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患者にだって恋はする

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9

手術

♥

130

2024年02月03日

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バタバタバタ

今日は朝から院内はバタついていた。 なぜなら今日は赤の手術日だからだ。 赤の手術を担当する医者やその助手達が色々準備しているのだ。

…、

俺は赤を見送るだけだが、物凄く緊張している。 もし手術が失敗すれば、、 嫌なことを考えてしまう。 今日で赤とお別れになるかもしれない。 そう思うと心が痛い。 だが、これは仕事だ うようよしている場合ではない。

赤に不安が無いように、怖い気持ちで手術を受けることが無いように励ますために俺は赤の病室へ向かった

ぁせんせ

おはよニコ

赤はだいぶ喋ってくれるようになった。 舌っ足らずなところは変わっていないけれど、俺には自分の気持ちを少しずつ伝えてくれる。 赤は成長しているのだ。

どう?

緊張してる?

んーん、

してなぃ

お!赤は強いなぁニコ

きっと怖がっていると思っていたが、赤は平気だった。 いつも通りの表情を見せる赤に俺は少し驚いた。 それと同時に赤なら手術は成功するに違いない、そう強く思った。

手術まで残り1時間。 手術を受ける本人は落ち着いているのに、俺はソワソワが収まらない。

らいじょぅぶ、?

大丈夫だよ笑

そっか…

…、

ハグしても良い?

へぁ、は、はぐ、?

うんギュッ((抱締

んぁ…、

許可が降りる前に赤を目一杯抱き締めた。 少し戸惑いつつも抱き返してくれる。 赤はいつでも温かい。

赤の病室は暗くなり、静まり返っている。 赤は絶賛手術中だ。 落ち着かない部屋でひたすらに赤の帰りを待つ。

カタカタと無意識に貧乏揺すりをしてしまう。 貧乏揺すりを止めると時計が刻む1秒の音だけがこの部屋に響き渡る。

赤と一緒に居るとすぐに終わってしまう時間も赤が居ないと物凄く長く感じる。 この孤独感が余計に俺を苦しめる。

どのくらい待った頃だろうか。 あたりはスッと明るくなり、小鳥の囀りまでも聞こえる。 赤の事が気になり過ぎて一睡も出来なかった。

がらがらがら

…!!

せんぱい、!

看護師さん

ずっとここで待ってたのねニコ

看護師さん

赤くん無事手術成功したわよニコ

ほんとですか!!

看護師さん

いまは寝てるからもうすぐしたら帰ってくるはずよニコ

看護師さん

気長に待っててねニコ

はい!

一気に力が抜けた。 今までの緊張が解け、気づいた頃には寝てしまっていた。

ん…、((目擦

ぉはよ

赤…、?

ぅんコク((頷

目が覚めると、俺の大好きな赤の姿があった。 今すぐに抱き締めたかったけれど、手術直後だからこの気持ちは抑えた。

患者にだって恋はする

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