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あれっいつのまに作品のサムネ?が変わってる!?かっこよ!!どうやってやってるんですか??
鶴吉〜食べるか喋るかどっちかにしろ〜w(やっぱり好きだわー)(◡ 0 ◡)ウンウン続き待ってま〜す
五稜郭…死人党…決戦!!!!やばいやばい!!死人党のメンバーの死因が怖い…けどカッコイイ…これアニメ化とかしないかな~~!!
場所を聞いてすぐ、輝夜は立ち上がって、
「ご協力ありがとうございます 」 と敬礼をする。
自分もしたほうがいいかと思い、 おぼつかない敬礼をすると、
ムラサキは微笑みながら、
「いえいえ、お役に立てたのなら何よりで
す」と優しく吐息のように言った。
輝夜とともに千春が家を去ろうとすると、
あ、ちょっと待ってください、 と
ムラサキが2人を呼び止める。
「五稜郭について、一応資料をお渡しして おきましょうか?なにか助けになるやもし れませんし」
千春はそれを聞いて振り向くと、
「ぜひ、お願いします!」と
朗らかに言った。ムラサキはニコリと笑み を浮かべ、資料の入った封筒を渡し、口を 開く。
「ああ、あと一つ聴きたいことが。長岡京 市の怪奇現象は、やはり人為的なものなん ですか?」
「…機密情報なので、答えられません」
あまりこちらのことは言うなと 赤津から言 われているので、 千春はそう答えた。 するとムラサキは、
「黙秘は肯定ととりますね。 ハッキリ違う と否定しないということは、 怪奇現象など ではないということですね?」と言う。
鋭い質問に、千春はギクッとしてしまう。 輝夜は相変わらず無表情だが、若干額にシ ワが浮いていた。眉を細めている。 少ししてから、輝夜は言い放つ。
「いいえ、怪奇現象ですよ。あなたたちに とってはね」
千春は感心した。嘘は言っていない。 変に偽るより、よっぽどいいと思った。 だが、ムラサキも譲らない。
「安心してください、単なる趣味なので。 機密を漏らすようなことはしませんよ」
「情報屋にそれを言われるほど、信用でき ないことはないですね」
輝夜が言い返す。 するとムラサキは困ったような顔をして、 頭をポリポリと掻きながら黙り込んでしま った。諦めたようだ。
「まぁ、気になることがあったら聞いてく ださい、協力できることは協力しますよ」
と口では言っていたが、納得いっていない ような、そんな語調で言うものだから、 こ の人は本当に気になることはとことん突 き 詰めたいんだな、と千春は少し呆れ気味 で肩をすくめた。
それから特葬課に戻り、千春はムラサキか ら得た情報を全員に話す。 赤津は興味ありげに、百田はあくびをしな がら、それを聞いていた。 椎名は公演があるから、と1時間ほど留守 にしており、今帰ってきたばかりなので、 かなり疲弊しているようだった。 鶴吉はと言うと、むしゃむしゃと食事をし ている。肉、魚、野菜、果物…様々な食べ 物が鶴吉の机に所狭しと並んでいた。 輝夜は聞いているのかいないのかわからな い無表情だった。 千春はそれを見て半ば心が折れそうになり ながらも、 必死に説明した。 ムラサキからもらった写真を提示しなが ら、男の目的についての見解も述べた。長 岡京市の人々はいざとなったときの人質に するつもりだとか、五稜郭に箱があるん だ、 とか。…根拠はない。ただの憶測に過 ぎなかったが、 自信を持って考えを話し た。 すると、唯一ずっと興味深そうに聞いてい た赤津は一通り説明がおわったあと、 小さく拍手をした。千春の方を見ながら、 誇らしいといったような顔をしている。
「千春クン。お手柄だ。我々だけではおそ らく、手がかりを掴むのも至難だっただろ う。キミがその情報屋と関わりを持ってく れていて良かった」
その言葉に、思わず顔がゆるむ。 特葬課に入って初めてまともに評価されて 褒められた千春は、なんとも言えない万能 感と快感を覚えた。
「ほうね、ひゃるひゃない」
椎名があくびをしながら同調する。 そうね、やるじゃない、 と 言いたいのかもしれない。
「ああ!ボクもふぁながふぁふぁいよ!」
言っている間も食べ物を口に入れ続けてい る鶴吉。食うか喋るかどっちかにしろ、と 言いたくなる。
百田は端から聞いていなかったのか、 鼻提灯を作りながら、 立ったまま寝ていた。 あんたはマンガのキャラクターがなにかな のか?と若干疑問を抱きつつも、一番伝わ るべき人には伝わっているので、気にしな いことにした。
「さて、キミ達が情報屋のところに行って いる間、僕らも敵勢力の規模と死因まで、 あらかた調査が完了したところだ。これか らしらみつぶしに探そうと思っていたが、 キミ達が正確な位置まで情報を仕入れてく れたのでね、助かったよ 」
「今回の死呪人集団には、どんな死因が予 測されるんですか?」と輝夜が質問する。
「まずは僕らがかねてより探しあぐねいて いた、 手配書の死呪人たちなんかがほとん どだね。 この間襲いかかってきて、我々が 殺害した 死呪人たちは抜いて、今判明して いるのは、 椎名くんが逃してしまった “震死” の死呪人 “武骨 琴里”。 千春クンの幼馴染で、 “溺死”の 死呪人、 “音鳴 姫百合”、 “中毒死”として手配され ている、“金坂 田太郎”。 そして、百田が殺しそこねた“凍死” と、 “転落死” の死呪人 もいるものとして考えよう。 ‥‥あとは、A級指名手配犯である “老死”の死呪人、 “猿津蟹 戦牙”。 そして、“自死”の 死呪人、 “矢待 羽葉” だ。」
「そ、そんなにいるんですか」
「まぁこれはあくまでも予測さ。もっとい る可能性もあるし、そうでない可能性もあ る。だが、千春クンの幼馴染以外は、全員 手配書で指名手配するほどの悪人だ。そう 考えると、邪魔な我々を消すために、逃げ る者どうしで徒党を組んだのかも知れない な。そのために、束屍を欲して いるのかもしれない。強大な力を得るため にね」
「なるほど…」と千春が納得していると、
「さて、話はまとまったようだな!みんな、聞いてくれ!」と
いつの間にか起きていた百田が大きな声で 言う。 その声に鶴吉は食べる手を止め、 赤津は顔を百田へ向ける。 椎名も、先程まで眠そうにまぶたを閉じか けていた顔が、途端にキリッと整う。 輝夜は相変わらず無表情だ。 人が違うとこうも反応が違うのか、と 千春はなんとも言えない気持ちになった。
「明日、北海道に発つ!任務内容は、死呪 人の集団である“死人党”の壊滅だ!おのお の、準備をしておいてくれ!場所は函館 市、五稜郭!かつて外国 の黒船が攻めてきたときのために建てられ た、日本の遺産だ!“死人党”などという犯 罪者達が、遺産を踏み荒らし、罪のない 人々の血で汚すようなことは、あってはな らない!皆!正義は我らにある!信念を胸 に、悪を滅せよ!」
百田が喋り終わると、千春以外のメンバー は、「了解ッ!!」と敬礼しながら高らか に宣言した。
千春も遅れて「了解!」と敬礼する。
かくして、千春達特葬課は、
それぞれ決意を胸に北海道へと向かった。