん…?」
「あ、ないちゃん。おはよう」
しょうちゃんは微笑んだ。腕が重くて動かない。頭には冷えピタが貼ってある。
「熱。38度もあったで」
「…そっ、か……」
やっぱりちょっと無理しすぎたかな。目眩がした時から記憶がない。おそらくそのまま倒れたのだろう。
「ごめん」
わざわざ着替えさせて冷えピタを貼ってもらった礼が言いたかったのに、先に謝ってしまう悪い癖。
「…ほんとわかってないな」
「え?」
しようちゃんはパソコンを閉じた。
「ないちゃんは頑張りすぎ。あのな、これは僕だけじゃなくてメンバー全員から言えることや」
痛いくらい分かってた。けどリーダーであり社長でもある俺には当然のことだと思っていた。
「心配してるんやで、みんな」
「…ありがとう。でも俺は大丈夫だから……」
一瞬何が起きたか分からなかった。頬が熱かった。しょうちゃんに殴られたのだ。
「あんま叩くの好きじゃないわ。あのな、ないちゃん。もし仮にないちゃんが大丈夫だったとしても僕が大丈夫じゃない。分かる?」
首を横に振る。
「気狂いそうやで。ずっと部屋籠って顔見れなくて。様子見たら倒れてるなんて」
「…ごめ……」
「謝罪はいらない。僕からのお願い聞いてくれればええから」
「僕たちに頼って。抱え込まないで」
本当にその言葉で俺は救われたと思う。真っ直ぐした曇りのない目を見ていたらなぜだか自然と泣いていた。
「う 、ぅ …」
泣くなんてダサい。久しぶりに泣いたせいか泣き方もよく分からなくてもうぐちゃぐちゃ。そんな俺をしょうちゃんは何も言わずに抱きしめてくれた。
「頑張った。ないちゃんは十分偉い。だからな、もっと相談して。なんでも1人でやらんくてええんだよ」
優しい言葉を聞く度に涙が止まらなくて、俺は静かに胸の中で泣いていた。しょうちゃんは俺が泣き止むまで背中を軽く叩いてくれた。
「約束な?」
「うん」
「絶対やで」
「絶対」
「……ありがと」
ずっと言いたかった言葉。
「どういたしまして」
しょうちゃんはそう言って笑ってくれた。
コメント
1件
配信の切り抜きとか、動画とか見ると「いま会社にいる」って聞くこと多いから余計なんかグッときちゃうものがありますね…そしてやっぱりkoto様はいつも神…✨️✨️