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「べ…別になんでもないよ…」
嘘をついてしまった。
どう思われても構わないから、いっそ
本当のことを言ってしまえば、楽になれるのに。
「…多分…兄さんの気のせいじゃないかな」
本音とは真逆の言葉がどんどん出てくる。
「そんなはずない!明らかに様子がおかしい…なぁ、本当に…どうしたんだ?」
「…放っておいてよ」
「そんなことはできない!」
「…」
兄さんは昔から
僕の悩みや不安の原因がわかって、それを取り除けるまで詮索を続ける。
これだけはどうしてもバレたくない、わかってほしくない
早くここから逃げ出したい。
「ん…待てニュート…」
シャツ越しに掴んでいた手は
2回だけ曲げた袖から見える手首に触れる。
「…まさか熱があるのか…!?」
「あ…!ち、違うよ!」
勢いよく椅子から立ち上がった兄に回り込まれて肩を掴まれる。
「熱なんかじゃないってば!」
そう言っても聞くはずもなく、左から右へと流れる重い前髪をクシャッとあげられ
額にも手のひらを当てられる。
「さっきまで熱い紅茶を飲んでいた、僕の手で触れてるんだぞ!あぁ無理をさせてしまったんだな…」
「待って!違う!」
「違うって何が!すまないニュート…ベッドで寝ていなさい、あとは僕が全部してお…」
「聞いてよ!」
「…なんだ?」
ようやく兄の暴走を止められたニュートは、恐る恐る口を開く。
「身体が熱いのは…発情してるから…」
あぁ…とうとう言ってしまった。
「…え?」
「い、言い方が違うよね、えっと…兄さんとそういうことが…シたい…って…思ってて…」
「そういうこと?」
珍しくいじわるなことを言ってくる兄にますます顔が熱くなる。
「ちゃんと言わなきゃダメ…?」
「…!あ…そういうことって…!ニュート…!」
「え…」
さっきの言葉は、本気で気づいていなかったらしい。
一人は驚きで開いた口が塞がらず、一人は顔を真っ赤にしボソボソと喋っているのだから
側から見たらきっと笑える光景だっただろう。
でも僕たちは一切笑えない
とうとう言い出した僕に関しては、告白の次に勇気のいることだったからだ。
「…本気で言ってるのか…?」
「恋人だから…シてみたいなって…嫌なら忘れて!」
「嫌じゃない!」
「っ…!」
「じゃあもしかして…今まで様子がおかしかったのも…」
やはりだいぶ前から怪しまれていたようだ。
その瞬間、肩の力が抜ける。
「…うん…兄さんに当たるようなことしちゃってごめんなさい…」
「いや、僕もすまない…恋人同士なら我慢ばかりは禁物だったな」
「…うん…?」
「…僕も前から抱きたかった、でもお前を汚すようなこと…とてもできなくて」
「…兄さん」
「なんだ?」
「言ったでしょ?僕ももう大人だって…///」
「!///」
「兄さん、顔が真っ赤だよ」
「ニュ…ニュートに揶揄われるなんてな…あははっ」
意図しないカミングアウトだったが
ようやく楽になれた気がする。
自然と笑みが溢れる。
「…ふふっ」
「あ…やっと本当の笑顔が見れた、ほら…もっとその顔を僕に見せて…」
頬に手を添えられると、自然と兄から目が離せなくなる。
「…あはっ…やっぱりニュートは可愛いよ…♡」
「や…やめてよ…もっとどうにかなっちゃうよ…」
「どうしてだ?今から発散させるのに」
「…今からするってこと…?」
「シたくてたまらない」
「…♡」
兄の言葉に、おさまりかけていた疼きは
もう後戻りができないほど最高潮に達した。
「…はぁ…はぁ…///」
「もう息が上がってるのか?」
兄も嬉しいのか、にやにやしながら聞いてくる。
「っ…む…」
それに対して自分は、意味のない悪あがきを見せる。
「息を止めたって無駄だぞ、可愛いな…♡」
ちゅ…
「んぅ…///」
まだ唇は離れない。
「…ん…?///」
いつもより長いキスだな…と少しでものんびり考えてしまった自分が情けない。
にゅる…と口の隙間から生暖かく柔らかいものが入ってきた。
「んぅ…!?」
驚きと感じたことのない感覚に無意識に体がビクンッと跳ねる。
「んっ…兄ひゃ…ぁふ…っ♡」
上顎とか…舌の根っことか…
くすぐったいはずなのに…気持ちいいっ…♡
「は…ぁ…っ♡んふっ…♡」
ゆっくりと唇を離すと、にちゃ…といやらしい音が二人の間で響いた。
「…っ…ん…♡はぁ…はぁ…っ…ねぇ今の…なにぃ?♡」
「ディープキスだよ、セックスをするときは、このキスをしような…♡」
「…ディープ…キス…?♡」
「それにしても驚いたな…キスだけでこんなになるなんて」
「兄さんが…上手なんだよ…あれ?じゃあ兄さん…経験…」
「ないに決まってるじゃないか、ニュート一筋だぞ?」
「ふへっ…♡そうだよね…」
普通のキスの上に、舌絡めるだけなのに
こんなに気持ちいいの…?
「あぁそうだ」
「…なに?」
「二人っきりの時は、名前で呼んでくれないか?」
「っ…え…?」
「嫌か?」
「…わ…わかった…テセウス…///」
「可愛い…♡じゃあ…ベッドに行こうか」
この先をすると僕はどうなっちゃうんだろう…
「う…うん…♡」
ゾクゾクして止まらない…