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捜査員達のカメラの音が路地裏に響く
路地裏付近出口では黄色いテープが貼られており,その奥から心配そうに不安な声をもらしている民間人の姿が多く見える
路地裏ではブルーシートが敷かれていた。
その場では、ダレイと.その他の捜査員がその現場を見つめている
_路地裏の殺人事件__🥀𓈒 𓏸
事件の始まり_
「被害者は20代後半の女性です,名前はオリビア。女性は今病院で搬送中で,意識不明の重体です」
捜査員がダレイに捜査情報を伝える
現場付近をダレンは隈無く視線を転がすが
あれだけ出血がしているのにも関わらず争った形跡はまるで無かった
ひとつ言えることといえば建物2階の窓ガラスが割れて破片が散らばってるくらいだ。
それどころか、凶器すら見つかっていないのだ
「靴跡や指紋…なんでもいい、なにか見つかるものはあるか?」
「路地裏に入る前のアメバと言うスーパーマーケットの監視カメラの映像があります。」
「早速確認しよう」
パソコンのモニターで監視カメラの映像が映し出された
どうやらこの路地裏は色んな人が行き来するのに使っているらしい
奥にはデパートやフード店…その他にもペットショップにネイル屋.占いまでも揃っている
「我々の捜査では,この男が…怪しいかと」
捜査員が指を指す画面には被害者女性らしき人と男が路地裏にはいる所が映し出されている
どうやらここは近道に便利らしく,薄気味悪いが人が通るのはよく見かけるほどらしい
「……この男は?」
「近くのスーパーマーケットでアルバイトしている大学生です。何やら女性と関係があったとか…」
「……ふむ,早急に調べた方が良さそうだ」
「突然なんなんですか?あんたら、」
問題の男が,今まさにバイトしてると急遽情報があり
ダレイは徒歩で現場からこちらへ向かった
だが男は刑事の前だと言うのにガシガシ頭を搔く
「エイデンはお前だな?」
「は?…まぁ…オレっすけど…」
「オリビアという名前には聞き覚えあるんじゃないか?」
「聞き覚えも何も…仕事の同僚っすけど」
「昨夜何者かに彼女が路地裏で襲われた」
エイデンと呼ばれた名の男の顔色が変わった
「何故…?彼女が??」
「彼女とは本当にただの仕事の同僚だったのか?」
「は?……どういう事っすか?」
ダレイの言葉に何か察しをつけたのか、睨みつけながらエイデンは後退りをする
「まさか……その犯人が俺って言いたいのか?」
(まぁそう来るか…)
これは長期戦になりそうだ
ここで口論してる余裕は無い少ない微かな情報を頼りに探し出さなければ,犯人は確実に取り逃す
「彼女と恋人関係だったらしいじゃないか.何か彼女から聞いていなかったか?……見知らぬ人に付きまとわれてる…とか」
返答が無い…様子を伺うと、下を向き俯いた男はブルブルと拳を震わせていた
表情は見えないが,一言…冷たく刺さるような言葉がダレイにぶつけられる
「………出ていけ…あんたらに俺の何がわかるんすか…」
「……俺の仕事は犯人を見つけて捕まえる事だ…」
だがそれ以上は何も言わなかった
ダレイの携帯から着信が鳴る
「……失礼」
ダレイは軽く会釈をすると、電話の為に外へと足を運んだ
裏口の外へ出たダレイは着信が鳴る携帯に手をかけた
日光が差し込まない裏口から吹く風は凍えるような寒さだ
ピッ_
「はい。ダレイです」
「どうも,刑事さん。お仕事順調ですか?」
相手はまさかの人物だったのだ
あのバーテンダーの男だ
「なぜ俺の電話番号がわかった?」
「何を隠そう私は刑事です。調べ物は容易いものです」
何故か自慢げに話すのがかなり腹が立つな…
「何の用だ…アンタとはなんの繋がりもない.仲良くなるつもりなんて微塵もないぞ」
「いえそれは誤解です貴方様は私の大切なお客様ですから。それに電話をかけたのも,あなたに良い事を教える為です」
「良い事?」
電話越しにクスッと笑う声が聞こえる
男の言葉の意味がさっぱり分からなかった
あの男のことだ……まさか…と思い一応男に質問をする
「アンタまさか…事件の犯人が分かってるのか?」
「さぁ?どうでしょう」
そのままプツンと切られてしまった
「…まさかあのバーテンダー。刑事だからと言って俺と同じ事件を担当してるなんて言い出すんじゃないだろうな……」
「なんとまさか…あの方も同じ事件を担当してらっしゃるとは」
携帯電話をカチッとしまうと薄暗いの路地の中を男は歩き始める
「ここですね…」
男の目の前にはブルーシートが敷かれたあの事件現場だった
男はビニール手袋その場かがみ込むと、手を合わせ、ブルーシートに手をかける
__
「……まだ新しい」
立ち上がるとくるりと振り向き
誰もいないはずの暗い場所に話しかける
「刑事のものです.御手数ですが,何があったか事情聴取の方伺っても宜しくて?」
……
男の見つめる視線の先から黒いモヤが浮かんでくる
その形はまるで人間のようであり、怪物にも見える
ボコボコ…と動き,形がハッキリ分からない状態でその場にずっと残る
「私の担当は死んだ方のみなのです…」
懐から何やら小瓶を取り出す
手のひらに出すと、小瓶の中からは細かく小さな紙の様なものがパラパラ出てきた
全て手に出すと男は何かに向かって、かけた
「____は対象外です」
そのうち,バーテンダーが路地裏から消えていた。
動かしたものも全て元に戻っており、なんの痕跡も残っていない
そして,あれだけモヤモヤしていたものが、今はもう、何処にもいなかった。