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直後、悲鳴が響いた。
「パイモン!!!!」
パイモンが蛍術師の腕にとらえられていた。
見えなかった。
空はすぐに、パイモンを助けようと駆け出す。しかし
「ストップ~止まらないと、この子、殺すわよ。」
蛍術師のその声に空は止まることを余儀なくされた。
「空…ごめん……オイラ…」
パイモンは半泣きになりながらも空に謝る。空はかぶりをふった。
「大丈夫パイモン。俺がすぐ助けるから。」
「そんな余裕なんてあるのかしら。私は戦闘力はそんなにないけど、速さはファトゥスの皆様にも認められているのよ。」
蛍術師がクスクスと楽しそうに笑う。
「さて、この子をどう痛めつけようかしら~」
「っ!?約束が違う!パイモンには手を出すな!!」
「あら~。殺さない、とは言ったけど、傷つけないとは言ってないわ~。」
「くっ…!」
空はパイモンを助けたい。しかし近づけばパイモンは殺される。いや、近づかなくても危害を与えられてしまう。いつもはこんなに苦戦しないのに…と空は歯をくいしばる。
(自分の不注意のせいだ…)
魈を呼ぶか?
ああ…しかし、魈はこの頃忙しそうに見える。それに空は、魈にばかり頼るのが申し訳なく思えるのだ。
空が迷っているとふいに、蛍術師が攻撃をためはじめた。あたりが雷の影響でバチバチとし始める。空は必死に打開策を考える。魈に迷惑をかけたくない、その考えに至ったため、もはや魈を呼ぶなどということは考えていなかった。
(どうする?どうしたらパイモンを無傷のまま救出できる?)
考えをめぐらせる。しかし、つかみあぐねる。背には冷や汗が伝い、そんな時にも蛍術師は攻撃をためている。最悪だ。
「タイムアップね。」
蛍術師が攻撃を放つ。空の思考は完全に停止した。