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第31話 「告白の行方」

――ちゃんと、好きだと伝えたい。

篤彦からあの日の夜の話を聞き、そう密に決意してから、しばらくして。

バレンタインのお返しにクッキーを返した。

「これ、篠塚の手作りなの!?」

「うん。店で売ってるクッキーおいしそうだったから真似して作ってみた」

「すごい……」

笑顔で受け取り、その場でクッキーを一枚食べる夏実。

「おいしい」

「……」

だがその笑顔を見て、京輔は複雑な思いでいた。

(なんか、無理に笑ってるような……)

夏実はあの夜のことを知らないのだから、今までと状況は何も変わってない。

京輔が弱気になっているからそう見えるだけだ。

(弱気になるな……ちゃんと好きだって言うなら、あの日のことを黙ってたら結局、無理して好きって言われたと思うだけなんだから)

だから京輔は、機会を窺(うかが)っていた。


バレンタインのお返しをし****************

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両片思いをこじらせている二人の話。

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