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攻撃が2週間延期になったこともあり、俺たちはアスランでの休暇を与えられた。
「この後何が起こるかを何も多くの人は知らない。幸せだな。」
「アルフレッド、お前がそういうことを言うとは な。」
「ルドルフ、君もそう思うだろ? お互い政府機関と関わりが深い家の人間だ。よくわかっているはず。」
ルドルフが珍しく突っかかってこない。これは肯定だな。
「でミゲルと君のお目付け役、あるいは幼馴染のギルベルトは?」
「Uストリートのライブハウスに行くらしい。」
「Uストリート。最高のライブハウスとナイトクラブが揃っているストリートだ。ギルベルトは楽しみ方をちゃんと理解しているな。で、どうして俺たちは水族館に向かっているんだ?2人仲良く。わかった、デートか。」
「仲良くでもデートでもないわ!」
「残念ながら客観的にはそのように見える。水族館に行くタイプだと君のことを認識していなかったのだが。そして何で俺についてくる?」
おっと、彼は苦虫を噛みつぶしたような顔をしている。客観的に俺たちの関係を見ると多分理解不能だけど少なくとも俺は結構楽しんでいる。
アスラン水族館は大富豪の寄付によって作られた巨大な水族館で地球から搬送されてきた海洋生物 が展示されている。
「ラッコか。ずっとボーッとしているように思える。」
「そうだな。」
「ラッコにとってはこの狭い水槽が世界の全てなんだろう。そして金星のコロニーに住むこの国の人たちもそうで、俺たちですらそうなのかもしれない。」
「何が言いたい?」
「特には。ただ俺たちが見ている世界も何かの拍子に変わる余地があると思っただけさ。」
「お前自身にその経験が?」
「さあね。ひょっとしたらあるのかも。」
俺はそう言っていかにも怒り出しそうなルドル フを眺める。そうさ、俺にはある。でもまだ信頼できる(ように思える) 同僚にすらそれを言い 出すことはできないだろう。
お前に色々伝えたいことはある、でもそれはまたの日にな。マシンガン・ケリー