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テラーノベル(Teller Novel)
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「き、昨日…?」

突然の言葉に俺は驚きを隠せなかった。最悪なことに、俺は昨日のことを何も覚えていない。

「うん、昨日。」

そう言い、俺に笑って見せる。なんだかその笑顔がプレッシャーに感じる。

「え、えーと…お、覚えてるよ!!確かね…」

「覚えてないんでしょ」

何とか思い出そうと言い訳の言葉を並べる俺に有咲はクスクスと笑って言った。全てお見通しだったのか。

「え、あ、…うん…」

「じゃあ〜ヒント!海!さあ、なんでしょーう!」

エアマイクで俺の近くに手を近づけてくる。完全に有咲はこの状況を楽しんでいるようだ。

「海?……あっ!!」

思ったより大きな声が出てしまい、クラス全員の注目を集めてしまう。恥ずかしい。

「ふふっ思い出した?」

有咲はそんな事を気にせず話を続けてくる。少し面倒くさいところもあるもんだ。

「うん、思い出したけど…なんか関係あんの?」

「なんでしょー?」

またクイズだ。

「えー…」

足りない頭で必死に考える。高くて綺麗な声。可愛らしい笑顔。昨日海辺で会った女の子と同じだ。

「もしかして…昨日会った…?」

「ピンポンピンポーン海辺!大正解!」

どうやら有咲は昨日の女の子らしい。昨日彼女が言っていた”明日”とはこういうことだったのだろうか。

「有咲、よく見つけたな」

「そう?」

あの海辺はちょっとした森の奥の方にある。周りは木に囲まれていて、とてもじゃないが見つけにくい。また、迷いやすいのも特徴だ。もしかすると、これも人が来ない理由の一つなのかもしれない。

「家が近くって。散歩してたら波の音が聞こえてきたの。玲於君はよくあの海辺にいるの?」

「家近いんだ。俺はよくいるよ。あそこ、落ち着くんだよな。」

「そうなんだ!私も行きたい!」

「今日も帰りに寄るけど、来る?」

「本当?!行くいく!」

一人の時間を邪魔されるのは少し嫌だったが、流石に「来るな」なんてことは言えない。まぁ、一日くらいなら…と思いそのまま流す。

「改めて…よろしくね!」

そう言って俺にまた笑顔を向けてくる。それと同時に俺の心臓がドクン、と跳ね上がった気がした。胸に違和感を覚えながら、






一部始終笑顔を絶やさない有咲にも違和感を覚えた_____

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