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「てか、翔いつもより早くね?」
変な物でも食った?と、ここまで人を煽れるのはもはや一つの才能だと思う。
「別に、今日はたまたま早く起きれたから来ただけだよ」
目線を合わせずに答える。教室にはまだ高橋と村雨しかおらず、二人の声は教室内に十分すぎるほど響いていた。
すると、そこに一つの人影が。
「お、村雨、おはよう」
そこにはさっきまで高橋と駄弁っていた森沢先生の姿があった。
「森先じゃん!おはようございまーす! 」
「おいこら、森沢先生と呼べ森沢先生と」
「……森先」
「なっ、高橋まで!!村雨〜!」
「えぇ!?俺のせいかよ〜!」
そうやって三人でふざけ合う。やがて、我慢の限界が来たのか教室から廊下にかけて、村雨の笑い声が大きく響き渡った。その後に高橋、森沢と、続々に笑い出す。
喋っていると時間が過ぎるのはあっという間で、しばらくすればチラホラと教室に入る人が増えてきた。スマホに夢中になってる奴、女同士で喋ってる奴、男同士で喋ってる奴、男女で話し合ってる奴。高橋はいつも人が大体集まったときに教室に入っているが、静かな教室も良いものだったと、一人静かに思うのだった。
学校のチャイムが鳴ると、森沢が早く座れと声をかける。日直の声掛けと共に席を立ち、礼をし、座る。
「今日は特に連絡はないがー……もうすぐで文化祭だからなー」
文化祭、という言葉にクラスの雰囲気がソワソワしだす。それもそのはず、学校の特大イベントの一つ、楽しまないほうが損なのだ。かくいう高橋も顔や言葉には出さないものの、周りには花が浮き出そうなほどにワクワクとしていた。だが、楽しみと同時に出し物や準備、その他諸々のこともあり、楽しみと怠さを交えた溜息を吐きそうになった。