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テラーノベル(Teller Novel)

警察官

…松本仁。

もう1人の警察官

警察官

そいつの旧姓だ。

玲花

………。

玲花

…………………。

え?

松本、仁?

仁って…あの、仁さんだよね? 松本?旧姓?

もう1人の警察官

へぇ〜そうなんすね笑

警察官

そうそう笑

もう1人の警察官

あっ、やばい、パトロールの時間だ

警察官

おぉ、本当だ

警察官

よし、行こうか。

もう1人の警察官

はい!

もう1人の警察官

車ん中で今の続きの話しましょ!w

警察官

もちろんw

ギィ、

警察官が扉から出てくる。

玲花

あっ……えっと………

もう1人の警察官

うぉっ!?『驚』

警察官

(やべー…)『焦』

知らないフリを、 聞こえてなかったフリをしなきゃ なんだろうけど それどころじゃない。

流石にこの場で問い詰めるほどの メンタルはない。

なんで言ってくれなかったの? 旧姓ってことは、?

玲花

……。

警察官

………。

玲花

ごっ、ごめんなさいっ、

私は走って警察署を 出て行ってしまった。

警察官

聞かれてたよなぁ絶対

もう1人の警察官

そーっすねぇ…

そのまま逃げるように 警察署を後にしようと した時、目の前には人影があった。

仁さん

おっ、やっときたね

仁さん

…冷や汗が出てるけど…なにかあったの?体調でも悪い?

玲花

あ、あ……

今は仁さんに どういう顔を見せればいいかが わからなかった。

気持ちの整理が追いつかない。

玲花

ごめんなさいっ、ごめんなさいっ!!

私は走り出そうとした。

仁さん

え!?ちょっと!

ガシッッ

仁さんは私の腕を掴んだ。

仁さん

どういうことかな?
なにかあったの?

玲花

いやっ……いやぁっ、!!

「確かに言われてみれば 少し似てるような…!」

さっきの警官のセリフが フラッシュバックする。

仁さんと松本の顔が 重なって見えてくる。

玲花

やめて!来ないで!!

仁さん

ッ…!

私は仁さんの手を跳ね除けた。

止めようとしたが手を 思いっきり跳ね除けられた。

ッ…!

玲花

あっ、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ

玲花

そんなつもりは…

いや、今のは無理矢理引き止めた私が悪い。

玲花が謝る必要はないよ。

今の玲花の『不幸』の乱れ方を、 "この視点"になってから 初めて見た。 あんな乱れ方は見たことがない。

ごめんね。でも心配なんだ。

玲花

あっ、、あっ……

「松本元教師が玲花を階段から 突き落とした。」 という事実だけでは玲花は ここまでの乱れ方にはならない と思う。

その『不幸』を見ているこっちまで 息苦しくなってくるような 乱れ方。

だからとりあえず、これだけ受け取ってほしい。

玲花

…!

玲花

…!

渡されたのは 何かの番号が書かれた 紙だった。

今はそれがなんの番号なのかを 考える気力もない。

玲花

これは…?

仁さん

私の電話番号だ。

仁さん

なにかあったらかけてきてほしい。

仁さん

助けになれるかもしれない。

玲花

助け…に?

仁さん

あぁ^ ^

仁さん

とりあえず、気をつけて帰るんだよ。

仁さん

事故にだけは遭わないようにね。

玲花

はい……ありがとう、ございます…

いつもだったら 「綺麗だな」と感じる 夕日も、今は「眩しい」としか 感じられなくなっていた。

玲花

ただいまー、

高校に入ってから始めた 1人暮らし。

「おかえり」と返してくれる人が いないのはまだ寂しく感じていたが、 今はその静かさが 逆に落ち着いた。

玲花

…宿題でもやろうかな。

玲花

ご飯食べようかな。

玲花

テレビでも見ようかな。

玲花

………。

なにをしていても あの1つのことが気がかりで 全く集中できなかった。

玲花

お風呂にでも入ろうかな。

気がつけば時刻は 23時を回っていた。

クシャッ

浴槽に行こうと ソファから立ち上がった時、 ポケットの辺りから微かに 聞こえた音。

「私の電話番号だ。」

玲花

あ…!

そうだ、そういえば この紙をもらっていたんだ。

プルルルルル…

私はすぐさま電話をかけた。

「こんな時間に迷惑かな。」 「聞いちゃっていいのかな。」 って、数秒間で何度も 思った。

でもここでスッキリ しておきたかった。

夜は静かでいいなぁ

…ん?

散歩中、1件の着信が来ていた ことに気がついた。

不在着信

不在着信

誰だろう…?

こんな時間にセールスが 電話をかけてくることなんて そうそうないだろう。

…もしかして、!

私はすぐに電話をかけ直した。

玲花

やっぱり…出てくれないか…。

通話終了

通話
00:00

玲花

!!

玲花

仁さんからだ…!

私はスマホを手に取り 電話に出た。

玲花

…仁さん…ですか?

仁さん

あぁ、そうだよ。

玲花

すみません、こんな時間に。もしかして起こしちゃったりとか…

仁さん

ううん、今は散歩をしていて着信に気が付かなかったんだ。ごめんね。

玲花

いやいや!そんなことは…

仁さん

笑笑

仁さん

それで…どうしたの?

玲花

仁さん

なにかあったから電話をかけたんだよね?

仁さん

「あなたの声を聞きたかった」でも正直嬉しいから別に構わないけど…

玲花

笑笑

仁さん

よかった、笑ってくれた。

仁さん

でもそうじゃなさそうだもんね。

玲花

残念ながら違いますかね、

仁さん

わかってるわかってる笑

仁さん

…。

玲花

………。

玲花

いやっ…そのっ…

いざ本題に入ろうとすると、 なんて言っていいのかが わからなくなる。

思っていたよりも流暢に 喋れたからこの 調子でいけると思っていたら 大間違いだった。

玲花

えっと……

仁さん

ゆっくりでいいからね。

玲花

ありがとうございます…。

私は深呼吸をした。 覚悟を決めた。

玲花

…もうっ、直近で聞きます!

仁さん

うん

玲花

松本とは…どういう関係なの?

玲花

旧姓、松本仁 ってどういう意味?

仁さん

!!

玲花

………。

仁さん

…警察の人に聞いちゃったのかな?

玲花

玲花

はい。お手洗いから、出てきた、時、に。

言葉が詰まる。 上手く話せない。

仁さん

そっかそっか。

仁さん

うーん…聞かれちゃったか笑

玲花

はい…

仁さん

関係…か…。

玲花

…………。

仁さん

…。

仁さん

"元親子"って言ったら、

仁さん

どう思う?

玲花

…。

玲花

元…"親子"……?

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