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ミーティング…… どうやら売り上げが伸び悩んでいる子や、無断欠勤する様な問題児を、黒服が定期的に外に連れ出しケアサポートをするシステムのようだ。


―――社長《ギルド長》自ら?……


他にも黒服は居るし、大体女の子のお世話や問題事はマネージャーや部長クラスがするのが当然なのだが、何故私は社長なの?


「ちょっと、ある人に君の事を頼まれて、それでね」


「はぁ…… ある人…… ですか? 」


六本木の交差点近くに在る静かなお洒落なBar。品の有る調度品が間接照明に浮かび、柔らかに鼓膜に触れるジャズが自然と大人の女にさせる。


「売れる子はどんな子か分かるかい? 」


「売れる子ですか? 」


「そうだね、言い方を変えようか、男はどんな酒を飲みに来ていると思う? 」


「どんなお酒?? 」

ロングアイランドアイスティの氷が、コリンズグラスの壁を静かに弾く。


「キャストは先ずそれを見抜けなければならないんだよ? 癒しを求めに来てるかもしれないし、楽しさを求めに来てるかもしてない。そして単純に出会いを求めて来てる場合も有る」


「―――――!! 」


「それを瞬時に見極め判断し、適切な人物へと自分を変身させるんだ。後ろの席では一緒に泣いてあげて、違う席では大声で笑い合う。その器用な心遣いが出来て尚、その子に美しさが有れば最強だね」


「…… 」


「コミュニケーション能力と、そして、面白い話が出来たり、お酒が沢山飲めたりと、大事な事は沢山あるけれど、先ずはお客さんが何を求めて来店して下さったのかを知る事が大事だね」


―――何も言い返せなかった。


男なんてものは女以外に興味は無く、ただ単に口説きにだけ来てるもんだと勘違いしていた…… 幼稚な考えが途端に恥ずかしくなる。


「どうしたんだい? 元気が無くなってしまったようだけど」


「いえ、その、有難う御座いました私…… 何か分かった気がします」


「それならば良かった。それと、店長に抱き付かれたら、ひっぱたきなさい。しつこくされたら仕事に成らないからね。何かまたあれば私に言うように」


「あ…… ハイ…… 」


早急に鑑定眼のレベルを上げる事を決めた。

キャバクラと言う異世界で冒険者を始めたら成り上がり女傑譚になってしまった件

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