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線香花火みたいにポタッと落ちちゃったってこと...?「ベチャッて音が聞こえた」のとこゾワッとした.... 水くんは紫くんが好きなんじゃなくて紫くんが虐められてるもしくはそれを助けるのが好きだったのかな。ハッピーエンドの道はあったはずなのに、、って考えるの悲しいな...
( ᐛ👐)パァ
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線香花火
僕の双子の弟は家でも学校でもいじめられていた
勉強はできない 運動もできない
終いには病弱で体力もない
いつも何処かで1人で泣いてる
僕はこんな弟が大好き
弟と違い僕は勉強や運動は人並み以上にできて体力もそこそこあった
両親にも好かれてて弟とは全くの逆だ
弟はいつも色んな人に怯えてて
下向いて泣いて体を壊してた
そんな弟を両親は出来損ないと貶す
そんな弟をクラスメイトは馬鹿だ阿呆だと蔑む
学校の先生でさえ弟を見捨てた
後ろ指を指され水をかけられ私物を捨てられる
そして謝って謝って謝って謝って
そんな弟がとても愛おしく見えた
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「ねぇしょーちゃん
辛い?苦しい?」
「こんなのもうやだ?」
弟にそう訊ねた
優しく優しくしょーちゃんの味方は僕しかいないと思わせるように
「つらい、くるしい
こんなのもうやだ」
オウム返しに小さな声で答えて俯いた
泣きそうな顔で唇を噛み締めて
「そっかじゃあ辛いこととか苦しいことあったら僕のとこにおいで」
「僕がしょーちゃんを守ったげるから」
首を縦に振りながら糸より細い小さな声で「うん、」
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それからしょーちゃんは殆ど僕に引っ付いて行動するようになった
そのせいか腰巾着とか金魚の糞とか色々言われることが少し多くなったものの初兎ちゃんが大きく変わることは無かった
「しょーちゃん
僕はしょーちゃんだけが好きだからね」
いつも言ってるこの言葉
これを言うと初兎ちゃんは少し顔を赤らめて小さくて可愛い頷く
この時間この瞬間この空間が僕が1番幸福にれることだ
その時の初兎ちゃんもとても可愛くて愛おしくて思わず食べてしまいそうな
そんな表情をし言葉を発する
初兎ちゃんが1番可愛くて1番大好きになるそんな時間
「んね、いむくん」
僕の1番大好きな時間の時
初兎ちゃんは低く小さい声で言う
「いむくんは僕いじめへんよね」
「当たり前じゃん!僕達双子でしょ?」
少し嫌な予感がしながらもいつもと同じようにそう言った
そしたらスっとスマホを上げて
「じゃあこれは?」と初兎ちゃんの机に誰かが花瓶を置いてる写真を見せた
紛れもない僕の写真だった
写真から目を逸らし初兎ちゃんの顔を見ると泣きそうな顔で唇を噛んでいた
「しょーちゃ 」
手を繋ごうとした時初兎ちゃんは手をはたいて
「きらい」
そう言ってばたばたと部屋に走り籠った
数分後外からベチャと何かが落ちて潰れたみたいな音が聞こえた
恐る恐るマンションの屋上のドアを開けた
柵の傍に靴が綺麗に揃えられていた
ゆっくりと屋上から下を見る
人だったものが落ちていた
誰かが踏んでしまったかのように地面にくっついていた