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なぜ今まで忘れていたのだろうか。そして、なぜ今思い出したのか。あの日は僕にとって、とても大切な日だったはずだ。あの日僕はどうしていたっけ。鮮明には思い出せない。薄暗い散らかった自分の部屋で時計の針の音だけがかすかに聞こえる。そして、しばらくぼーっと考えていた。
――トントントン、ガチャ――
「あなた?ご飯よ?……どうかしたの?」
「いや、なんでもないよ。考え事をしていただけさ。」
「そう、ならいいけど…… ご飯の支度できたから、早く来てね。」
そう言って妻は部屋から出ていった。僕は椅子から立ち上がり、電気を消しリビングへ向かう。
「楽しみだなぁ。」