夢を見た。あおさんにナイフで刺される夢を…刺された瞬間目が覚めたんだ。
「はぁはぁ、ゆ、夢…」
夢にしては結構リアルだった。本当に怖かった。
「大丈夫か…?」
がくさんが心配した表情で何故か出ている涙を拭いてくれている。
「殺される夢を見ました、あおさんに。怖かった…」
そう言って思わず泣いてしまった。
一ヶ月前の私なら、誰でもいいから殺されたかったはず。なのに今は殺されたくないのか、分からなくなってしまった。
「結局私は、元の生活に戻るのでしょうか。親にクラスメイトに、戻るべきなのでしょうか…」
そうするとがくさんは私の首にナイフを向けた。目が合う。
「俺がナイフ向けると怖くないんだな」
そう、なぜだろう。がくさんに殺されると思うと怖くない。
「お前、俺以外に殺されるな。約束。」
そして渡されたのは可愛い白いクマのぬいぐるみだ。慰めなのだろうか…?
「可愛い…」
「ずっとこれ持っとけ。ポケットに入れとけ」
サイズは小さめだからポケットに入った。そして彼は出ていった。
親の元には戻りたくない。それなら彼に殺されてしまおう、そう思った。
私は顔を洗いリビングに行きテレビでニュースを見た。なるもいる。
『次のニュースです。昨日の深夜四時頃、ーー公園に一人の女性が、バリケードテープを潜り、公園内に入ったことが確認されました』
よ、四時頃と言えば…
「あ、これ依頼のとこじゃん。てか、人来ただけでニュースになんの?」
なるはそう言った。すぐ番組を切り替えようと思ったがなるが持っていた。終わった。
『その女性は、今行方不明になっているなのかさんなので はないかと、警察は捜査を続けているところです。』
完全終わった。
「…昨日外でたの?」
「…いえ。」
私は嘘をついたが、公園に仕掛けられていたカメラの映像がテレビ画面に乗っていた。
「嘘ついたよね?」
なるの圧はやばかった。
「正直に言って」
「…昨日、公園に行きました」
「うーん、結構まずいね。」
緊急みんなが集まった。はるさんは考え、みんなは黙然としている様子。もちろん私も。
「公園ちょっと距離あるし大丈夫なんじゃね?」
「いや、警察何でもしますし家に来られる可能性だってあるかと」
あおさんとなるさんはそう言った。
「…本当に申し訳ございませんでした」
「まずさーなんで昨日公園に?」
るいさんに聞かれた。答えようとした時がくさんが口を開いた。
「あの公園、俺とこいつが出会った場所。だからじゃね」
その通りですと頷いた。
「監視カメラぐらいあるか見とけよ… 」
「すみません、何も考えてませんでした…」
しゅうさんに怒られた。本当にその通りだ。
話し合ってはるさんが決めたのは、別のセーフハウスに移動するという事。予定日は五日後。その五日間で今来てる依頼を終わらせるらしい。簡単な依頼はるいさんとなるさん、しゅうさんは一人で出来そうな依頼を。そしてがくさんと私とあおさんは難しい依頼を任された。
(一ヶ月お世話になったな…)
「おーい!行くよ! 」
「はーい」
暗い夜の中、私は家を眺めそう思い、がくさんとあおさんと私の三人で仕事に向かった。