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テラーノベル(Teller Novel)
#タヨキミ

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第6話 希望

♥

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2023年12月16日

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今回、いきなり語彙力下がっててめっちゃ下手くそになってます

展開も早いぜ、、時間かけたい回に限って書くことがない、、


関係ないがな、同じアトスト民の子で、おいらを参考にしてくれた方がいたのだ!

わざわざ名出しまでしていただいて、、嬉しい限りですわ~

全然大丈夫、なんならパロったって大丈夫よ!

パクりには容赦しませんがね。


今回、こんなハイテンションな前書きとは裏腹にマジ悪口まみれだよ!!

気分下がってる時にはおすすめしません!








「ふざけンなよ。女ひとり殺れねえで、状況悪くなって退散だぁ?」

いつもの暗い空間に、いつもの面々。宙を舞った椅子は弧を描き、仮面の少女の隣スレスレを通って、勢いよく壁にぶつかった。

「なんのために、テメェみてえな雑魚を向かわせたと思ってンだ。セツナも大概ゴミだったけどなぁ、テメェも同じくらいゴミだよ。知ってるか?キビアイはオレとルナが稼いだ金で飯食ってンだよ。なのにテメェら雑魚は邪魔モンの始末もできねえのか、アあ!?ぜんぶぜえーんぶ上層部に任せっきりで、テメェらは何のために生きてンだよ。テメェみてえなクソに存在価値ねエよ、失せろや!」

ムニカに向かって、これでもかというほど声を張るイヌイ。椅子をもうひとつ投げそうなほど荒ぶった彼に、ルナが煙草を差し出す。

「お前の言う通りだけどなぁ、そのクソを追い込んだって得しねえよ。ほら、吸って落ち着け」

「……サンキュ」

イヌイは息を吐いて煙草を咥え、すうっと一気に吸う。いつもと違う雰囲気の彼を見て戸惑うムニカに、ルナは笑った。

「ごめんな、コイツ今、ヤクが切れてんだ」

「ヤニが切れたときのルナもこんな感じだよね~」

ハルカの言葉を、ルナは「自覚ねえな」と軽く受け流す。

「てか、イヌイって中3だっけ?義務教育終わってないのに立派にヤク中って、かっちょい~」

「かっこいいことじゃないっすよ、それにこれは中毒症状じゃねえっす。ただイラついてるだけなンで」

イヌイは否定してから、凶悪面でヒトネのほうを見た。

「ンな事より、ヒトネ、なんでこのクソを連れて帰って来た?」

いきなり睨まれたヒトネは、イヌイが怒らないように、慎重に返す。

「……この女が、やられそうだったからだよ……それより、クソって呼ぶのやめない?」

その返答に、イヌイは「っざけンなッドグソ!」と、ヒトネに向かって椅子を投げた。

「えっ?ひゃっ!」

いきなりのことに対応しきれなかったヒトネは腕で顔をおおう。

だが次の瞬間、トオンが間一髪、ヒトネの目の前で椅子を止めた。

片手で椅子の勢いを吸収したトオンは、そのまま椅子をイヌイに投げ返す。

「……ヒトネに手出すな、殺すぞ」

冗談ではない本気の殺意に、あたりはやっと静まった。


「で、本題だけど……今回タヨキミと戦ったことで、なんか有利になるような情報はあったの?」


ハルカがムニカに訊く。

「えっと……剣を遠隔操作する能力の男の子と、水を操る能力の男の子がいた」

震える声を振り絞って、ムニカはハルカの様子を伺った。

「あと、複製の──」

そこまで言って、ムニカは黙る。

自分の正面でにっこり笑っているハルカの目が、笑っていなかったからだ。

「……悪いけど、それ全部、ハルカ知ってるなあ。ウチの『No.2』が有能だからね~」

ハルカの言葉を聞いて、イヌイは「オレ、あいつマジ嫌いっす」と愚痴を漏らした。

(キビアイのNo.2……噂には聞いたことある)

一般的に『上層部』と呼ばれているこの五人と違って、表に出て犯罪をすることは滅多にない。

しかも上層部とボスしか、その姿を見たことはない。

姿をくらますのがとても上手で、ある噂によれば、キビアイを束ねているボスよりも強いという。もう死んでいるという噂もあった。

「今、No.2は特殊任務中でね。ここにはいないんだ」

「あいつ性格悪いし、オレらのことナめてるし。一生帰ってくんな、死ね」

イヌイが、何か嫌なことでも思い出したのか「けっ」と眉間にしわをよせる。

「そうだなぁ、ボスのオキニなのもすげえ気に入らねえな」

ルナも複雑そうに、煙混じりにため息をついた。

「ルナにだけは言われたくないね。ボスと相部屋のくせに」

「ボスが可愛いからって、手え出すなよ~」

「誰が手え出すよ。ロリにゃあ興味ねぇ」

「ボスは男の子だけどね~」

ハルカの呟きを最後に、上層部は話題をなくして再び静まった。

「まあとにかく。ムニカが使えないってことは、じゅーぶんわかった」

その言葉に、ムニカは少し顔をあげた。

自分は使えないから、任務は他の人が──そう、微かに期待したのだ。

みんな、ハルカの次の言葉に耳を傾ける。


「……使えないけど、使う」


笑うハルカ。その笑顔は、どこか狂気じみていた。

「ねえ、今、なんでって思ったでしょ?休ませてって思ったでしょ?休ませないよ、代わりにハルカがゆっくり休むね~。イヌイ部屋まで運んで、ハルカ疲れた~」

「了解っす!」

イヌイはハルカを背負って、ドアへ向かう。

「……クソでも、少しは役に立てよ」

ムニカに言ってそのまま出てくイヌイを見送って、ルナは振り返った。

「双子、クソをよろしく。俺も戻るわ」

二人にものを言わせる前に、ルナはそそくさと部屋を出ていった。

「……なんで僕たちが……」

だるそうに項垂れるヒトネを見て、トオンが心配そうに声をかける。

「ヒトネ、変わるか?」

「いいよ、僕が行く」

ヒトネはムニカを連れて、部屋から出ようとする。

そのヒトネの腕を、トオンが掴んだ。

「……変わろう。俺が連れてく」

いつもより語気が強い。

(……こんな時のトオンは、絶対に引かない。けどもし、トオンに何かあったら……)

そんな心配を悟られないよう、ヒトネも語気を強める。

「トオンは足が遅いからだめ。僕が行くの」

「俺だって走れる。遅くない。俺が兄貴だから、俺がやる」

「関係ないでしょ、双子なんだから。いいからトオンは寝てて」

「いやだ」

「僕もやだ」

互いがしつこく譲りあうせいで一向に終わらない兄弟喧嘩に、みかねたムニカが声をあげた。

「自分、ひとりで行く」

「……僕らが怒られるから却下……わかったよ、トオンが行けば?ムニカがいいなら」

そっけなく言うヒトネに、トオンは「ごめん」と謝った。

(どっちでも変わらない……まあいいや)

ムニカも頷く。

「ムニカ、トオンを困らせないでね」

それだけ言い残して、ヒトネは部屋を出ていく。

「…………行くか」

歩き出したトオンに、ムニカはついていった。








「……見つかりませんね」

ガードレールによりかかったカナタに、リオが声をかけた。

目の前には濁った川が流れている。すぐ近くには橋がかかっていて、緑色の鉄骨が草の上に、涼しそうな影をつくっていた。

「うん。アキトが、ここらへんに来るって言ってたんだけどなあ……暇だし雑談しようよ」

カナタがリオにいう。

(まあ、する事ないし……)

リオは頷いた。

「じゃあ、恋バナしようよ。リオは好きな人いるの?」

「いません」

素っ気なく答えるリオに、カナタは意外そうな顔をする。

「え、リオは絶対に、ソーユが好きなんだって思ってた!」

それを聞いて、リオは眉をひそめた。

「なにを根拠に?誰があんな自己肯定感激高な猿を……」

「猿、って……ソーユ可哀想~ウケる~」

「……僕の事、からかってます?」

楽しそうに笑うカナタに、リオはさらに眉をひそめる。

「別に、からかってなんていませーんっ」


(……こんな先輩だけど、憎めないんだよな)

しっかり者のリオが、こんなカナタを尊敬するのには、理由がある。

それは、今から、約二年前の出来事だった。




私・黒柴リオは、産まれた時から身長が高かった。


能力者同士が結婚して子供を産むと、その子供は必ず、能力者として産まれてくる。

しかし、結婚した二人の能力の相性が悪かった場合、一定の確率で子供に『突然変異』が起きるのだ。

私も、突然変異した子供のひとり。常人に比べ、やけに身長が高くなってしまうという変異が起きた。

記憶だと、小学一年生で、135cmはあったと思う。


そんなわけで、私は、周囲の人から身長のことでからかわれた。

女の子は低身長のほうが可愛いって、耳にタコができるほど聞かされて、

可愛くない、女子としてどうなのって、色々な人に言われた。

その度に「しょうがないじゃん」って笑ってきたが、本当はすごく嫌で。

そうじゃん、仕方ないじゃん。

私だって、好きでこんな姿に産まれてきた訳じゃない。

現代には色々な変異を持ってる人がいて、数こそ少ないけれど、

能力者専門の学校に行ってたこともあって、変異持ちの人は、周りにも沢山いた。

なのに、いつも私だけ、醜いって言われる。

悩まない日はなかった。

お父さんとお母さんに何度も泣きついて、どうして産んだの、って。

私より背が高い女性も、世界には沢山いるじゃない。

なのに、なんで、私だけ。

──以来、この身長が、私の心の傷になった。


カナタ先輩に出会ったのは、小学五年生の秋。

下校中、キビアイに襲われていたところを、カナタ先輩が助けてくれた。

「ありがとうございます」って言ったら、

「お前でかいんだから、自分の身くらい自分で守れ」だって。

せっかく助けてくれたのに、この人もまた身長か……って、多分泣きそうになってたと思う。

そしたらカナタ先輩は、

「でかいってことはな、普通の奴より強いんだ。つまり、お前は神に選ばれた人間なんだよ」

と、私の肩に手を置いた。

「だから、タヨキミに入れ」

「……は?」

「もう一回言うぞ。お前は神から選ばれし人間なんだ!人を助けられる力があるんだよっ!」

大真面目な顔で言うカナタ先輩に、私は吹き出した。

選ばれた人間、って……なんで身長が高いだけで……私は偶然、大きかっただけなのに。

アホみたいな台詞を、すごく真面目に、まっすぐ私の目を見て、大きな声で言ってくれた。

あとに聞いた話だけど、カナタ先輩はアキト先輩から「早く新メンバー探してこい」って迫られていて、相当焦っていたらしい。

それでも、しっかり、くもりのない目で私に話しかけてくれたのは、カナタ先輩が初めてだった。


カナタ先輩に連れてこられた場所には、アキト先輩がいた。

アキト先輩は、私より身長が高かった。

変異ではなく遺伝らしいが、190弱ある。

能力者集団・”タヨキミ”がすることなどをわかりやすく説明してくれるアキト先輩を見て、最初は圧倒された。

この人なら、苦しんでる人たちを、救えそうだなって。

するとカナタ先輩が、私に笑いかけて、

「リオ、今、アキトはすごそうだなって思ったでしょ?カナタもリオを見たとき、アキトと同じもんを感じた。カナタたちは、キビアイ──若くして指名手配されてる、一見救いようのない凶悪犯たちを、ひとりひとり、ちゃんと救ってあげなきゃいけない。……それには、強さが必要なんだ」

って。そしたらアキト先輩も、

「圧も大事な武器だよ。しかもリオの能力は『複製』なんだろ?人の役に立てる、素敵な能力じゃん。俺もそうだからさ、これまで人に散々言われてきたんだろうけど……そいつらは、リオに嫌がらせをしたくて言ってきた訳だろ?でも、リオは、今までの傷のおかげで強い。嫌がらせしたはずの相手が、自分の嫌がらせのおかげで人を救う……そしたら、嫌がらせしてきた奴への、一種の復讐になるんじゃないかな?リオがどう思ってるかは、おれにはわかんないけど」

って、言ってくれた。

(一種の復讐、か……)

確かに、そうかもしれない。

私の傷を力にかえれば、人を救える……

「さ、どーする?カナタはどっちでもいいよ」

そう言っておきながら、期待の目で私を見るカナタ先輩。

優しく微笑むアキト先輩を振り返って、私は、心臓の音が大きくなるのを感じた。

凶悪犯を救うだなんて、危険すぎる。いつ死ぬかもわかんないし、キビアイにだって、何の因縁もない。

でも──救いたい。


私、”タヨキミ”に入ります


「……リオなら、そう言ってくれるって、信じてた」

カナタ先輩は、すぐに、私の制服と部屋を用意してくれた。

タヨキミのみんなと初対面のときは、みんな「でっか」って言ったけど、

別に否定しなかったし、ツキミ先輩に至っては、

「え、めっちゃかわええ女の子や~ん。カナちゃんないすぅ」

とかぬかしていた。(その後、カエデ先輩にチョークスリーパーされてた)

ユズキ先輩、サユ先輩、チェリー先輩。

可愛い女子たちも、私に、楽しく話しかけてくれる。

……タヨキミは、私を受け入れてくれたんだ。

失敗作だと言われた私を、一緒に人を救う仲間として。


あの日、カナタ先輩が、私の希望になってくれた。

だから私は、他の誰かの希望になる。

どんなに極悪非道な子でも、救いたい……そう思った。







いきなり聞こえた悲鳴に、カナタとリオは、橋の方向を振り返った。

見ると、タヨキミと同じ服の男が、小学校中学年ほどの少女の首を締め上げている。

「おい……キビアイだろ!やめな!」

リオが焦って大声で言うと、男がこちらを見る。

「あいつ……カナタが殺り損ねたあのピンクの上層部の、兄貴だ!もう一人のNo.6の!」

カナタの声色があからさまに明るくなり、リオは嫌な予感がした。

だが、気づいた時にはもう遅い。カナタは、とっくに姿を消している。

「まったくもう……!」

殺しちゃダメなのに……。

リオは、川辺に降りるための階段を急いでかけ降り、カナタの後を追った。


「……よおっ!」

少女の首を締めるトオンに、カナタは剣を振る。

トオンは少女を降ろし、素手で剣を止めた。

(!? 素手で止めたのに、血が出てない……!)

よく見てみると、トオンは、五本の指だけで剣をつかんで止めている。

(あの速さで振った剣を、指だけで……しかも動じず、びびることもなく……なんだコイツ)

冷めた、気力の無い目で見つめられ、カナタは気分が悪くなる。

雰囲気が、まじキッショい……この言葉が、いちばんしっくりきた。

カナタが呆気に取られている隙に、トオンは指に力を入れ、剣を折る。

「あ!?てんめ……!」

カナタは一度下がり、トオンを見つめる。

「……そのキモいくらいの怪力は、能力か?弟ちゃんとお揃いかよ、めっちゃキショいね。カナタ、お前、キショいから嫌い!」

トオンは何も言わない。カナタが舌打ちする。


次の瞬間、カナタの足元に魔方陣が出現した。


「!」

カナタは瞬時に避け、何とか体制を立て直す。


顔を上げたカナタの視線の先にトオンは居なく、代わりに、思い詰めた顔のムニカがいた。






続く









まつりです((知ってます


人の子に向かって、うちの子が散々言う回でした。

本当にこれで大丈夫なのか、とヒヤヒヤしております。

ムニカちゃんに罪はありません。

うちのイヌイが失礼な態度を取りました、すみません。

リオちゃの過去回でしたね。リオちゃの現在の身長は、180だそうです。

いやクソたっけえなって思って、こういう設定にしました~。なんやかんや気に入ってるのだ。

コメント・考察待ってます。

次でムニカ・リオ編最後です。

トオヒトの双子が結構出てるんですけど、この人たちの回ではないのだ。

上層部が、そんなに早く過去晒してたまるかよ、、、ちな、トオヒトはおいどんの最推しです。

厳密にはトオヒト強めの上層部強めの箱推し((聞いたことねえよ

え、自分で書いた小説推すな、って?

自分で書いた小説が好きなんじゃなくて、普通に人の子が好きなんだよ。

神設定提案してきてくれたところ、みんなすこすこのすこ。びっぐらぶ。


誤字ってたら指摘よろ!


じゃあね~

すぐ出す!

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