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最高ッ!この人は神超えてもうブラックホールね(?)
俺の名前は小峠華太。和中の兄貴と同居しているアラサーの極道だ。
そんな俺なのだが、最近組同士の抗争でかなりの怪我を負って、しばらくは家で療養することになった。
和中「華太…行ってくるぞ」
華太「行ってらっしゃいませ、和中の兄貴」
だから、いつも通りに仕事に行ける和中の兄貴と一緒にいられる時間は必然的に減る。
華太「…はぁ…」
仕方のないことだが、寂しいもんだ。
???「…さん、お兄さん!」
華太「…ん?」
部屋の隅の方から声が聞こえた。俺が訝しげな目でそっちを向くと―。
???「初めまして♪」
羽の生えた、ちまい妖精だった。おとぎ話に出てくるような、いかにもって感じのだ。
華太「…何をしに来たんだ?」
妖精「んー、私も暇じゃないので、率直に聞きますね。あなた、恋人と一緒にいられる時間が少なくて、寂しい思いをしてるんじゃないですか?」
華太「!」
心の底からびっくりした。恥ずかしいことだが大当たりだ。
妖精「そ!こ!で!あなたにこれを渡そうと思いまーす!」
そう言って妖精は俺の手のひらに小さな丸い箱を置いた。
妖精「それに入ってるチョコレートは、あなたと恋人さんの仲を深めてくれる、『魔法』がかかっています!」
華太「…???…」
妖精「効果はなんと3日間!食べるか食べないかはあなた次第です!それじゃ!」
呼び止める間もなく、妖精はポンッと音を立てて消えた。
華太「…」
俺は渡された箱を見つめた。いつもならこんな馬鹿げた話、気にも留めていないのだが―。
華太「…試すだけ、試してみるか」
俺は箱を開けると、チョコレートを口にした。
和中「華太…」
その夜、家に帰ってきた兄貴は、俺を見て呆然としていた。
華太「あ、え…お、おかえりなさいませ…」
それもそうだ。今の俺は、明らかに普通の人間ではなかったのだから。
ピンと長く伸びた、白い毛並みの耳。
モフモフとした短い尻尾。
それらの生えた俺は正に「うさぎ」そのものだった。
和中「何だ…?その姿は…」
華太「え、えっと…その、これは…」
ふざけていると思われただろうか。俺の中に言い知れない不安が広がりかけていたとき、兄貴が俺の耳に触った。
華太「ひゃっ!」
和中「…ふむ、触られたという感触もある。飾り物というわけでもなさそうだ」
本物かどうかを確認しているのだった。随分長い間触っているから、途中から遊んでるんじゃないかとも思えてきた。
和中「震天動地。このまま外に出たら、騒ぎになってしまう。かといって、対処法も分からない…」
その日は結局、解決できなかった。
―華太うさぎ化 1日目―
和中「…華太」
華太「…」
和中「聞こえないか、華太」
夜も明け、朝が来て―俺と兄貴は二人して困り果てていた。何故なら…
華太「…行かないで下さい、兄貴…」
いつも通り仕事に行かなければならない兄貴を、俺が引き留めていたから。
和中「これは…うさぎの習性だな。うさぎは警戒心が強く、家族や飼い主から離れるのを嫌うらしい」
華太「何でそんなに詳しいんですか…」
和中「念のため、昨日調べておいた」
用意周到かよ。
和中「いつもの時刻に帰ってくるから、安心しなさい」
華太「うぅ…」
兄貴は俺をぎゅっと抱き締めると、申し訳ないという風に出ていってしまった。
いつも「~しろ」という感じの口調なのに、「~しなさい」と、柔らかい言い方になっていたのは、あの人の優しさだろうか。
それからというもの、俺と兄貴はうさぎの「習性」に幾度となく翻弄されることになった。
和中「華太、今帰った」
………
和中「…華太…?」
………
和中(電気もついていない…まさか!)
和中「華太!いるのか?!」
パチッ…
華太「あ、あああ…」
和中「華太…?何故、部屋の隅でうずくまっているんだ?」(震えている…)
華太「…怖い…怖い…」
和中(そうか…これも「習性」。警戒心が強い上に非常に繊細…慣れない場所を怖がる、ということか)
和中「華太」
華太「?…」
和中「怖くない。こっちにおいで」
兄貴が両手を広げ、出迎える準備を整える。それでも、俺の心は勝手に拒否反応を示した。
華太「…!…!」
心が勝手に怖がって、思わず首を横に振った。
和中「大丈夫…大丈夫だ」
その後2、3回同じような優しい声色で呼ばれ、俺はようやく兄貴に抱きつくことができた。
和中「困り者だな。お前に『宿ったもの』というのは…」
華太「おっしゃる通りです…」
正直、めちゃくちゃに恥ずかしかった。
―華太うさぎ化 2日目―
俺は意外にも早くこの家にも、兄貴にも馴染むことができた。効果が三日間だから、その分慣れるのも早いのだろうか。
華太「兄貴…」
和中「どうした?」
華太「その…撫でて下さい」
和中の兄貴が一瞬、驚いたような顔をした。うさぎになる前も含めて、今まで甘えてきたことなんてなかったからだろう。
『習性』のせいで敏感になっていた俺にとっては、それですらも不安の対象だった。
華太「駄目、ですか…?」
和中「…こっちにおいで、華太」
しかし、和中の兄貴の表情はすぐに柔らかくなって、俺をソファーへと誘う。
華太「…♪」
和中「…」
頭を、顔を、優しく撫でられるのが嬉しかった俺は、気付くことができなかった。
和中(…何て、愛らしいんだ…)
和中「すまない、華太…もう…我慢できない」
撫でるのを止めると、そのまま俺の耳へと手を伸ばす。―指と指で擦り合わせるように触り始めた。
華太「っ…!」
和中「…こんなもので感じるのか?」
耳を触る手がだんだん激しくなる。
華太「あっ…、あぁ…っ!」
嫌なはずなのに涙が出るほど気持ちよくて、俺は抵抗できなかった。
和中の兄貴は耳から手を放すと、俺を押し倒した。俺の下着を脱がせると、一気に奥へと突っ込んだ。
華太「んっ!!//」
和中「動くぞ」
そう言うと同時に、俺の腰が激しく動いた。固いものが擦れるような感覚の度に、頭が飛びそうなほどの刺激と快楽が俺の五体を走った。
華太「く、はぁ//あん//あっあっあっ…!!ん”んぅっ//はっ、ぅあ…!、まっ…!!、で…!!はや”いっ!//よ”ぉっ…!!」
涙ながらに訴える。
和中「言葉の割に、そんなに淫乱な顔をして…奥を突かれるのも、早いのも、本当は嫌じゃないんだろう?」
華太「や”っ!!//そ…こ、だめぇっ//やらっ!!あ”…あっあぁ、…!!い”っ…、イキそう//イ”ッちゃう…!!//」
和中「…っはぁ、俺も…そろそろまずいな」
俺の宣告を待っていたとばかりに、兄貴の動きが早くなる。
華太「い”やっ…!!い”やだぁっ!!//」
和中「暴れるな…すぐに、イかせてやる…っ…!!」
俺の耳が更にピンと張る。頭が茹で上がりそうだった。
華太「ん”ぁぁぁっ!!//
…はぁ、う……っはぁ、っはぁ…」
和中「ふぅ…」
そのままぐったりと寝込んだ俺の頭を、兄貴はもう一度優しく撫でた。
そして3日が経ち―、俺は普通の人間へと戻った。
華太「その…兄貴、すみませんでした。『習性』をいいことに、兄貴に沢山わがままを言ってしまい…」
和中「その件なら、もう気にしていない」
真っ先に謝罪した俺に返ってきたのは、意外にもあっさりとした許しと、それから…
和中「…むしろ、これからはもっとわがままを言ってほしい。お前は…俺が唯一、愛した人なのだから」
華太「!!」
不意打ちのラヴメッセージだった。
余談にはなるが、俺に妙なチョコレートを渡してきたあの妖精は、とある「しがない作家」によって派遣されたものらしい。(伍代曰く)
目的が全く分からないし、妖精が実在したことにも驚いたが、元に戻れて良かったと思った。
…でも、兄貴にあんな風に甘やかしてもらえるなら、もうちょっとうさぎのままでいたかった…気もする。