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テラーノベル(Teller Novel)
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高校教師の僕はいつも1時間以上電車に揺られて学校へ向かう。とある日…

テストの採点が終わり、終電近くの電車に乗ったときの話をしよう。

皇 たすく

明日学校に着いたら、平均点を出して…っと

皇 たすく

(やっぱり混んでるな、当たり前だけど)

疲労状態の僕は優先席から開閉扉を挟んですぐの席に腰かけた。

高校生A

ったく、顧問もネチネチうるせーよな

高校生B

だな。練習時間潰れたっての!

皇 たすく

(あの制服…隣の高校の生徒達か)

高校生らは当然かのように優先席に座りかかって…その時。

高校生B

うおっ!

高校生A

どうしたんだよ、電車の中でこけるとか恥ずいぞ

高校生B

なんか…誰かに押されたような気がしたんだよ

高校生A

じゃ、立ってろってことじゃね?

高校生A

そんな何駅もないんだから立ってようぜ

皇 たすく

(…!あれは!)

高校生が転んだ時、見てしまった

窓から手が出てきて彼らを押すのを…

皇 たすく

ちょっと、君たち

高校生B

…はい、なんすか?

皇 たすく

僕の席座ってよ。部活帰りなんでしょ?

高校生A

ありがとうございます!

その言葉と同時に扉が開いて、優先席を必要とするであろう子供連れの妊婦さんが優先席に座っていた。

皇 たすく

(偶然にしては不思議だな…)

その翌日、同僚で鉄道マニアの小林によればあの優先席は有名らしい。

15年程前、ペースメーカーを入れたお婆さんが高校生に優先席をとられ座れず

さらに、ペースメーカーの不具合でそのまま倒れ、亡くなったそうだ。

皇 たすく

あの手はもしかして

皇 たすく

優先席を必要な人の為に護る手…だったのか

それ以来、僕は席が空いていても優先席には座らなくなったのだった。

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