※このお話は、長編モノの途中になります。
※第一話の注意事項を熟読したうえ、内容に了承いただけた方のみ、先にお進みください。
※途中、気分が悪くなった方は、即座にブラウザバックなさることをオススメします。
【注意】
年齢捏造
※grem→大学生(20くらい)。zm→10歳くらい。tnrbr→10代後半かそれ以上。
わんくっしょん
キングサイズのベッドにエーミールを投げるように転がすと、グルッペンは別の手に持っていたエーミールのカバンを膝に乗せ、どっかりと椅子に腰を下ろした。
「服を脱げ。全部だ」
「…わかった」
「脱いだらベッドの上で四つん這いになれ。ケツをこっちに向けて、だ」
「…yes,sir…」
従順な言葉と裏腹に、唇が噛み千切れそうなほど力が入った口許に、エーミールの悔しさが滲んでいた。
エーミールが粛々と服を脱ぎ始める傍らで、グルッペンはエーミールのカバンを引っ掻き回すと、レシートの束を取り出した。
「ふむ。病院の診察代にタクシー代…。あとは婆さんちのカード明細とホテル代。思ったより使ってない上に、カード決済は婆さんとこだけか」
「現金取引は基本だろ」
パーカーを脱ぎ終わったエーミールはそう言うと、パーカーを丁寧に畳みベッド脇に置いた。
「そない丁寧に時間稼ぎせんでも」
「今、服はこれしかないねん。これダメにされたら、全裸で帰る羽目になる」
「……丁重に取り扱うと約束するよ。ああ、ベルトとジーパンは、別にしてくれたまえ」
「…………」
エーミールはジーパンを脱ぐと、言われた通りにベルト通しからベルトを引き抜き、畳んだジーパンの上に置いた。
悪趣味な腹積もりが解っているので、どうしても表情が苦々しくなる。
「確かに、現金取引は基本だ。一番信用に足るし、何より足がつきにくい」
「それゆえに、婆さんちのカード決済が異彩を放つが……。しかし、あの婆さんとこでこんな額になるまで食うとか、店潰す気か?」
「相手の方が大食漢やってん。俺のせいとちゃう」
「ふーん…。エミさんより大食漢とはな。どうやら、大男が相手と言うのは、本当らしいな」
ある意味、事実だ。ただ、エーミール以上の大食漢が、年端もいかぬ少年というだけで。
それゆえに、取り繕う必要などなかった。うまいことグルッペンが誤解してくれたものの、これ以上突っ込まれるのは面倒だ。
エーミールはボクサーパンツを脱ぎ、ゆっくりとジーパンの上に投げ置いた。
「おっ。靴下だけとは、なかなか扇情的やんか。誘っとんのか?」
「……変態」
靴下だけの姿に興奮するグルッペンに対し、ちょろっと舌を出して見下すように言い放てば、更に興奮した面持ちでグルッペンが椅子を蹴って立ち上がる。
「靴下は脱がんでええんか?」
「ああ。そのままで構わんよ。全裸よりよっぽどエロい」
「変態の言い種、まんまやんか」
「ええから早よ、ケツをこっち向けて四つん這いになれ」
「yes,sir」
感情を殺した棒読みの声で、それでもエーミールは従順に四つん這いになり、尻をグルッペンに向けた。
エーミールが脱いだ服の中から、グルッペンはベルトを取り出す。
バチンッ。
畳んだ革ベルトを鳴らす音が響く。
エーミールの身体に、嫌な汗が滲む。
歯を食いしばる。
ひゅんっ。
空を切る音と同時に、エーミールの尻に衝撃が走る。
「うッ……!」
さすがによく解っている。
痛みと快楽の狭間の、良い加減の鞭打ちは、グルッペンにしか知り得ない。いきなりトップギアにせず、まだ物足りない辺りから始めていくあたりに、グルッペンのいやらしさがある。
「昨日、他の男咥えた割に、キレイな身体しとんな」
「『一緒の部屋に泊まった』とは言ったが『寝た』とは言ってない」
「そーだっけ?」
「貴様の早とちりだ」
「エミさんが直接取引で、男を咥え込まないなんてこと、あるか?」
「それこそ、俺や相手に失礼と思わんか?」
「思わんね」
そう言い放つと、グルッペンはエーミールの尻をもう一度ベルトで叩いた。
「…んッ」
「このケツがどんだけの男を咥え込んだかと考えるだけで、怒りでキミを引き裂きたくなる」
「独占欲の…ッ、塊か、ぁッ!」
一発、二発。
叩く回数が増えるたび、強さと間隔が強く早くなっていく。
「独占欲…とは違うな。そうだな…、強いて言うなら、征服欲とでも言おうか?」
「変わらんッ!やろ…ッ!」
鞭打つ箇所が、尻から背中へと広がっていく。責め苦が激しさを増していく。
「ぅあッ!…あン…ッ!」
「はっはっ。やっぱ、良い声で鳴くなぁ、エミさんは」
「あっ、痕だけはッ!つけんッ、とい…ッて!」
「……お、お願い……」
涙を潤ませた瞳でそう言われ、グルッペンの苛虐心更に燃え上がる。
「お前次第や、言うたはずや」
ベルトが空を引き裂く。
エーミールの背中を打つ音が響く。
「あッ、あぁ…ッ」
苦痛を快楽と誤認するまでに歪められたエーミールの身体は、無意識に突き上げられた尻を振り快楽を求める。
突っ張っていた両腕はすでに力が入らず上半身を臥せるような体勢で、シーツを握り締めることで何とか痛みと快楽に抗する。
「うッ、う…んッ、あ、ぐ…ッ」
「……どうして欲しい?言ってみろ、エーミール」
エーミールの背中を打つ手を止め、耳元に口を近付け囁くように尋ねるグルッペン。重低音の彼の声を間近で聞けば、脳が侵食されそうになる。
「どうされたい?」
耳朶をねぶる声に、身体がビクリと震える。
もうやめて。
こわい。こわい。
いたい。
いたいのは、いやだ。
小さなエーミールが心の中で叫ぶ。
ああ。怖いな。痛いな。
でも、逃げられないんや。
諦観した大人のエーミールが諭す。
「……せめて、シャワーさせてくれ……。ちゃんとケツほぐしときたい……」
わずかでも痛い思いをしないために、痛覚を快楽に、痛みから逃れるために自分から差し出す。
いやな大人になったものだ。
心の中でエーミールは自嘲する。
「いいだろう」
エーミールの懇願を、グルッペンが快諾する。
「ただし、俺の目の前でするんだ。ええな?」
「……わかった。靴下は…」
「ああ。もう脱いでええで」
赤く染まったエーミールの尻を、グルッペンの手が慈しむように撫でた。
「なかなかに新鮮やったで?」
グルッペンはエーミールの腕を取り、彼の身体を引き上げると、肩で担いでシャワールームへと向かった。
バスルームとは別に主寝室の隣にあるシャワールームは、全面がガラス張りで外壁にブラインドがついていた。
プライバシーの概念もへったくれもない、非常にいやらしい造りをしている。
エーミールはそう思ったが、だからと言って彼にはこのシャワールームを使う以外の選択肢はなかった。グルッペンはエーミールをシャワールームまで運ぶと、中にエーミールだけを入れ、自身はガラス越しにエーミールを見ていた。
「どうぞごゆるりと、エーミール。入念に『キレイ』にしてくれたまえ」
そう言うとグルッペンは、シャワールームの前に椅子を持ってきて特等席を作り、どかっとそこに腰掛けてシャワールーム内のエーミールを凝視する。
「さあ、ショーの始まりだ」
グルッペンの合図にエーミールは舌打ちし、シャワーのバルブを開いて湯を浴びた。濡れて顔に張り付く髪をかきあげ、ガラス越しにグルッペンへと視線を向ける。
よく見ておけ。
そう言わんばかりにエーミールはグルッペンを睨み、水分の滴る己の肌にじっとりと指を這わせた。
「ほう」
やる気になったエーミールの艶かしい動きに、グルッペンは愉しげな声をあげた。
エーミールの指が局部に達したその時、エーミールはグルッペンの座っている方向のガラス面に、シャワーの湯を向けた。水滴と湯気でモザイクのようにぼやける局部に、エーミールは指を這わせ、グルッペンに見せつけるように喘ぎ悶える。
「おいおい。挑発か?」
グルッペンは、嗤う。
エーミールもまた、嗤う。
絶妙なタイミングでガラス面にシャワーを当て、肝心なところは見せない。けれど、確実に後ろを弄っている様子がわかるよう、あからさまに腕を動かし腰を振る。ガラス越しに漏れ出るかどうかで、抑える声。
実にいい。
グルッペンは高揚を覚えた。
エーミールが羞恥もプライドも投げ捨て、グルッペンを魅了することに傾注する。さながら蠱惑的な舞いで異性を魅了する蝶のように。グルッペンを取り込み喰らい尽くさんとする、蜘蛛のように。
何も持っていないエーミールにとって、グルッペンを掌の上に置くための武器。それがエーミール自身であることを承知し、時に魅せ、時に隠し、グルッペンの注意を引いていく。
こっちへ来い。
エーミールとグルッペンが、同時に手招きをした。
訝しげな顔をするエーミールに、グルッペンがもう一度手招きをする。
こっちへ来い、と。
誘いの舞いは終わった。
エーミールは苦々しげに舌打ちをすると、シャワー室の入り口に掛けてあったバスタオルをひったくり、乱暴に頭から身体を拭き、グルッペンの元へと足を進めた。
「好きにせぇ、言うたんはキミやで、エミさん。だから、好きにさせてもらう」
「……わかっとる。次は何すればええねん」
乱れた呼吸で、それでも唾棄するように、エーミールはグルッペンに次の命令を促した。
「もう普通に愛し合おうや。フツーにベッドに横になってくれれば、もうそれでええ」
「愛なんかないのに、か?」
エーミールは嘲笑を浮かべ、ベッドに身を投げ、横になる。グルッペンも服を脱ぎながら、ゆっくりとベッドに足を運ぶ。
「……エミさんにとって、『愛』って何だ?」
「『手段』やな。それ以上でもそれ以下でもない」
バッサリと切り捨てられた答えに、グルッペンは苦笑を浮かべてエーミールの隣に腰かけた。
「どんな人生送ったら、そんな価値観なる?」
「目の前におるやろ。こない人生や」
エーミールはグルッペンの首に両腕を巻き付け、ゆっくりと抱きついた。
「だが、グルさん。キミにだけしか言えんことがある」
エーミールはグルッペンの耳元に顔を近付け、小さく甘い声で囁く。
「おまえなんか大ッ嫌いや」
グルッペンが横目でエーミールを見ると、愉悦に浸った笑顔のエーミールがそこにいた。
「グルさんだけやない。アルフレッド教授も、エバンス教授も。八雲教授も。ゆかりさんも。そして俺自身も。みんなみんな大ッ嫌いや」
「ははっ。本心か?」
「せや」
「なら、ええ」
グルッペンはそう言うと、エーミールの両頬を手で覆い、喰らいつくようなキスをした。
「んッ、うぅン…ッ」
キスの最中も、グルッペンの指が容赦なくエーミールの背中を、脇腹を、滑っていく。じわじわと与えられ高められていくもどかしさ。
「…ッ!は、ぁあ……ッ!」
塞がれた口からグルッペンの唇が離れ息を吐くと、同時に両の乳首を強く摘ままれ、弾かれ、こねくりまわされる。
「あッ!や、ぁ…ッ、あン…ッ!」
「いい声だな、エーミール」
興奮気味に言い放たれたグルッペンの言葉と共に、指はエーミールの乳首を更に責め苛む。
「やッ!あ、い、いや…ッ!や…ッ」
「『いやや』言うてるヤツが、エロいツラしてこない固くするんか?」
グルッペンはそう言うと、エーミールの乳首を更に強く摘み上げた。
「ぅあッ!やッ、あッ!」
乳首を弄られているだけなのに、腰の辺りがもどかしくなり、艶かしい声を張り上げ腰を揺する。
「ヤラシイな。もう欲しいンか?」
「欲しかったら欲しい言うて、可愛くおねだりしてみ?好きなだけ可愛がったるで?」
「……ッ!好きにせぇ言うたやろッ!」
「好きにせぇ……ねぇ」
グルッペンがイヤらしい笑みを浮かべ、エーミールを見下ろす。
少し考え、グルッペンはエーミールの耳に口を近づけ、息を吹き掛けるように甘く囁いた。
「ほな、このまましばらく放置しててもええってことやな?」
「……!!」
言葉の裏を取るグルッペンの言い様に、エーミールは殺意を抱くと同時に己から発せられた適当な言い種を呪った。
「……。わかった」
「わかってくれた?」
「終いや。帰る」
エーミールはグルッペンの腕を振り払うと体を起こし、ベッドから出ようとした。
「おい待て、エミさん」
グルッペンが慌てた様子でエーミールの腕を握り直しベッドへ引き戻そうとするも、エーミールは頑なに抵抗する。
「終いや言うたやろ。ヤる気のないやつと、これ以上おる気はない。帰る」
「待て言うたやろ!」
グルッペンは無理矢理エーミールの腕を引っ張りベッドに引き戻すと、エーミールの上に乗り頭の上で両手を押さえ付けた。
「……離せ」
「断る」
射殺すほどの眼光をグルッペンに向けるエーミールだが、エーミール以上にギラつかせた眼光をしたグルッペンには効果はなかった。
「ガキみたいに、構ってもらえへんからって、拗ねてんとちゃうぞ」
「誰がガキや!それに拗ねてんとちゃうわ!ヤる気ないヤツには興味ないだけやッ。どけッ!」
「……好きにせぇ言うたな。なら、好きにさせてもらうで?」
「せやからもう、それは終いやて言う……ッ?!」
エーミールの反論は、グルッペンによるみぞおちへの膝蹴りで黙らされた。
「ぐ…ッ、うぅ…!」
みぞおちへの重い一撃に、エーミールは腹を押さえて悶え苦しむ。その間に、グルッペンは自分の鞄の中から、手錠を取り出しベッドに戻ってきた。
「や、やめ…ろ…」
グルッペンの手にする金属製のモノの意味することを察したエーミールは、か細い声で、それでも必死に抵抗する。
だが、弱々しい抵抗虚しく、ベッドの柵に絡めた手錠に、エーミールの両手がはめられてしまった。
「こ、の…ッ!」
「終わったら外したる。安心せぇ」
グルッペンはそう言うとエーミールの両足を持ち上げ、エーミールの尻穴に猛り立ったイチモツを充てた。
「さっきまでほぐしとったから、このままブチ込んでも大丈夫やな?」
「い、いややッ!!せめてゴム付け…ッ!あ、あぐっ…ッ」
エーミールの中に、グルッペンの熱い猛りが、無理繰り侵入してきた。ほぐしはしたものの、潤滑油のない挿入は、エーミールの身体を軋ませる。
「…あ、あぁ…、あ……」
痛みと圧迫感に、エーミールは堪えきれずに低くか細い悲鳴を上げる。見開かれた両目は虚空を見つめ、だらしなく開いた口の端から唾液が滴る。
「んー…。生のほうが気持ちええねんけど、やっぱ濡れてへんとキッツいなぁ」
グルッペンはそう呟くと、自分のスーツのポケットからガムシロップのポーションを取り出し、エーミールとの結合部分に垂らして馴染ませた。
「まあ、ないよりマシやろ」
グルッペンは結合部分のガムシロップを馴染ませるように、ゆっくり少しずつ抜き差しを始めた。
「あ、あぁ…」
緩慢な動きに合わせて、エーミールが苦しそうに声を漏らす。
「いい具合になってきたで、エミさん。もうちょいで気持ちようなってくるで」
「や…、い、やや…、中…、出さ…と…いて…」
「……努力はしよう」
グルッペンがゆっくり小刻みに出し入れを繰り返すと、そのたびに中の扇動がもどかしく、喉から短い呻き声が出てしまう。
「うっ、ん、んぅ……ッ」
「はっはっ。すごいぞエミさん。ほぐしていたお陰で、大分いい感じになってきたぞ」
「んン…ッ!動…く、なッ!」
エーミールの制止に耳を貸さず、グルッペンはエーミールの中で動く速度を上げていく。
「やめ…ッ!痛、いたいッ!」
潤いを与えられないまま無理に挿入されたせいで、肛門が少し切れてしまったようだった。鋭い痛みに悲鳴を上げ、止めるよう叫んでも、グルッペンは動くことをやめない。
エーミールの耳元に顔を近付け、神経を戦慄かせるような甘い重低音で囁く。
「『愛してる』って、言ってみ?」
「…………!!」
「愛しているんだよ、エーミール。だから、キミからも『愛してる』という言葉を、聞きたい」
「ふざけ…ッ、あッ!やッ、あぅ…ッ!」
「言うてみ?たった一言でいいんや」
エーミールの『言葉』を急くように、グルッペンは次第に腰を激しく突き上げていく。
「あッ!は、ひ、ぃ!んンッ!」
「言ってくれ、エーミール。『愛してる』って」
激しくなっていく動きに、肺の空気を押し出される。
苦しい。
「…………ぃゃ…………」
「……エーミール?」
苦しそうに喘ぐ声の中から、辛うじてエーミールが絞り出した意味ある言葉。
「おまえなんか大ッッ嫌いやッッ!!!!」
全身全霊のこもったエーミールの憎悪。
真っ直ぐな、純粋な憎悪を向けられ、グルッペンは心の底からの魂の痺れを感じた。
自分だけに。グルッペンだけに向けられた、エーミールの心の雄叫び。
どんなに激しい折檻でもセックスでも、澄ました顔と言葉に遮られ、決して見せたことのないエーミールの本心。
「いいぞ…。いいぞ、エーミール。貴様の本心を、すべて俺にぶつけてみろ」
「あ”……ッ!」
喘ぎすぎた。叫びすぎた。
ただでさえ自分の意思で呼吸できないところに、更に突き上げられ追い立てられる。
息が吸えない。
苦しい。
なのに、身体の内から強く激しく突かれる。思考すら溶けていく。
「……、……、」
口だけがパクパクと動くが、言葉どころか声も出ない。
「苦しいのか、エミさん?少しラクにしたろか」
グルッペンはそう言うと、一旦腰を動かすのを止め、口を重ねた。
キスというよりは空気を送り込む人工呼吸のようなものだったが、酸欠になりかけていたエーミールの身体に新鮮な空気が送り込まれたことで、身体は呼吸を思い出す。
「ッ、はッ!は、あ…」
肩を小刻みに動かし、少しずつ酸素を取り入れる。次第に脳に酸素が行き渡り、頭の靄が少しずつ晴れていく。
「……クッ、ソが…ッ!」
「日本来てから、言葉汚ななったで、エミさん」
「元からや…、あッ!」
耳と腕の合間に埋まっていたグルッペンの頭が、胸に下がっていき、エーミールの乳首を舌で舐る。エーミールは身体を捩り、身体の芯を駆ける快感に抗う。
「愛してるで、エミさん…」
グルッペンは慈しむようにエーミールに囁くと、再び腰を激しく突き上げ始めた。
「やッ!あ!ふぁ…ッ、ひ、ぃ!」
突かれる毎に声が漏れる。
もう。
もう…
終わりたい。解放されたい。
快楽と苦痛の煮凝りのような、こんな悪趣味から。
エーミールは強く目を閉じた。
外界の世界は消えたはずなのに、緑色に光る二つの球体がエーミールを見据える。
いやや
ゆるして
みないで
ゾ ム
く ん
不意に口が塞がれ、滑りを帯びた何かがエーミールの口腔内を蹂躙する。
「んッ!んンッ!んーーーッ!」
エーミールを揺さぶる動きが、更に激しくなっていく。
「…いくぞ、エーミール…ッ」
グルッペンの声。
少しばかり苦しそうだ。
終わる…のか。
心の片隅で、エーミールは安堵した。
二、三度、激しく腰を叩きつけられ、グルッペンの動きが止まった。
どうやらグルッペンがイッたらしい。
ぼんやりした頭の中ではあったが、どこか冷静な脳内のエーミールが苦々しく舌打ちする。
ああ、コイツ。中で出しやがったな。
ゴムも着けてない上に、ケツも切れてもて…。最低や。
自らの身体の上に倒れ込む金髪の男を、エーミールは覚めた眼で見つめた。
【SCENE 6 に続く】
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