「ね、いるまちゃん」
ベッドに座ってスマホをいじっているとすちが声をかけてきた。
「ん、なに?」
すちを横目で見てみる。ちょっと正座がちになりながら俺を見ている。
急にどうしたのだろうか。
すちが大きく息を吸った。
「あのさ、いるまちゃんはやってみたいって思うことある?」
「やる?」
眉を顰めて聞き返す。急に抽象的に言われても何かわからない。すちはちょっと顔を赤くしている。
「その…えっち、の…こと……!」
それを聞いて俺も顔が熱くなるのを感じた。やっぱりすちだってそういうことはしたいんだとなんとなく頭で結びつける。
「いや…思ったことは……ある、けど…」
思わずしどろもどろになって答える。確かに、恋人同士だしそういうことに憧れはある。すちが小さくそっか、と言った。
ドサッ
「あのさ、不慣れだけど…。やってみない?」
すちが上から熱っぽい目で俺を見る。俺はこくっと頷いた。すちの顔がグイッと近づく。長いまつ毛が顔に触れる。
チュッ
唇が触れ合うだけの軽いキス。可愛らしいリップ音が響く。くっついて離れて、小鳥みたいな戯れを繰り返す。
「ん……っ」
しかし、勇気が出ないのかそこからなかなか進まない。
「ね、すっちー……」
痺れを切らしてすちの服の袖を軽く引っ張る。気を抜いていた衝撃ですちの舌が俺の口に侵入してきた。すちは一瞬目を見開いたがそのまま俺の腰のあたりに手を回す。
チュッ…ジュルクチュ…チュパッ…
すちの舌がいたずらに俺の歯列をなぞったり掻き回したりする。目を閉じて受け入れるようにすちの背中にしがみついた。
「す、ち…くる、しい……」
口を開いてもすちに塞がれてしまう。そのせいで呼吸が苦しくなってきた。
「あ、ごめん」
すちはハッとしたように唇を離した。欲を孕んだ赤い瞳が俺の瞳の奥の方をとらえている。俺は何故かその瞳に釘付けになってしまい目を離せずにいた。そんな間にすちは器用に俺の服を脱がした。長い指が俺の胸をなぞる。絶妙なタッチがくすぐったくて声が漏れそうになる。
「ん、っ…」
喉の奥の方からいつもより高い声が出た。
「いるまちゃん、ここ、弱いの?」
すちが不思議そうな顔をして俺のへその部分をすーっと指でなぞる。ひゃっと声が出て思わず口を覆った。
「もっと聞かせてよ」
滅多に聞くことのないすちの低い声が耳元でした。ゾクッと体が震えたと思えば自然に体の力が抜けていく。
「俺、初めてでよくわかんないんだけど」
すちは俺の足を上げた。
「こんなところ入るのかな…」
すちは指を舐めながら俺の目を見ていた。兎のような瞳が不安そうに揺れる。
「痛かったら言ってね?」
こくこくと頷く。正直俺は何をされるのかわかっていなかった。
ツプッ
「い” ……」
今まで感じたことのない痛みが体を走り抜ける。すちがさらに不安そうな顔をした。
「やっぱり痛い…?今日はやめておく?」
「…い、や……」
痛いのは嘘じゃない。正直やめたいしやめたほうがいいこともわかっていた。だけど、せっかくこういう雰囲気に慣れたんだからやめたくはなかった。
ドサッ
「!?」
力を抜いているすちを逆に押し倒す。
「嫌だったら言っていいから…」
ゆっくり腰を落として体勢を低くする。深呼吸して口を開いてすちのモノを口に入れた。
「い、いるまちゃん?」
動揺したようなすちの声がする。俺は無視してやっていることに集中した。
フェラって言うんだっけ?ネットで調べたんだけど。
歯を立てないように慎重に。舌も使いながら気持ちよくなれるようにしゃぶっていく。時々不安になってすちを見るがすちは気持ちよさそうにしている、と見える。
「あ、やばい…っ」
奥へ進めていくとすちの余裕のない声が聞こえた。興奮して熱を持った声が寝室に響く。
「いるまちゃん…も、いいから…っあ __ ♡」
口に温かい物が流れ込んできた。すちが小さく震えている。
「ごめん、吐いていいよ」
すちが慌てて俺にティッシュを差し出した。ちょっと申し訳なくなりながらも吐き出す。
「俺ばっかりじゃあれだからさ」
それを確認してすちが再び俺を押し倒す。ひっくり返されて頭を枕にうずめる体勢になる。
「な、に?」
「足ちゃんと閉じてて?」
言われたとおりに足を閉じるとすちがそれを上げた。
「う、ぁ!?♡」
太ももにナニかが当たった。緩めたくなる衝動を抑えてきゅっと閉じる。
「すご…ほんとにいれてるみたい…っ♡」
後ろからすちの詰まった声が聞こえる。不思議な感覚に陥りながら俺は体勢を崩さないように耐えていた。
「んっ……、はっ♡」
枕に顔を埋めたまま声を上げる。確かに俺も気持ちよかった。けど、この快感だけではイけない。
「ごめん…、これじゃイけないよね。よいしょっ…」
「うわ、なに?」
それに気付いたのかすちの俺のことをひっくり返した。少しだけ状態を起こした。対面座位というのだろうか。
「うぁっ♡」
すちが俺のモノを握る。するすると撫でるように、時折ぎゅっと強く握ったりと執拗に触ってくる。
「っ…は、ふ…っ♡」
「声、抑えないで?」
すちの吐息が耳にかかる。それと同時に耳を甘噛みされた。
「あっ__♡」
ゾクゾクとした刺激が体中に走って俺はすちの手の中で果てた。
「ん、…」
「ごめん、無理させちゃったよね。今日は寝よっか」
「うん…」
眠たい。そう思って俺はささっと服を着てベッドに倒れるように寝転んだ。すちもそれに倣うように横に寝る。
「おやすみ」
「ん、おやすみ」
チュッ
すちの唇が軽く額に当たった。優しく笑う、赤い瞳を見つめながら俺は瞼を閉じた。
コメント
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文才がありすぎでは…???ニヤニヤが止まらないです♡^^)