ここは…

私、なんでこんな場所に…

パパ…

そうだ、パパは…？！

…

…え？

おかあ、さん…？

お父さん…

お父さん！

…！

声が、出ない…

どうして…お母さんとお父さんがここに！

1人じゃ、ないよ

パパが…いてくれたよ

うん、うん…

でも…パパは…

パパは、もうすぐ死んじゃう

ねぇ、お願い

パパを連れていかないで

ううん、違う

パパは、私のそばから離れていっちゃう

わかんないよ…

そんなこと言われても…

見えないし、話せないじゃん！

私が一緒にいて欲しい時、居てくれないじゃん！

…

お父さん、お母さん…

お願い

パパがそっちに行ったら

「こっちに来るな」って言って

お願い…

それでも、パパは…

わたしのそばにいてほしいの

時間？

時間ってなんの…

キャアァッ！

な、なに？！

急に真っ暗…

お父さん！お母さん！

な、なに…？

なんて言ってるの…お父さん

聞こえないよ…！

お母さん…

ねぇ、聞こえないよ

お母さん…！

もっと話したいよ

なに…？

2人だけで話さないで、私も入れてよ

愛してる

ここは、ショッピくんの家…？

そうだ

パパが看護師さんに連れていかれて

その後私が気絶しちゃったんだ…

散々泣いたあの日から、3日が経った

パパが目を覚ましたと連絡があった

正直、パパの顔を見ただけで涙が出てきそうだ

でも会いたい

パパとの時間は大切にしなきゃ

パパの病室の前でゾムが立っていた

私の姿が目に入ると、パッと笑顔になって

私の名前を呼んで、抱きしめてくれた

ガラガラガラ…

少し立て付けの悪いドアを開けて、パパの部屋に入った

廊下は少し寒かったが

パパの部屋は暖かった

竹野さんのスーツが目に入って

パパの声も聞こえた

良かった…

大丈夫

パパはまだ覚えてる！

ゾムが言ってくれたように笑おう

笑って、パパとたくさん話そう

どうして、竹野さん、 そんな暗い顔をしているの？

まさか…

ううん、そんな訳ない

だってさっき、竹野さんとパパは楽しそうに話してた

竹野さんを覚えているのなら…

きっと私だって…！