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テラーノベル(Teller Novel)

今、思えば全てはあの時から始まっていたのかもしれない

せめて、彼女は俺を選んでおくべきだった

ーあの、これ落としましたよ

そんな言葉もでずに俺は彼女の落としたイヤリングを拾った

2月3日

私は、喫茶店で2人が顔を見合わせられる席で彼氏に告げた

香苗

あのね、私たち別れない?

彼は、持っていた紅茶のカップを優しくだけど何かわからないような感じで置いた

優人

え?

優人

どうした?かなえ

相当驚いていたんだろうけど彼は、まだ、私の名前を優しく呼んでくれていた

香苗

もう、終わりにしたいの

優人

何が?

優人

どうして別れたいの?

彼の言葉は、いつも私の意志を揺らす

香苗

それは、もう気持ちがない…

香苗

から

優人

言葉が詰まってるけど?

なんでだろう、こんな時までも彼は私の様子を一瞬たりとも見逃さない

香苗

ごめん、

私は、ただそう呟くことしか出来なかった

1月23日

少し身体の調子が悪くて検査を受けてみることにした

医者

永坂香苗さん

香苗

はい、

医者

ご家族の方は、どちらに?

香苗

この病院の近くに住んでいます、

医者

そうですか、

医者

なら、ご家族の方と一緒に聞いてほしいことがあります、

香苗

え?

香苗

一体、どんなことですか?

医者

また、それはご家族がそろわれているときにしっかりお話しますね

香苗

今、聞いてはダメですか?

医者

本当にお聞きになりますか?

香苗

はい、

医者

医者

末期のガンが見つかりました

香苗

え?

医者

寿命は、そう長くはないでしょう、

香苗

具体的にどのくらいですか?

医者

進行具合によりますが短くて1年

医者

長くて2年でしょう

香苗

そうですか

医者

また、後日ご家族の方と一緒に詳しいことをお伝えしますね、

彼は、きっと私が死んでしまうことに耐えれない

だから、彼が傷つかないように私から去ろう

そうすれば、きっと私がいないときには私なんか忘れて笑顔で過ごしてるよね

だから、君に嘘をつくよ

彼と出会ったのは、3年前のことだ

今でも鮮明に覚えている

高校卒業後に一人旅行をしていたら偶然出会ってしまった

香苗

わぁ、きれい!!

私、驚きのあまり心の声が出ていた

優人

ふぅ、

誰かが笑った

香苗

もしかして、笑いましたか?

優人

いいえ、夕日きれいですよね、

香苗

えぇ、あなたが笑わなければきれいでした

優人

あぁ、笑いましたよ、

優人

正直に言ったから許してください、

彼は、夕日を見ながら私に言った

香苗

許す?

香苗

そんなに私怖くみえましたか?

優人

あぁ、いえ、そう言うわけじゃなくて

彼は、言葉を間違えたといわんばかりに私に近い右手を首のあたりに当てていた

ただきれいな夕日だけおちていた

優人

絵好きですか?

香苗

えっ?

突然の質問に驚いた、想像していた会話の流れが全て真っ白になった

香苗

絵ですか?

優人

そうです、絵です

香苗

まぁ、見る分には…

優人

僕、絵が得意なんですよ、

優人

キャンパス見てみてください

彼が渡してきたキャンパスの中には、幾つかの風景画が描かれていた

香苗

上手ですね、

香苗

どれもきれいで澄んでいる場所なんだなって思えます

優人

ありがとうございます、

香苗

肖像画は、ないんですか?

優人

あんまり、得意じゃなくて

香苗

じゃあ、私を描いてください!

優人

え?ホントに?

香苗

描いてくれたら許します

優人

でも…、

香苗

夕日をバックにして描けば

優人

分かりました、やってみよう思います

優人

でも、その人がどんな人なのか知らないと描けないから質問してもいいですか?

2月6日

課題まだなんだよね

姫乃

へぇー

ちょっと、棒すぎじゃね?

姫乃

だから、何?

いや、だからさ、課題見してほしいんだけど

姫乃

最初から言えばいいでしょ

香苗

おはよう、何の話してるの?

姫乃

おはよう、ちょっと聞いてよ蓮がさ〜

別に言わなくてもいいだろ

姫乃

あれ、優人?

もう、そろそろ来るんじゃね!

お前らは、2人で一つだったし

姫乃

まぁ、確かに

香苗

そう見えてたの?

姫乃

え?うん

だって、あいつ香苗のこと大好きじゃん

香苗

別れたの

香苗

優人と

ええーーー!

姫乃

え、マジ!!

香苗

うん、

優人

何、僕の話?
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