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猛虫注意

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1

侵略的外来種

♥

21

2023年03月04日

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それは、ある日突然のことだった…

夢神

山島博士!!大変です!!

助手の夢神くんが焦って私の元に駆けつけたのはデートのお誘いでは無く…

夢神

A市のB村に人喰いバッタが現れました!

山島博士

は?

バッタだった…

夢神くんに運転を任せ人喰いバッタが襲ったと考えられる村へ向かった。

山島博士

興味深いな…

夢神

なにかわかったんですか?

山島博士

このバッタ、群生で動いてるようだ

村を襲ったバッタの資料をペラペラと捲りながら見ていく。

夢神

群生ってなんですか?

山島博士

群生相、群れで成長した個体をそう言う

山島博士

中には孤独相っていうのもあって、孤独相は一匹狼で成長した個体を指すんだ。

夢神

村の住人から聞いた情報なのですが…

夢神

村に帰ろうとしたところ、村長から電話が掛かり出たところ、多数の羽音と何かをかじる音、ノイズが入って上手く聞き取れない村長らしき人物からの言葉、これらが確認できました。

山島博士

音のデータは?

夢神

これです

夢神は音声の入ったカセットテープを渡した。

山島は音声を再生させると、夢神が言っていた音が聞こえ野太い男性の声が何かを言っていた。

山島博士

来るな…

夢神

え?

山島博士

村に帰ってくるなっと言っている

夢神

村に帰ってくるな……
どういうことでしょうか?

山島博士

あの羽音にかじる音、バッタ…

山島博士

君が言っていた人喰いバッタ

夢神

村が襲われたのでしょうか?

山島博士

可能性は高い

夢神

そうなったら私達どうしましょう

夢神

これから向かうのに…

山島博士

対策方法はある

夢神

あるんですか!?

山島博士

ああ、そこを左折してくれ

夢神

はい、どこか寄るんですか?

山島博士

近くにホームセンターがある

山島博士

そこで殺虫剤を買うぞ、経費で落とせばどうにかなる

2人はホームセンターに寄り、殺虫剤を根こそぎ買い尽くして車のトランクの中や座席に入れ走らせた。

夢神

こんだけあれば大丈夫でしょうか?

山島博士

ああ、大丈夫なはずだ

夢神

てか、殺虫剤の換えのボトルって意味あるんですか?

山島博士

念の為だ

山島博士

それより、人喰いバッタは小さいのか?

夢神

村の住人からは大きさのことについては知らないと

山島博士

知らない?

夢神

村の住人は昔、村から離れ都会へ移住してました。こちらに連絡する前はお盆の日、村へ帰ろうとした所に電話が鳴ってって感じです。

山島博士

お盆の日にそんな事が

夢神

博士、見えてきました。

夢神

B村です

山島博士

B?

夢神

隠語ですよ、一応このやり取り録音されてるんです。

山島博士

この首に巻かれた首輪のことか?

夢神

そうです

山島博士

俺が着けてると嫌だが、夢神くんが着けてると色っぽいな

2人は車の速度を緩めゆっくりと奥へ進んだ

夢神

良い空気ですね〜

夢神

自然が豊かで、窓からマイナスイオンが肌に染み渡る感じがします〜

山島博士

こんな穏やかな村に人喰いバッタが?

夢神

あっ!博士!鹿ですよ!

山島博士

こんな所にいるのか

鹿はこちらに気づくとこちら側が行けない、獣道へ走っていった。

夢神

あ〜

山島博士

なぁ

夢神

はい?

山島博士

あの鹿の体、やけに赤くなかったか?

夢神

赤かったですね

山島博士

………

夢神

博士?

山島博士

とりあえず進もう

夢神

はい…

奥へ進むと、穏やかな空気は豹変し重い空気が2人を感じさせた。

山島博士

なんだ、この空気

夢神

この先になにがあるのでしょうか

山島博士

わからないが、進まないと

夢神

はい

夢神はゆっくりと車を走らせると、目の前に鹿が倒れていた。

夢神

博士!

山島博士

うお!?どうした?夢神くん

夢神

あれ、鹿が倒れてますよ!?

山島博士

ホントだ…

すると、鹿は顔を少し動かすと口から何か小さな生き物が出てきた。

小さな生き物はトノサマバッタで口の周りには鹿の血肉が付いていて外に出てくる、しかも群れを成して

夢神

博士、次から次へとバッタが…

山島博士

これが、今回のバッタか?

夢神

博士!バッタがこちらに向かってきます!

山島博士

ここで相手するのは難しい

山島博士

行け!

夢神

え!?

山島博士

車を飛ばせ!!

夢神はアクセルを力強く踏みバッタを潰しながら奥へと進んだ…

車を飛ばすこと15分、2人は目的地の村に辿り着いた。

夢神

着きましたね

山島博士

特に変化は無さそうだが…

村は静かで、家の扉は開いたまま

夢神

不気味ですね…

山島博士

急いで逃げたのだろう…

山島博士

それより、マップを把握しないと

山島博士

ここは地図にも載ってない場所だ

夢神

えっ、どうして分かるんですか?

山島博士

さっきからスマホでここを調べてるんだが、地図に載ってないんだ。

山島博士

それだけじゃない

夢神

何かあるんですか?

山島博士

この村、存在してるのは確認されているんだ。

夢神

はぁ

山島博士

70年前程に村は消えている…

夢神

え?

山島博士

70年前にここは、ダム建設で無いんだ

夢神

でも、今私達はここにいますよ?

山島博士

理解が出来ないが、やるべき事はいくつかある

夢神

そうですね

山島博士

まずは公民館に行こう

山島博士

公民館で地図を把握

山島博士

次にこの村の歴史が記載されている本を探す。

山島博士

そして、例のバッタの駆除

夢神

駆除の前に奴らの住処を探さないと行けませんね

山島博士

ああ

山島博士

夢神くん、あの大きい建物に行ってくれ

夢神

ここが公民館でしょうか?

山島博士

駐車場があるな、田舎の道なのにここだけが綺麗にされている。

夢神

ここに停めますよ?

2人は車から降りるとタイヤにこびりついているバッタが目に入った。

夢神

これが、バッタですか?

山島博士

どれも口の周りが赤いな

山島博士

バッタっていうのもあれだな

山島博士

なにかわかりやすい名前を出しておくか

夢神

なんて名前にするんですか?

山島博士

ベニバッタ

山島博士

紅い、バッタでベニバッタ

夢神

安直ですが、覚えやすくていいですね

2人は公民館の入口に立つと夢神が辺りをキョロキョロと見渡しはじめた。

夢神

………

山島博士

どうした?

夢神

誰かに見られてる気がするんです

山島博士

ベニバッタかもしれない、早く中へ

公民館の中へ入った2人は奥へと進み村の地図を見つけた。

山島博士

これが、地図が

夢神

見てくださいこれ

夢神が指さした所には公民館から数百m先にあるバッタの養殖場が書かれてあった。

山島博士

バッタ養殖場?

するとコツンコツンと誰かの足音が聞こえた。

山島博士

聞こえたか?

夢神

聞こえました

2人はゆっくりと振り返ると一人の青年が立っていた。

???

あなた達は誰ですか?

夢神

大丈夫、私達は味方です。
安心して?

山島博士

私達は依頼されたんだ

???

依頼?誰にですか?

山島博士

以前この村にいた元村人だ

山島博士

村長の息子だよ

???

あの人ですか?

???

てことは、助けに来てくれたのですか?

山島博士

やはり、何かあるみたいだな

山島博士

名前は?

早乙女

早乙女です

山島博士

早乙女君、ここに村の歴史が記載されている本はあるかな?

早乙女

あると思います、ここはどの村よりも特殊で変わってるので

山島博士

ではその本がどこにあるのかな?

早乙女

この階段を上がれば図書館に着きます

早乙女

図書館内にはあるでしょう

山島博士

なら行こう

早乙女

ここですね

夢神

早乙女さんってここの住民なの?

早乙女

はい

早乙女

以前、記者をしてまして

早乙女

この変わった風習を全国へと教える事が目的でしたが…

早乙女

ここは孤立した村

早乙女

当然ですが、パソコンなど無く本にまとめても出すのに時間とお金が掛かってしまい、中々全国へ送る事が難しかったんです。

山島博士

記者ならここの風習を知ってるじゃないのか?

早乙女

記憶が無いんです

早乙女

村のことだけ

山島博士

なに?

夢神

村の記憶だけ無いのですか?

早乙女

申し訳ありません

山島博士

バッタの存在は知ってるか?

早乙女

口の周りが赤い、小さな化け物ですか?

山島博士

知ってるんだな

早乙女

以前はそんなバッタいなかった

山島博士

突然現れた形か

夢神

博士、見てください

山島博士

どうした?

夢神は分厚い古本を手に取り山島へと渡した。

山島博士

これは?

夢神

恐らく、この村のことについて記載されてる本かと

早乙女

それです、それに村の風習が詳しく書かれています。

山島博士

何ページに載っている?

早乙女

記憶が曖昧ですが、180ページくらいかと

山島は古本のページを180ページ捲ると食性バッタという名前が書かれたページへ着いた。

夢神

バッタ養殖場?

山島博士

1790年にバッタ養殖場が設立された

夢神

152年間も続いているのですか?

山島博士

みたいだな

山島博士

今は2012年で70年前にこの村が消えたことを想定すると152年も続いているようだな

早乙女

えっ…70年ですか?

山島博士

あ〜いや、気にしないでくれ

夢神

どうして言わないんですか?

山島博士

ちょいとね

山島博士

早乙女くん

早乙女

はい?

山島博士

君は最近この村に来たのか?
それとも過去の人か?

早乙女

過去の人?

早乙女

ここに来た記憶は無いんです

山島博士

記憶にないか…

夢神

博士

山島博士

どうした?

夢神

なにか音が聞こえません?

山島博士

音?

夢神

なにかギシギシ木がきしむ音が

3人は耳を澄ませると図書館の入口から木がきしむ音が聞こえはじめた。

山島博士

誰かいるのか?

すると扉から穴が開きそこに一匹のバッタが出てきた。

ベニバッタ

キ、キキキキキ…

夢神

あれって…

山島博士

早乙女くん

早乙女

はい?

山島博士

この図書館広い?別の出口ある?

早乙女

この先の奥に非常口があります

早乙女

そこから出るとバッタ養殖場があります、バッタ養殖場には監視塔があります。

山島博士

良い情報サンキュー

夢神

どんどん湧いてきてますよ!?

山島博士

夢神くん、奥へ走れ!!

群れを生したベニバッタは図書館の奥へ走る3人を追いかける、その姿は獲物を狙うヒョウのようだ。

バッタのスピードは速く何度も肩にくっついて噛まれたりしたが、3人はバッタを踏んだり手で握り潰したりして抗った。

早乙女

この先にバッタ養殖場に繋がる部屋があります!!

山島博士

急げ!!

3人は必死の思いで奥の部屋へと走り扉を閉める。

閉める時、バッタ達は波のような列だった。

もし、人1人があの群れに入ったら一瞬で白骨になる程の

ドン!!

山島博士

うおぉ…衝突したのか

夢神

扉からそんな音が出るということは相当な数じゃ……

山島博士

あぁ、さっき見た時1000匹以上はいたな

夢神

ええ…

早乙女

2人とも、こっちです!

早乙女が2人を呼び早乙女の所に行くと非常口が目の前にあった。

非常口の隙間からは光が漏れていて外の匂いが感じれた。

山島博士

鍵が掛かってるな…

早乙女

非常口って言っても使う機会が無くて、村長は非常口なのに鍵を閉めたんですよ

山島博士

何のために?

早乙女

以前、この図書館でいくつか本が盗まれたんです。

早乙女

そして村の住人から非常口からいくつか本を持った人が出て行く姿を見たと聞いたらしく

早乙女

窃盗対策、みたいな物です

早乙女

この村では本を借りる時、一冊でも500円払わなくちゃいけないのです

夢神

500円!?

早乙女

この村は流通がそこそこでして…

早乙女

図書館や集金である程度稼いだあと、皆の生活品を買ったりして倍の値段で販売してたんですよ

山島博士

小さな村だから1つの金を貯めるにはそれがいいんだろうな

ドン!ドンドン!!

山島博士

扉は持ちそうにないか

夢神

そういえばこの部屋、黒がありません?それに本がこんなにも灰色に…

山島博士

家事があったんだな

山島博士

触れなかったが、死体もある

夢神

わっ!ホントだ、誰のでしょうか?

山島博士

丸焦げだから身元は分からないな、ん?

山島は丸焦げになった死体に違和感を感じた。

山島博士

(この死体、何処かで見た事あるぞ…)

山島博士

(それに、こいつが持ってる物って…)

山島は死体が持ってる書物を取り開くとそこには、バッタ養殖場の事が書かれていた。

山島博士

この村ではバッタが主食だったんだな

夢神

イナゴ的な感じですか?

山島博士

どうやらこの村ではバッタを米のような価値観だったらしい

夢神

てことは、毎日のようにバッタを?

早乙女

そうです、私も白米よりバッタをよく食べてました。

山島博士

この書物は誰かの日記みたいだ

夢神

日記?

山島博士

書いてあることが日記口調だ

山島博士

そして、この村にもヤバい奴がいたみたいだな

夢神

え?

山島博士

バッタ養殖場を強化する為か、バッタに化学薬品を使ったのさ

山島博士

特殊なフェロモンをバッタ養殖場に巻き、バッタを凶暴化させ餌を与えずに閉じ込めた。

夢神

閉じ込めた?

山島博士

恐らく弱いやつを食わせて強いやつが生き残る、蠱毒的なやつをしたんだ

山島博士

生き残るのは強くて栄養満点なバッタ

山島博士

これをした人は生き残ったバッタを使って新しい商売にしたかったのだろうな

山島博士

普通の肉をA5和牛にしてそれを大量生産しようとした

早乙女

そんなことが…

山島博士

だが、大量生産するまえにフェロモンが強力だったのか、バッタはバッタ養殖場から脱出し目の前にあるものはなんでも喰らう化け物へ進化した。

山島博士

暴走したバッタが、村を壊滅か…

夢神

でもそう考えたらこのまま野放してたらマズイんじゃ……

山島博士

急いで鍵を開けよう

山島博士

どう開ければ良いんだ?

早乙女

お二人ともそこをどいてください

早乙女は細く鋭い物を鍵穴に入れいじっている。

山島博士

君、ロックピックを?

早乙女

私は記者ですよ?この村に来る前に有名人の情報を掴む為にこの手段でよく忍び込んでいたんです。

山島博士

紳士そうな顔して、悪だな

早乙女

いえいえ

早乙女

開きました

扉が開くとトンネルが目の前に広がっていた。

山島博士

この先にバッタ養殖場が?

夢神

博士!扉の方からバッタが!

山島博士

マズイ……もう来たか!!

早乙女

2人とも早く行って!!

山島博士

何言ってる!

山島博士

お前も来い!!

夢神

えっ……早乙女さん…どうして?

早乙女は火のついてない火炎瓶とライターを持っていた。

早乙女

すみません、お2人とも

夢神

早乙女さん!!

山島博士

夢神くん!!

山島博士

この先に行けばバッタ養殖場に着く

山島博士

いつまで凹んでるんだ?夢神くん

夢神

だって、唯一の生存者だった早乙女さんが……

山島博士

あいつはどの道死んでいた。

夢神

どうしてそんなことを言うですか!?

山島博士

後ろ見てみろ

夢神

え?

後ろを振り返ると部屋の扉が無く無限に続くトンネルに変わっていた。

夢神

どういうこと?

山島博士

早乙女くんはここまでだったんだ

山島博士

君は聞いてなかったのか?

山島博士

この村に生存者はとっくにいない

山島博士

それにあの早乙女くん、不思議なところがいくつかあった。

夢神

え?

山島博士

彼の格好、よく見ると最近の若者の服装ではなく昔ながらの服装だった。

山島博士

それにこの村は70年前には消えてるのに早乙女くんは70年前の事を知っていない

山島博士

何故ならここで死んでいたからだ

山島博士

早乙女くんには申し訳ないが、

山島博士

俺達は、死んだ早乙女くんの茶番に付き合わされてただけだ。

夢神

ますます意味がわかりません

山島博士

そうだな、ゴーストタウンになぜあのバッタがいるのか

山島博士

不自然な所が多いが、俺達はその正体を暴きに来たんじゃない。

山島博士

俺達はバッタを駆除する為に呼ばれたんだ

夢神

そうですね

夢神

すみません、私

山島博士

良いんだ、行こう

夢神

はい

2人はトンネルを抜けると一本の道路が続いていた。

トンネルを抜けた先に一台の車が止まっていた。

夢神

これ、私達の車ですよね?

山島博士

だな

2人は車に乗り一直線道にそって進んだ。

???

…………

車を走らせていると道路左際に早乙女らしき人物が立っていた。

夢神

博士…

山島博士

見るな

山島博士

そのまま直進しろ

山島博士

奴はここにはいない

夢神

博士、バックミラーで見て貰えますか?早乙女さんが見なくなったら言ってください

山島博士

わかった

バックミラーで確認するとまだ早乙女が写っていた、身体が赤い早乙女が…

山島博士

見えなくなったぞ

そういうと目の前にヘリコプターが着陸しそこに武装した兵士が何人かいた。

山島博士

なんだ?

兵士

すみません、この先は立ち入り禁止です

山島博士

山島だ、依頼を受けて来た。

兵士

山島さんですか?

兵士

あぁ、失礼しました。

兵士

話は伺っております、ヘリに乗ってくだい

山島博士

なに?

兵士

殺虫剤を撒くんです。

兵士

その車に積んである殺虫剤を使って

山島博士

どうしてわかった?

兵士

臭いが漏れてます

2人は車の扉を開けヘリに乗ると、何人かヘリに殺虫剤を入れていた。

兵士

よく依頼を受けましたね

兵士

しかも少数で

山島博士

あぁ、途中幻覚を見たよ

兵士

フェロモンですよね?

山島博士

話が早いな、流石だよ

兵士

私達もそこら辺の自衛隊ではありませんので

夢神

幻覚?

兵士

ええ、バッタが凶暴化したフェロモンには幻覚作用もある事がわかっていまして…

夢神

じゃあ、あの早乙女さんは…

山島博士

フェロモンで見た幻覚だ

山島博士

なんだったら公民館や図書館も全て幻覚だ。

兵士

GPSで確認したところずっとトンネルにいたのですよ?

山島博士

フェロモンの幻覚作用、しかも人工じゃない…

夢神

全て、幻覚?

山島博士

そうだ

山島博士

だが、ベニバッタは幻覚じゃない

兵士

奴らは今、工場で巣食っています。

兵士

今のうちに作戦を話します。攻撃ヘリが目的地に着いて工場を破壊します。私達は穴が空いた工場に殺虫剤を撒いてとどめを刺す。そんな感じです。

山島博士

巣を破壊すれば、女王も死ぬはずだ

夢神

女王蜂的な感じでしょうか

山島博士

群れには必ずリーダーがいる。

山島博士

リーダーを潰せば部下も勝手に死ぬ

兵士

ええ、その通り、女王ベニバッタ

兵士

私達はこれをクイーンと呼んでいます。

山島博士

''クイーン''か…

兵士A

装填完了です!!

兵士

良し、ヘリを出せ!!

兵士

作戦を開始する!!

そこからは、簡単に進んだ。

俺達が乗ったヘリは巣へ向かうと攻撃ヘリがミサイルを使って何度も工場を攻撃していた。

兵士

殺虫剤、投下!!

霧状の殺虫剤が工場内へ降り注ぎ、大量の赤い点が工場から離れていく。

すると、壊れた工場から巨大なバッタが這い上がってきた。

兵士

出てきたぞ

夢神

嘘…

山島博士

これがクイーン?

全身は黒く目は血のような赤色、鳴き声を上げながら工場を出て行く。

1937年にカナダで撮影されたという世界最大のバッタの写真である。

中央に帽子をかぶり猟銃を持ったハンターらしき男性がいる。

彼の右手に持っているのはなんと人間の下半身ほどはありそうな巨大バッタ

その体長は80センチメートルほどあると予想される。

バッタは世界最大のものでもロドリゲス選手に張り付いたバッタと同じ大きさの20〜30センチほどの個体が確認されているが、ここまで大きいバッタは現実にいるとは考えられず、突然変異ではないかと思われる。

そんな巨大バッタを超える程のおおきなバッタが今、目の前にいる。

兵士

攻撃しろ!!

兵士A

攻撃ヘリ、射撃を許可する

攻撃ヘリはミサイルをクイーンに当てるが傷一つ付かずクイーンはこちらに向かってとてつもない程のジャンプ力で体当たりしてきた。

山島博士

うわあああ!!!

夢神

博士!!

機体は回り落ち凄まじい爆音と体が溶けるような熱さに苦しんだ。

途中、無線からクイーンのことが聞こえるが、無線の声はだんだんこもり出し聞こえなくなっていった。

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