「ママ、ぎゅ~っ♡」
そう言いながら私と叔母さんに抱き着いてくれる麗と同じように、私はこの二年間で叔母さんに育ててもらえたと思う。シュンくんのことも冷静に考えられるようになった。だから私は、本来の私の家のはずのアパートに行って、そこにいたシュンくんに、
「ちゃんと麗のパパになって」
って婚姻届けを差し出しながら言った。
久しぶりに会ったシュンくんだけど、前とまったく変わった印象がなかった。そのまんまなんだ。だからすごく彼のことが子供に思えた。こんな人を好きだったんだと思ったらなんか情けなくなったけど、今はそんなのどうでもいい。
「なんだよ今さら……」
渋る彼に、
「大丈夫だよ。シュンくんに養ってもらおうとか思ってないから。麗のパパだってのを認めてほしいだけ。養育費とかも要らない」
きっぱりと言ったんだ。
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