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テラーノベル(Teller Novel)

【理科室の人体模型】はとりあえずクリアか

夢ちゃん、次は?

えーっと、【踊り場の大鏡】かな

階段の踊り場に大きな鏡があって、真夜中に覗き込むと引き込まれたり、異世界に連れてかれるらしい

へーいいじゃん、面白そう

次は誰行く?

竜胆

なぁ…もうやめようぜ、絶対やべぇって…

竜胆お前ビビりすぎじゃね?

さっきのそんな怖かったのか?

竜胆

だってさっきのは…ッ…

竜胆は何かを言いかけたが、直前で口を噤んだ。

どうしたの竜ちゃん?

竜胆

いや…言っても、信じてくれないと思って…

んなもん言ってみないと分かんねぇだろ

そうだよ、心配だし話して

竜胆

…………さっき、人体模型の七不思議を検証してた時

竜胆

心臓をとって教卓の下に隠れてたら、人体模型が動き出したんだ

竜胆

不気味な声で「心臓を返せ」って、関節軋ませながら動いてた

竜胆

何とか耐えて2人のところに戻れたけど…

竜胆

1人で…怖くて、泣いて隠れるしかなくて…

竜胆は目に涙を溜めながら、2人にそう打ち明けた。

そう…だったんだ

ごめんね竜ちゃん、気づけなくて

竜胆

…いいんだよ、もう過ぎたことだし

竜胆

でもこの学校がおかしいのは確かだ

竜胆

また同じようなことになって、死んじまったら元も子もない

竜胆

七不思議なんかやめて、ミッションに集中しようぜ

うん、そうだね

おいおい、ちょっと待てよ

すると二人の会話に割って入るように、蘭がそう口に出した。

夢ちゃんもうちょっとよく考えてみろって

人体模型が動くなんて、普通あり得ないだろ

竜胆

でも…!

こいつは元々怖がりだし、ちょっと物音したくらいでビビってるだけだろ

でも、怖がり方がいつもと違う…

自分が怖ぇから、俺らのことも怖がらせようとしてんじゃないの?

反社のくせにオバケ怖いとか意味わかんねー

嫌なら1人でミッション行けよ

そう言うと蘭は、我先に廊下の奥へ進んだ。

竜胆

………………

竜ちゃん、あんまり気にしないでいいよ

きっと蘭ちゃん、眠くて機嫌悪いんだと思う

竜胆

…そう、だな

2人はいつもの違う蘭の様子に困惑しながら、遠くへ行ってしまった彼の元へ向かった。

うわっ、階段めっちゃ不気味…

雰囲気あんね

竜胆

……………

じゃあ次は誰行こっか

竜胆はさっき行ったから、俺か夢ちゃんだな

俺行こうか?

いいの?

だって夢ちゃん、次の七不思議の【13階段】やりたいって顔してたから

【13階段】 いつもは12段の階段が、真夜中になると13段になっており上りきると異世界へと迷い込み帰ってこられなくなる

どんな顔?w

まあやりたいのは事実だね

ならいいんじゃない?

やってくるから、2人は下で待ってて

分かった、気をつけてね

蘭はそう言うと2人を残して、階段上の踊り場にある鏡へ向かった。

竜胆

………………

竜ちゃん、大丈夫?

なんかさっきから黙ったままだけど…

竜胆

…なあ、夢

竜胆

あの声…悪霊について、他になにか言ってなかったか?

他って?

竜胆

例えば特徴とか、種類とか

あーえっと、確か…

襲ってくる者もいれば騙してくる者もいる、そしてごく稀に良い者もいる

って言ってた気がする

竜胆

そうか…

竜胆

…あ、のさ、夢

何?

竜胆

変なこと言うようだけど、俺が思うにあれは…

2人ともー!

竜胆が何かを言いかけたその時、階段上から蘭が2人に声をかけた。

どうしたの蘭ちゃん?

ダメだわ、鏡何も写んねぇ

引き込まれるわけでも、異世界に行く訳でもない

拍子抜け〜

そっか、まあ基本そんなもんだよね

竜胆

………?

竜胆

……ッ!

2人が階段を跨いで会話をする中、手すりによりかかっていた竜胆。

しかし突然体をビクつかせると、幽霊でも見たかのように顔を青くした。

どうしたの竜ちゃん?具合悪い?

竜胆

あ…えっと、

大丈夫か?怖すぎて腹でも壊したか?

竜胆

いや…別に、大丈夫…

………………

やっぱり、七不思議もうやめよ

竜胆

え…

本当はもっと楽しみたい気持ちはあるけど、竜ちゃんが辛そうにしてるし

3人で楽しめなきゃ意味ないでしょ?

ね?蘭ちゃん?

…まあ、確かに

でも夢ちゃん、13階段だけやれば?

やりたがってたし、何より見てるだけなら竜胆も大丈夫だろ?

竜胆

ま、まぁ…

じゃあ、ぱぱっと終わらせてくるね!

そう言って夢はウキウキで、階段の前に立った。

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1、3…

ん?今、13段だった?

いや、元々13段の可能性もあるかな?

ねぇ蘭ちゃん、上った時何段だった…

夢はそう言って振り返るが、階段下に二人の姿はなかった。

え…?

2人とも、どこ…?

竜胆

え…あ、夢?

竜胆

(どういうことだ、夢が消えた…!?)

竜胆

(途中までは声が聞こえてたのに、少し目を離した隙に…)

行くぞ竜胆

夢ちゃん探しに行かねぇと…

竜胆が困惑する中、蘭は恐ろしいほど冷静な声でそう言い、階段の方へ向かった。

竜胆

……………

スチャッ…

しかしそんな蘭に、竜胆は突然銃口を向けた。

………なんの真似だ、竜胆?

今はこんなことしてる場合じゃねぇだろ

竜胆

なんの真似だは、こっちのセリフだ

竜胆

テメェ、全然似てねぇんだよ

竜胆

猿芝居もいい加減にしろよ

蘭?

…………フッ…

蘭?

さすが、弟なだけはあるな

すると蘭?は不気味に笑いながら、ゆっくりと振り返った。

蘭?

いつから気づいてた?

竜胆

俺が人体模型の検証を終えて、2人の元に帰ってきた時だな

竜胆

いつもの兄貴ならバカにして笑い転げて、写真撮って三途とかに送り付けるはずだ

竜胆

それなのに一笑いもせずに軽く心配した素振り見せて、面倒くさそうな顔であしらった

蘭?

それだけなら、ただ少し機嫌が悪いだけとか思えそうだけど?

竜胆

まだある、決定的なものがな

蘭?

決定的なもの?

竜胆

口調だよ

竜胆

俺に対する言葉はいいとして、夢に対する言葉がいつもと違いすぎる

竜胆

いつもの兄貴は夢に対して、「〜だろ」とか「〜ねぇ」とか使わない

竜胆

"灰谷蘭"を勉強し直せ

竜胆はそう言って、引き金に力を入れた。

蘭?

…………どうした、撃てないのか?

蘭?

所詮偽物でも、兄貴の姿をしたものは撃てないってか?

竜胆

………ッ…!

蘭?

心配すんなよ、俺は別に灰谷蘭の身体に乗り移ってるんじゃない

蘭?

本物はこの学校のどこかにいる

蘭?

撃ったところで本物は死なねぇよ

蘭?

あと、あの小娘についてだが…

蘭?

どうやら13階段のせいで、異世界に行ってるみたいだ

蘭?

助けたきゃ七不思議を終わらせろ

蘭?

だが急いだ方がいいぜ、あっちの世界はもっとやべぇ悪霊がいるからな

蘭?

まあでも、お前には無理だと思うぜ

竜胆

なんでそう言い切れる?

蘭?

だって、お前はここで…

悪霊

俺に殺されるんだからな──ッッ!!

蘭?はそう叫ぶと、身体を真っ黒い煙のようなものに変化させ、竜胆に襲いかかった。

竜胆

…ッッ!?

ガリガリ…

しかしその時、悪霊の頭上から白い粉のようなものが降ってきた。

悪霊

イギャアアアアアアアアアア──ッッ?!?!

竜胆

!?

その粉を浴びた瞬間、悪霊は苦しそうな叫び声を上げ消滅した。

竜胆

え…いま、なにが…

???

お前、何涙目で尻もちついてんの?

竜胆

その声…、

おもしれーww写真撮って三途に送ろっとwww

聞き覚えのある声が聞こえ顔を上げると、そこには見慣れた兄の姿があった。

竜胆

兄貴…

ん?なんだよ、嫌がんねーの?

竜胆

あ、いや…えっと

竜胆

ありがとう、助けてくれて

自分の弟守るのなんて当たり前だろ、弟思いの兄に感謝しろよー

竜胆

自分で言うのかよ…

蘭の言葉に少し呆れつつ、竜胆は安心したように差し出された手を取った。

竜胆

それよりさっきの何?なんか振りかけてたけど…

ん?塩だけど?

竜胆

ああ、もしかして盛り塩…

すると蘭は、チェス駒のような形の容器を差し出した。

竜胆

いやソルトミルかよ、しかもピンクソルトだし

竜胆

絶対振りかけるやつの方がいいだろ

蘭?

まあでもいいんじゃね?ちゃんと効果はあるみたいだし

竜胆

そうだけど…

竜胆

そういや兄貴、今までどこにいたの?

竜胆

俺らさっきまで、偽物の兄貴といたけど…

なんか気づいたら校庭の真ん中に寝てて、さみーとか思ってたらキモイ声聞こえてきて

何言ってるか分かんなかったから、とりあえず学校の中入った

んで下駄箱の中にソルトミルあったから、試しに透けてるキモイやつに振りかけてみたら

さっきのやつみたいに消えてったから、お前ら見つけるまでこれでキモイやつら倒してた

竜胆

強っ

まあ俺だし?

てか夢ちゃんは?一緒じゃねーの?

竜胆

…実は、消えちまって……

は?消えた?

竜胆

さっきまで3人で七不思議やってて、夢が13階段やったら

竜胆

上りきったところで、いなくなっちまって…

竜胆

あの悪霊の話では異世界に迷い込んだって

………ふーん

よくわかんねーけど、とりあえず夢ちゃんが消えた場所行ってみようぜ

竜胆

うん…

蘭にそう言われ、竜胆は一緒に階段を上がった。

隠し扉とか床が抜けるとかはねーな、やっぱあっち系のやつか?

竜胆

あ、この本!

すると竜胆は床に置かれた本に気が付き、そっと拾い上げた。

何それ?

竜胆

これ、夢が持ってた七不思議の本だ

竜胆

これだけ持っていかれなかったのか…?

持っていかれなかったのには、なにか意味があるんじゃねーの?

あの悪霊、他に何か言ってなかったか?

竜胆

そういや、助けたければ七不思議を終わらせろとかなんとか…

じゃあ、やるしかねーな

あと何残ってんの?

竜胆

えっと…プールの少年、トイレの花子さん、開かずの間、???

何だよ【???】って

竜胆

兄貴聞いたことねぇの?

竜胆

七不思議は7つ知ると不幸が訪れるって

竜胆

7つ目が書いてないのは、そういうことじゃねーの?

変なところこだわんなくていいだろ

まあいいや、とりあえずプール行くぞ

竜胆

分かった

蘭にそう言われ、竜胆は七不思議の本を手にプールへと向かった。

To Be Continued…

ヲタ女と反社【Halloweens game】

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コメント

34

ユーザー

TikTokから来ました!!続き楽しみにしてます!!!(*^▽^*)

ユーザー

やっぱり偽物だったか! 夢ちゃん大丈夫かな?

ユーザー

やっぱ蘭ちゃんじゃなかったよね途中から!竜ちゃんよく気づいた! 態度も口調もちょっといつもの蘭ちゃんより冷たいかんじだったもん。春ちゃんはまだしも竜ちゃんとか夢っちにそんな態度取るわけないもんね!このストーリーちょっと怖いけどそれ以上に面白くて読んでて凄い楽しいです

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