学生時代に戻れたらいいなと何度思ったことか。
「今度の文化祭の出し物どーする?」
「定番のお化け屋敷とか…?」
クラス一丸となって行事を盛り上げたり…
「次のテスト合計点数負けたヤツジュース奢りな?」
「いや5教科キツいて」
テスト期間にはテスト結果バトルしようぜと言ってみたり。あのみんなで笑いあってたあの空間が恋しい。
大学卒業後大手企業の営業部で務めることになった俺だが学生時代のように楽しいことばかりでは無い。大変なことがほとんどだ。それでも俺は耐え抜き営業1位2位を争うぐらいになった。
そんな俺の今の唯一の癒しは妻だ。妻とは同学年で高校2年生の時に俺から告白した。よくある青春ドラマでは屋上で告白するが、実際のところ屋上は立ち入り禁止。なので帰り道の公園で
「お、おれと!付き合ってください」
とカタコトになりながら告白した。妻は戸惑いながらも爆笑した。
そして大学卒業後プロポーズした。今度はちゃんとホテルを予約してカタコトにならないように何回も練習したものだ。
そんな幸せの絶頂の中俺たち夫婦にとある手紙が届いた。
齋藤誠様・明里様
2015年卒業生で同窓会を開くことになりました。是非おいでください。
高校の同窓会への招待状だ。
久々に仲間とも会いたいし俺達は行く事を即決した。妻も「大学忙しすぎて集まれなかったからもう何年も会ってないよぉー…超楽しみ!」とウキウキだ。
同窓会当日
俺達は久々の仲間や先生達と色んな思い出話をした。もちろん俺のカタコト告白の話も出たり。「なんで見てたんだよ!」とか思いつつ超楽しかった。
そして同窓会の翌日
この日は日曜日ということもあり2人で買い物をすることにした。
外に出て郵便受けになにか入っていないか確かめると封筒が1枚入っていた。
そこには赤い絵の具のようなもので書かれた電話番号が書かれていた。
つづく