あの青空の下で、君が笑っていてくれるなら。
ずっと、自分が大嫌いだった。
ずっと、タヒにたいと、消えたいと思っていた。
だから私は、ひとり屋上に登った。
あの蒸し暑くて、太陽が眩しかった日。
私は消えようとしていた。
誰も救ってくれない。
親も、友達も、親戚も、先生も。
誰も気付いてくれない。
…いや、気付かれないように仮面を被ったのは私か。
最後だから、と、私はスマホを取り出した。
すると、ある小説を見つけた。
''どうせこんなの子供騙しだ''
そう思ったけれど、''見ないと後悔するぞ''と脅されたように、
手が勝手に動いた。
子供騙しと思っていたその小説は、私の心を救ってくれた。
あったかくて、優しくて。
''君はここに、この世界にいていいんだよ''
そう言われたような気がした。
私は消えようとするのをやめた。
この人の小説の続きを見るためだけに生きた。
だけど、それは叶わぬ願いだった。
その人は、もういつタヒんでも可笑しくなかった。
だから、私は描いた。
君と同じように、君を救いたい、と思った。
私は描き続ける。
この小説で、君があの青空の下で、笑っていてくれるなら。