「ごめん…なさ、…も…ゆるして…くだ…さ」
奏斗がうわごとのように呟くようになってから数分経つ、多分奏斗は俺が他のやつに手を出すと思っているんだろう
「ずびっ、ぼ、僕が…わるかった、です、ぐすっ、…な、なかま…だけは、ゆるして、やって…くださ、っ、おねが、します、」
鼻水と涙が同時に溢れ出しながらも必死に俺に縋りつく姿は惨めで愛らしい、さっきまでの威勢はどこに行ってしまったのか…もう見る影もない。
『んー…それはぁ奏斗次第かもな、俺と一緒に来るか、それとも…仲間を置いて一人だけ助かるか、どっちがいいか選べ。』
「…っ、」
『ちなみに、女にも手ぇ出せるからな、?』
奏斗の耳元で囁けばびくり、と躰が跳ねた、俺らの様子を見て固まってしまっている彼女達に手を出すつもりは全くない、なんなら奏斗以外の男にも手を出すつもりはないが満足できる回答が奏斗の口から出るように易々と嘘を吐いた
「…行きますっ、いかせ…行かせてください。」
すると宝石の様な瞳はゆらりと一瞬揺れてゆっくりと濁っていった
ーーー
「かな、奏斗、待ってッ、だめだ…行っちゃだめだ、!!うそ、嘘に決まって…っ、」
『この銃、奏斗が持ってたらしいんだけど…本当に使えそうだよね。』
「そ、…それ…かな、との愛…銃、な…んで」
『んー…葛葉から貰った』
黙らせるために頭にかちゃり、と銃口を押しつける、本当の銃なのかどうかは分かんないけどひばの動きは止まって、うるさかった声も小さくなった、奏斗、奏斗って
そんなに相棒が好きなんだ、ひばは。
『らなきゅらのみんな、ごめんねー…今出てくからね、ほら…ひば、行くよ。』
「…ゃ…だ、行かない、せらおとアキラ置いてけなっ、ぃあ゛…っ、???」
『一発目、ほら早く歩いて…、ってもう歩けないか』
銃弾が足を貫く、ひばの足から紅い血が噴き出してひばは跪いた、あ、これ本物の銃…心臓撃ってないのにこんなになるんだ、弱いな。
「っ、あ…足…撃たれ…て、…?、え」
『そうだよ、ひばはわるい子だから。』
跪いてるひばをお姫様抱っこしぼんやりと僕を見上げるひばに口づけを落とした。
『僕の家、着いたら…わるい子のひばにまたお仕置きしてあげる』
「お…しお…き」
『そう、お仕置き』
「カヒュ…ひゅ…っ、」
お仕置きと言う単語を聞いて過呼吸になったひばをみて自分がトラウマを植え付けさせてしまったんだと実感する、虚ろな瞳の中には僕しか入っていなくて…僕だけのひばになってくれたんだ、と嬉しくなった。
ーーー
『俺らも行きましょっか』
「……ぇ…あ、ど…どこに…ですか」
怯えるセラフくんもとっても可愛い、最初はこんなこと思ってなかったのに…相方のおかげで考え方が変わった。
『俺の家っすけど…って、セラフくん、?』
「た、たす、助けてっ、」
女の子三人の後ろに隠れる、プライドなんてないのか泣きついて…えっちしてる時の顔を見られてもうどうでも良くなったんだろうな、なんて勝手に仮説を立てた。
『…泣きつくのは俺だけにして、ね…?』
「いや、っ、な、なんで、」
中々退かない同期の子達の前に立ち「もっとひどいこと…しちゃおっかなぁ」と口パクすると読み取ってくれたのか三人ともすぐ退いてくれた
『さぁさぁ行きましょっか!!』
呆然としているセラフくんの手を引くとゆっくりと歩いてきてくれて…にんまりしてしまった、そうそう君は最初からそうしとけば良かったんすよ
ーーー
『早いな、あいつら…持って帰るの』
未だに気を失っている四季凪くんの頭を撫でながら時の流れの速さに驚く
『…あ、君たち…このことは秘密で、あともう帰って良いですよ、今日の企画、全部僕が仕込んだ企画なんで…ごめんなさい、わざわざお疲れさまでした。』
『あ、あの…ど、同期はっ…』
『他の人は知らないですけど四季凪くんは大切に大切に…、心も体も僕のものにします。』
これ以上質問するな、と睨むと足早に部屋から出て行った、後で改めてちゃんと謝ろう。
…もう本当に彼と二人っきり。
『……』
彼は起きたとき絶望するだろうか、まぁ…それでも悪くないか、もう僕のモノなんだから。
コメント
3件
もう本当に最高です、、、、、
大好きです 、 ߹ - ߹