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好きぃ、、。
「ショートピース、死刑。」
という判決が降り、俺は牢屋生活。服も汚れ、食べ物もろくに渡されず、1人寂しく死ぬこととなるだろう。ほぼ冤罪なのだ。俺が、グルッペンさんを殺す、殺そうとするわけが無い。立場上俺は今流行りの「悪役令嬢」のようなもので、他の国のやつから嫌われていたらしい。信用は得られず、死ぬのだ。
「…ぁ、とんとんさん。」
グルッペンさんの右腕、トントン。
俺のことを信用してくれていたうちの一人だ。
大事な人を殺そうとしたのに信じて待ってくれていたとても優しい人。俺が死ぬのを悲しんでくれた。
「ほんまに…、殺そうとしたんか?ショッピくん。」
悲しそうな目。信じてくれていたからこその目だ。信じてくれていたのに、裏切ってしまうようで申し訳ない。
「ころしてないんですけどね…」
と苦笑いをする。笑える環境では無いが、少しでも気を楽にしたい。出来てないけど…。
「俺、仕事あるし行くわ。明日、来んかったらええのにな。絶対来るしな。」
「めんどかったら来んでええですよ。」
「いや、みんな連れてくるわ…。」
明日、俺は死ぬ。
何で殺されるのかは知らないけど、処刑される。
特に思い出もなく…いや、やっぱ死ぬんは悲しいな。別にいい人生を送ってたとかそういうんじゃないと思うけど、悲しいもんは悲しい。頑張って人間関係も作ってきたし、戦闘も頑張ってた。書類も頑張ったし、言語もいっぱい覚えた。それが無駄になると思うと、辛い。なによりも、みんなと出会えたのに、すぐに別れが来てしまったのが悲しい。しかも、信頼を失った。殺そうとしていないというのが俺の中で事実だが、証拠は謎に集まってしまった。
嫌われていたのだろう。俺は。ついていなかった、運が悪い。もうすぐ、お別れだ。ショッピ、ショートピースとして生きられるのはもう終わり。次はいい人生を送りたい。
あっという間に次の日は来てしまった。心の準備ができていなくても、時間は待ってくれない。酷いものだ。
「おい、ショッピ。」
「あ、コネシマさん…!」
「ほんまに…死ぬんか?」
「当たり前やないですか…、総統を殺そうとしたんですよ…?俺が悪いっすわ。コネシマさん殺したかったなぁ…!!どうです?一緒に死にますか?なぁんて…。」
「ショッピ、我慢するな。泣いてもええねん。」
「ッくそがぁッ…ぅぁっ、ぁぁ…、」
やっぱり悲しい。
死ぬのは…怖い。
「おい、ショートピース。」
「…ッはい、」
「最期の面談だ。」
「はい。」
「ごめんなぁ…。俺らしか、来うへんくて」
謝らんといてください。
俺の事を疑っていた人は、もちろん来なかった。
総統も、来ない。
「しょ、ショッピくん、!!に、逃げよ!逃げ出そうや!ぜ、絶対、ショッピくんそんなことせぇへんもん!」
と、ゾムさん
俺はしていない。
その通りだ。
ただ、俺が生きれたとしても、逃げれたとしても居場所は無い。生きても無駄やろなぁ…。
「あいつら頭おかしいわ!!証拠がなんやねん!俺が、俺ら幹部が、総統がちゃうって言ったらちょっとは変わってたかもしれんのに!!!なんであいつらは信じへんの…?」
と、シャオロンさん
日頃の行動のせいですかね…?
悪戯しすぎたかな。
コネシマさんは殺しといてくださいね。
「じょっびぃぃぃ”!!まだあぞびだいよぉ…っ!!!」
泣かんといてや。俺もまだ遊びたいし、悪戯したいし、チーノと任務行きたい。
アホな事して、怒られて、戦争して、勝って、笑って、生きて、幸せになりたかった。
「ショッピくんの席は、残しとくから。絶対、あいつらに反対されたとしても、守るからいつでも帰ってきてな。幽霊になってでもええから!」
と、トントンさん
やりたいことは沢山あるから成仏できへんでしょうし、行けるかもですね。
席は無くしてもらっていいですよ。裏切り者のために席残してても気ぃ悪いでしょ。
「俺らは、お前のこと信じてるからな。」
あーあ、ほんましね。クソ先輩が。
あんた殺したかったなぁ。
「皆さん、迷惑かけてごめんなさい。楽しかったです。ありがとうございました。」
「時間だ。」
「…さようなら!」
今までで1番の笑顔で言う。
この人たちに涙は似合わない。
最高に幸せそうな顔で、元気で明るい顔が一番似合う。
俺がここを選んだ理由だ。
【速報】 裏切り者の幹部、無事死刑
(写真) 我々の総統を殺人未遂したという容疑がかけられていた、ショッピことショートピースが×月×日処刑されていたことが判明した。警察官に話を聞いたところ、最後の最後まで罪を認めていなかったという───────
…
え、あれ?なんで生きてんの??俺。
あ、幽霊か、なるほどね。うん。まだ一応目の前真っ暗やし、死んでるんかも!!
「っぴ。ぉーぃ、」
ん?声…?
「ショッピィィィィ!!!!!」
「ッは、!?」
いやうるさ!?コネシマさん相変わらず声でかいわ!!
…ん??なんで呼ばれたんや?
「お前朝やぞ?寝坊とか珍しいな!!」
今日は…何日や…。
死刑されるちょうど1年前…!?
「あ、えと、おはようございます…コネシマさん…。」
「おう!おはよーさん!はよ行くで。みんな待っとるわ!!」
「っはい…。」
この人は、俺が一年後に死ぬことは知らない。
もともと、総統とは関わりが少なかった。だから、これからもあまり関わらないようにしよう。俺の事を疑っていた人とは関わりずらい。そういう人たちともあまり関わらないようにしよう。必要最低限のことしか話さない。話す必要が無い。話したら殺されちゃうしな。仕方ないことだ。死ぬ瞬間、あの痛み、辛さ、怖さを覚えてしまいながら生きるというのはなかなかしんどいものだ。
「ショッピくん〜!遅れてくるとか珍しいやん〜??」
「シャオさん…。」
あかん、泣いちゃいそう。嬉しい。コネシマにはこんなこと思わんかったのに。
「え、どうしたんショッピくん。なんで涙目?」
まじないちゃう…つらい。とんとんさんや。毎日来てくれたなぁ…。次死ぬとしても来てくれるかな。
「ショッピ〜隣来いよー!」
「チーノの隣かぁ〜…」
「はぁ!?何ガッカリしてんねん!!」
この会話もまだできるなんて嬉しいな…、
あぁ、俺、過去に戻ってきたんやな。
神様に感謝やわ。生きるのはダルいっちゃダルいけど、死ぬのは辛い。死ぬ工程はとっても怖いから。ぶっちゃけ、戦争で死ぬより怖いと思う。死ぬタイミングを知っているから。いい生き方ができたと思えないから。
「これ、食べてええんですか?」
温かいご飯を食べるのは久しぶりだ。あの時はいつもは冷たく、汚いパン。冷めたスープ。少し緑色の水だった。
不味かった。味がしなかった。気分が悪くなった。
「食べていいに決まってるじゃん。いつも通りだよ?どうしたの?」
信じてくれなかった人。
ひとらんさん。
俺を疑った人の飯。食べずらい。
けど、ホカホカと湯気のたつ美味しそうな飯に手が動いてしまう。
「…いた、だきます?」
「どーぞ!」
まずは少なめに。口に入れる。ゆっくりと噛んで、喉に通す。
「…っ、」
「どーしたん!?ショッピィ!?」
無意識に泣いてしまっていたらしい。チーノが目を合わせてくる。心配してくれている。
「…美味しくなかった!?ごめんね、?」
「ぃや、違くて…ッ、お、美味しくて…」
「泣くほど…?」
と、ひとらんさんは笑ってくれる。
信じてはくれなかったけど、とっても優しい人で、信じてくれなかったのも優しさから来るのかもしれない。しらんけど。
「死なないためには…。」
何が原因で俺がグルッペンさんを殺そうとしたと思われているのかよく分かっていない。だいせ…鬱先生が言うに、俺の姿をした人がグルッペンさんの部屋に入り、寝ているところを殺そうとした…とか。防犯カメラにしっかり映像が残っていたらしい。もちろんその時俺は部屋で寝ていた。残念ながらその時、俺は一人でいたため、俺が確定で無実であることは証明できないのだ。いや、出来なかったのだ。覚えていない時に俺が本当に殺したのか…それとも変装か。この映像自体が嘘か。それは誰も分からない。
「…んーわかんね。考えんのめんどくさいわ。」
えっと、今日の任務は…なんも無いんか。じゃあ書類やな。1回やった事あるやつばっかやけど、まぁそらそうか。内容思い出しながらやったらすぐ終わるよな。
「おーい!ショッピ〜?模擬戦やろうや!」
「チーノか。ええよ、ボコボコにしたるわ。」
「1対1やなくて、2対2やねん!」
「チーム戦、珍しいやん。相手誰なん。」
「…一般兵」
一般兵…?一般兵が俺らに喧嘩をしかけてきた、と。あれ?こんなんあったっけ。覚えてないだけかなぁ、まぁ一年前やしな…。
「…わかった。やろか!」
「ありがとぉ!!!」
…ん?なんか違和感あるな。なんでやろうか。
「チーノ。なんか隠してる?」
「え…ッ、?」
図星か…。今回の訓練も新人幹部より強いアピをして幹部になろうって言う考えなんかな。それやったら勝つしかないか。一般兵ってことはチーノが戦い向きの体してないのも分かっとるはずやのに…歪んどるやつやな。
「まぁ、ええわ。何がなんでも勝たんとあかんっぽいし、ガチでやったるわ。しゃーなしな。」
「…頼りにしてるわ。」
「チーノは何で戦うん。」
「うーん…。」
「今回のルールってどんなん?」
「なんでもありって言ってたけど。」
「なるほど。俺に作戦あるんやけど、やってみん?」
作戦がある。“なんでもあり”やからこそ出来る。ずるいと言われるかもしれない。姑息な作戦である。まぁなんでもありやし。“チーノの武器”を活かして戦う。これが俺らのやり方やで。舐めんちゃうぞ一般兵。
「いやぁ〜、忙しい時にお呼びして申し訳ございません。」
「大丈夫です。」
嘘くさい笑顔やな。一般兵。
よーいはじめ!
の合図でまず1発銃を撃ってみる。相手がどれだけ行けるのか、最初に試す。ナイフで防がれた。まぁ戦えるやつらしい。殺してしまうのはもったいない。だが、どうせ消えるやつだ。半殺しにしてやろう。
「一般兵さん、そっちからどーぞ?」
「ハンデかよッ!!」
華麗に避けていくぅー。まぁ戦えるやつという言葉は取り消しで。弱いわこいつ。攻撃がワンパターンである。
ピカッ
「うぁッ、」
「お”らぁぁ!!」
「あ”ッ」
頭は使えるらしい。ライトを目に当てられ、目が開かなくなったところを殴る。しっかり顔面殴られた。力はあって、ぶっ飛んだ。鼻血出てるし…。
「ショッピ!大丈夫!?」
「ッん、生きてる、」
「あほか、死なれたら困るわ」
「ちーの、やったれ。」
「もう!?」
「あたりまえや。」
「ぅー、わかったぁ…。」
お前の大好きな、お前の強みの言葉で…