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「着いたぞ。」

老人は足を止め、カイナ達に告げた。

「城に入るのは構わんが、くれぐれも荒らしたりしないようにな。」

「えぇ、分かったわ。」

「…言い忘れておったな。中に入ってもし耳飾りを見つけたら亡くなった妻の部屋に置いてくれんか?」

「耳飾り?…分かったわ。」

「じゃあの」

老人は来た道を戻って行った。

城の大きな扉を開け、城内に入る。

「意外と雰囲気あるわね…」

思った以上に薄暗く、そこら中に伸びた蔦がまとわりついている。

「とりあえず城の中を1周しよう。」

「えぇ、そうね」

幸いにも昼間なので明かりは必要なかったが、日が当たっていないところは何も見えなかった。

城内を探索する。

1階は広いホールと少し進んだ先に例の中庭があった。

「これがあの人が言ってた中庭ね。言っていた通り、黒薔薇がこんなにも咲いているのね…」

「ここには特に何も無かったな。」

「えぇ、でも後でまた見に来ましょう。」

カイナ達はひとまず中庭を後にした。

2階はどうやら使用人達の部屋のようだ。

部屋数を見るに、結構な人数の使用人が居たのだろう。

「ここも特に何も無いようね。」

2階にも特に何も情報は無かった。

3階は客人用の部屋と調理場があった。

「調理場も結構広いのね…」

おそらく当時は立派な調理場だったのだろう。

今はもうほとんど廃れて壁にはカビが生えている。

「ここも特に無いわね。」

2階、3階は特に情報が無かった。

「次は4階…か」

「4階なら何かあるかもしれないわ。」

4階に到着し、部屋を調べる。

4階は夫婦の部屋があり、1番豪華だった。

その他にも部屋はあったが、ほとんど物置部屋になっていた。

「とりあえず、奥さんの部屋から調べましょう。」

2人は妻の部屋に入った。

「大きなベットに、ドレッサー…クローゼット…しかも奥さんの服はそのままだわ。」

「おそらくこの部屋に入るのも恐れていたんだろう。」

「そのようね…」

ふと、ドレッサーの上に置いてある写真立てを見る。

そこには少し髭を伸ばした男性と美しいドレスに身を包んだ女性が写っていた。

「これが住んでいた夫婦ね…」

写真の中の2人は優しく微笑んでいて、幸せそうな顔をしていた。

「ここも特に無いようね。」

「あぁ、次の部屋へ行こう。」

「えぇ。」

2人は妻の部屋を後にした。

To be continue…

廃れた城に花束を

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