確かに聞こえた。

壁の向こうから、女の声が。

壁の向こう、さっきの女の部屋だぞ！？

そういえば階段の上り方、妙に色気があった。

そもそもこんなタイミングよく俺の前を歩くとかありえるか？

待ちぶせ

そうとしか思えない。

『ああ…早くきてぇ…』

まただ！

壁の向こうであの女、誘ってやがる。

『ほしくてたまらないのぉ』

行ってやるぜエロ女め！

あの身体にあの顔、俺の初体験にふさわしい！

俺は玄関を飛び出し、隣の部屋のドアを開けようとした。

ガチャガチャ

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