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Bクラスの様子はAクラスと同様に5限の授業が開始されていた。
翔はまじまじと机を見ながら考えていた。
翔「あの子、大丈夫かな」
するとそこに前の席から話しかけられる。
煉也「なんかあったのか?」
翔「いや、昼に騒ぎがあっただろ?」
煉也「ああ、なんか人が倒れてたらしいな」
翔「Aクラスの人だったんだ」
煉也「そうだったのか?大丈夫だったのか?」
翔「うん、まあ一応間に合ったよ。かなり重症みたいだったけどな。」
煉也「そうか。無事だといいな。」
Aクラスの様子は一段と静かだった。
杏奈「あの一番後ろの席の子居ないけど、どうしちゃったのかな」
優依「さあ。どうしたんだろう」
正樹「昼に騒ぎがあったやつじゃねーの?」
優依「あ、確かに!なんかあったみたいだよねー」
花奈「人が倒れてたらしいけど、まさかあの子じゃないよね…」
Aクラスの生徒たちは不穏な空気の中小さい声で喋っていた。
蒼生「はあ。噂ってすげえのな」
奏叶「え?」
蒼生「まあ、あんだけ大きな悲鳴をあげて他学年のヤツらにも見られてたら、そら広まるか」
奏叶「もしかして、やっぱり咲良なの?」
蒼生「ああ。咲良は多分それを隠してここに入学したんだろう。担任も把握していなかった。」
-今から15分前-
昼休憩の途中
佐原「苑田先生、Aクラスの神崎咲良が購買の前の廊下奥で血を口から吹き出し倒れていたんですが、救急車を呼び搬送されました」
苑田「本当か?!」
佐原「その様子だと、知らなかったようですね。彼女の状態を」
苑田「ああ、聞いていない。」
佐原「困りましたね。彼女のご両親に連絡をしたところ両親は応答が無く、今は善田病院の救急センターの方に運ばれていると思います。」
苑田「そうか、分かった。助かる」
佐原「調べたところによると彼女のご両親は…」
苑田「両親はいない」
佐原「みたいですね。」
苑田「困ったもんだな。」
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蒼生「という話を聞いたんだ」
奏叶「両親が居ない…」
蒼生「聞いてみないことには分からないだろう。」
奏叶「彼女は入学初日からまさか体調を崩し素性が漏れるとは思ってなかっただろうに…」
蒼生「今は授業に集中しろ。その話は6限が終わったあとだ。」
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5限、6限と授業が終わった。
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立花「これで6限の授業終わりです、帰っていいよ〜」
貫太「立花せんせ〜、連絡先交換してくださいよ!」
立花「はあ?生徒との連絡先交換は許可されてないんです、諦めてちょうだい」
貫太「ちぇ。」
優也「まじで立花っち可愛いよな、えぐくね?」
遥斗「それな、あれはべっぴんすぎるわ」
貫太「連絡先交換はできないんだとー」
優也「んだよー」
奏叶「なあ、蒼生お前病院行くんだろ?」
蒼生「そうするつもりだ」
奏叶「俺も行ってもいいかな」
蒼生「お前が?なんで?」
奏叶「心配だからに決まってんだろ、それ以外にあるかって」
蒼生「いや、大勢で行くと咲良が大変じゃないかって思うだろ」
奏叶「それもそうか。じゃあ…やっぱりやめとくわ。」
蒼生「そうしとけ、また明日な」
奏叶「おう」
蒼生と奏叶は教室を後にし、蒼生はBクラスの方へと向かった。
蒼生「翔、こっちだ」
翔「蒼生、行くか?」
蒼生「そうだな、善田病院へ行こう」
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善田病院救命救急センターにて
蒼生「神崎咲良って居ますか?」
受付「はい、どちら様ですか?」
蒼生「そいつのクラスメートです。会わせてくれませんか?」
受付「分かりました。こちらへ」
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