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中二の春休み。
私は何気ない日常を送っていた。ただひとつ変わったことは、付き合っていた恋人と別れたこと。そんなに悲しくはなかった。むしろ友達のままになっただけマシか、と思ってしまった。私はまだ華奢なあの子が好き。それだけは変わらない。けどその子はなんとも思ってもないし私が同性愛者なんて思ってもいないだろうな、と思っていた。そもそも好きなんて基準が分からない。
「好きってなんだろう。」
姉も兄も従兄弟も全員恋人がいた。
でもその好きは何?恋愛感情?そんなの甘ったるくて気持ちが悪かった。普通異性とハグやキスやセックスや色々できるものなのか?そんなこと考えたって意味もないか、と思いギターの練習をする。
ギターと読書は趣味みたいなものだった。あと洋画鑑賞。綺麗な世界に入れてるようでとても楽しかった。絵を描くのも好きだったけど友人が私より上手かったりして自分が下手に見える。それが嫌で暇な時ぐらいに書いていた。趣味や好きな物に囲まれてるのが唯一の幸せ、いつか海外にも行きたいなと考えながらインスタのリールを見る。景色を見るのも好きだった。
そう考えているとピコンっと携帯が鳴る。その時息が詰まった。もう忘れようと思ってた好きな人からのLINE。その内容は、
「今時間ある?遊ばない?」
嬉しいと同時に苦しさも来ていた。どうしようと思ってた時またピコンと鳴る。
「さくら暇人だろうと思って笑。」
ハハ。乾いた笑いが出てくる。私は人形かよ笑。目に涙が出てきた、笑ってたはずなのに悲しくて苦しくて舌が苦くなる。私はこう送った。
「暇人って笑、けど今日は姉と出かけてますー笑!」
嘘だった。けどそうでも言わないとたとえ二人で遊んだとて今の気持ちじゃ楽しくないよ。そう思った時にLINEが来た。
「ごめんて笑。まじかー!また遊ぼ!」
ほっとした。そのままベットに倒れてぼーっとしていた。何も聞こえない、何も見えない、何も喋れない。急にオェっと吐き気がした。頭が何も動かない、あぁこれが失恋かよ。
「嫌な失恋の仕方笑。」
馬鹿馬鹿しくて笑えた。あぁ逃げたい、死にたい、どこか遠くて首吊りか、いや切腹でもいい。毒殺でも射殺でも殴殺でも刺殺でも絞殺でも笑殺でも溺殺でも轢殺でも落殺でもいいからお願い誰か殺してよ。と思った瞬間ふと、カーテンを開けた。いつも開けなかったから換気しよと思った時、夕焼けが綺麗に見えた。それが綺麗で美しいオレンジ色になっていて思わずもう乾いてたはずの目が涙を零す。汚れた私を浄化するように輝いていて眩しい。
「もう少しだけ生きてみようかな。」
ベランダに出て夕焼けを見ている。こんな綺麗に見えると思っていなかった。神様はずるい人だなぁと乾いた笑いをする、雨が降っていたはずなのにもう晴れている。まるで私の感情をわかっているかのように。まだ、
好きでいてもいいのかな?
つづく