コメント
0件
「先輩…大丈夫ですか?」
あーあこれは相当酔っぱらってるな。酔っぱらいなんてトラブルの元だろうに。まぁでも今は都合がいいけど。
「でぇじょーぶだって〜それよりもう1軒!!」
あ〜面倒臭いな。ってか酒臭い。あんなに飲ませたってのにまだ飲みたいのかどういう事だよ。相当酔っぱらっていたのか終いには地面に座り込んでしまった。
「先輩…少し聞いてもいいですか?」
比較的優しそうな声で話しかける。
「なんだ〜?」
あほ面をしてこちらを見る。正直嫌なんだけど。でも、まぁ仕方がない。
「一宮先輩って桜先輩の事どう思ってるんですか?」
暫く沈黙が流れる。
「…….らいだ」
声が小さすぎてハッキリとは聞き取れなかった。
「…..あんな奴嫌いだよ!会社のみんなだってそう思ってるさ!!」
は?コイツやっぱりそんなこと思ってたのか。始末してもいいよね。もとからそのつもりなんだけどね。でなけりゃこんなゴミと飲みに行くなってことしないから。でも、先輩だったら喜んでいく。たとえ体調不良だろうがなんだろうが。
「はっ?お前まさか怒ってるのか?」
雰囲気から察したのかそんなことを言ってくる。怒ってるかどうかなんてわからない。けど、このゴミを二度と先輩の視界に入れたくない。ただそれだけだ。
「そっかぁ…..じゃあもう○ぬしかないですね!!」
精一杯笑顔で言う。するとその様子に酔いも覚めてしまったようだった。あーあ可哀想に…
「なっ何を…言ってる…お前もアイツと同じで変人にでもなったか!!」
その時確信する。コイツはもう生かしちゃいけない。もとから○すつもりだから都合はいいけど。鞄から折りたたみナイフを取り出す。
その姿を見た途端冷や汗をかきながら許しを乞うてきた。
「ヤメロ…ゆ、許してくれ!謝るから…だ、だから命だけは…」
滑稽だな。大人なのに、俺より年上なのに凄くみっともないな。確かにそう思う。だけど止めるという考えはしない。
「ヤダ…….じゃあね…….」
そう言い刺した。刺したところから血が流れる。はぁ〜やっと終わった。さっさと帰ろ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
もうめんどくさくなり仕方なく薄暗い道を進んでいく。そしたら当然だけど前方の声も大きくなっていく。薄暗さも相まってさらに恐怖を煽ってくる。話し声が聞こえてくるから2人以上はいるのかな…あっ、て事は…どうしようこれ絶対めんどいやつだ。幸いにもこの裏路地は曲がり角である為あちらから見られることは無いだろう。相手に気づかれなきゃいい話だ。
戻ろうと考えてはいるけど気になるものは気になってしまう。この距離ならば話し声は聞こえてくる。面倒事は避けた方がいいことは誰でもわかる事だろう。でも、疲労が溜まった頭では正常な判断を下せるわけなかった。
曲がり角から様子を伺う。そこには見知った人物が二人いた、先輩の一宮さんと後輩の菊乃。あれでもおかしいな…2人とも僕よりも早く帰っていたのになんでここにいるんだろう?ダメなことはわかっているけど聞いてみたらなにかわかるかな…。
ここなら聞こえると思ったが声量が小さくて聞こえなかった。帰ろうとした時疑問に思った。一宮先輩が地面に座っていたからだ。体調が悪いのかな。心配だ。暫く見ていて気づいた。一宮先輩の体から赤い液体が流れてくる。あれって…もしかして……いやそんなまさか。信じられない。いや、もしかしたらこの光景を信じたくないのかもしれない。
自然と後ずさりしてしまう。怖い。状況が全く理解できない。その時後ろから音が聞こえた。なんか踏んじゃったんだろう。
あっ…終わった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
曲がり角から音がした。えっ…めんど。でも、そいつ逃がして捕まる方がめんどい。となればそいつも消さないと。
曲がり角を曲がれば今にも泣きそうな先輩がいた。怯えてる。そんな顔さえも可愛いと思ってしまう。だから安心させようといつもどうり声をかける。
「あれ先輩?なんでこんなところにいるんですか?」
安心してくれると思っていたのに余計怯えてしまう。何故かわからない。抱き締めれば安心してくれるかな。そう思い先輩へと1歩1歩近づく。
「や…止めて…..こっち、来ないで…..!!」
「そんな事言わないでください…だって俺はこんなにも貴方を愛しているんですよ!!」
今度は困惑している。コロコロ表情が変わってやっぱり面白い人だ。相変わらず先輩は後ずさりしてる。そんな先輩を追い詰める。遂に先輩の背中が壁にあたる。
「先輩!…先輩!!…..あはっ捕まえた………これでもう先輩は俺のものですよ!!」
「そっ、そんな…..」
絶望している。だけど美しい。
「先輩…少しの間寝ててください…..」
そうして先輩を気絶させる。あぁ嬉しい!!長年夢に見ていたことが今実現した。
今日はなっていい日だろう。