コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
時刻は九時五十五分。近くの公園だったからあまり時間はかからない。そういえば公園、連続殺人事件があった所だ。ニュースで見たことがある。まだ犯人は捕まってないとの事。もしかしたらその犯人に殺されるのか、と思った。
(まさかね…)
公園は山奥だった為、向かう途中の景色がとても綺麗だった。写真に残そうかと思ったけど、結局今から殺されるなら意味ないなと思ったので、目に焼き付けた。
公園に着いたが、まだ誰もいない。静かで、時計は壊れていて、まさにおばけでも出るんじゃないかと思うほど。スマホを見ると時刻は十時一分。少しブランコに座って待っていた。
だが、待っていても誰もこない。そして母からメッセージ。
『今どこにいるの?家出?』
『お父さんが怒ってる。面倒だから早く帰りなさい。これ以上迷惑かけないで』
通知が鳴り止まない。既読付けないと電話がかかってくるだろう。私は今帰ると送信し帰ることにした。結局周りを見ても誰もいない。
「いたずらだったのかな」
次の瞬間、目線の右下に銀色のものが見えた。私は振り向こうとすると若そうな男性の声がした。
「動くな。動いたら殺す。」
だけど明らかにクラスメイトではなさそう。周りを見ても女子達はいない。そして誰もいない。とても静かだった。
じゃあ、一体誰?
そう思い私は振り向いた。殺されてもいいと思ったから。するとそこには見ず知らずの男性がいた。 若そうな人。
「本当に殺されたいんだな」
「はい」
すると男性は目線を私の足元に、アザだらけの足元に目をやった。
(もしかしてこいつ…)
私は彼を睨む。そして彼が持っているナイフを私の首に突き刺そうとした。だが彼の力が強すぎるあまりナイフは奪えなかった。 彼の目線は私の目に戻る。
この人、何がしたいんだ。そしてポケットから着信音が鳴った。きっと母からだろう。ああ、帰りたくない。
「殺すなら早く私を…」
男は話を遮って言った。
「スマホ貸せ」
「…?」
もしかして母の電話に出るつもりなのか。面倒な事になりそうだと思い渡すか考えたが、圧に耐えきれなかった。まだ着信音が鳴っているスマホを彼に渡した。案の定母からだった。そして彼はスマホを落とし、ナイフで刺した。
「え…何やってるんですか!?」
思わず声が出た。そして彼は私に目線を合わせ、言った。 意味が分からない一言を、
「俺の助手になれ。」
そう言った。