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彼らが敷き詰められた絨毯付き階段を登っていくにつれ、今度は俺を前時代の虫けらのように扱いだす。まだあんな地を這うような歩き方してるのかと、上から見おろしはじめる。

俺になんて、本当は誰も期待していなかったのだと気がつくのが、少し遅かったかもしれない。

充電中の携帯が鳴った。卓の声を聴くのは、卒業以来のことだった。誘いは断った。カネがないのは本当のことだが、一部上場会社で活躍している昔の友人と顔を合わせる気には、今はまだなれない。電話口の卓は、おごってやるからカネには心配するなという。しかし、それでは彼の生き方の方が正しかったと自分から認めてるようなもののように、俺には感じられた。自分の分は自分で払うが、学校に近い安い店にしてくれといって電話を切った。

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