ここは昆虫の国『インセクトランド』!沢山の虫たちが暮らしていますよ!今日も走り回っているのは、活発で少しヤンチャなオオクワガタのラファエルです!
オオクワガタのラファエル「ガッシャン、ガッシャン、ガシャリンコ!」
ラファエルはとてもお元気そうで走っておりますね。
でもラファエルは感情表現っていう自分の気持ちをお話しするのが少し苦手なようなんです!まあ確かに私も学生時代の頃から彼と同じくいじめられっ子でしたし、それがきっかけで感情表現するのが大の苦手です!さあ、お話を始めましょう!
さて、ここダダースの森では、妖精の私とみんなが種集めをしていますよ!まず、ナナホシテントウのミアが種を見つけたようです!
ナナホシテントウのミア「あった!ツルツルの種見つけた!」
次にハナカマキリのシャルロットが細長い種を見つけました。
ハナカマキリのシャルロット「あ、細い種」
そしてハキリアリのマキシームが大きな種を持っています!
ハキリアリのマキシーム「こちらはぷっくり太った大きな種です!」
「あれえ、まだ見つからないわね。ラファエルはどう?」
ラファエルは私の声を無視して種探しに夢中です。
「ラファエルどうしたのかしら?まあ、ラファエルも種探しに集中してるし、邪魔したら悪いよね。私も探すしかないわね」
私は意を決して種を探すと・・・
「あった!私、種初めて見つけた!みんな、一個目見つけたわよ!」
マキシーム「わあ、凄いですね未来さん」
ミア「未来お姉さん、かくれんぼハンターだけじゃなく、種集めハンター合うかもしれないよ!」
「本当だわ!」
私はとてもうれしそうです。
シャルロット「未来ちゃん、初めての種集めね」
ミア、マキシーム「おめでとう(ございます)」
「ありがとう!さあ、種集めの続き続き!」
シャルロット、ミア、マキシーム「賛成(であります)!」
「あった!ここにもあった!」
私は二つ目三つ目の種を見つけます!
ミア「種探しって楽しいね!」
ラファエルも負けじと種を探そうとしましたが、見つかりませんね。岩の下を除いても、ありませんでした。ラファエルは草を退いてみても見つかりませんでしたね。
「みんな何個集めてきたか確かめてみましょうよ!」
私の声にラファエルは見ました。
マキシーム「はい!自分は五つも見つけました」
「へえ、マキシーム凄い!私はまだ四つくらいしか見つかってないわ。ミアは?」
ミア「ミアは10個!もっと沢山探そうっと!」
「ミアが10個も⁉︎私だったら負けちゃうわ!」
ミアは自信満々ですね!
ラファエルは我慢の限界に近づきそうになりながら、草の中から出ました。シャルロットと私が草の物音に気付きました。
ラファエルは、一枚の葉っぱを上げてみましたがやっぱり種はありませんでした。
「あのさラファエル、私たちと共に探さないかしら?」
私が声をかけると、ミアの声が!
ミア「あ!ねえ!あそこに沢山!」
「本当だ!Oh my god!私たち早く気づけばよかったわ!」
私は面白く笑いながら行くと、ラファエルがハッとして、私とシャルロットの前を通り過ぎてきました。
「何、ラファエル?」
私はラファエルの後をついていき、ミアとマキシームと合流します!
「ミア、マキシーム、一緒に行くよ!」
ミア「うん!」
マキシーム「行きましょう」
私とマキシームとミアは頷き合い、手を繋いで坂を登っていきました。するとやる気を取り戻していたかのようにラファエルが坂を走ってきました!
ミア「ちょっと、ラファエル!」
ミアは怒っています。マキシームと私とシャルロットは困っています。ラファエルが落ちている落ち葉の下に潜り込みました。
マキシーム「一体何を?」
「ラファエル、種探しの見つける気取り戻してるみたいよ・・・」
私が彼を見て心配そうな顔で呟くと・・・。
ラファエル「ガシャリンコ!」
突然ラファエルが、落ち葉の下から出てきて、私たちに向けてきたのです!
「キャー!」
シャルロット、ミア、マキシーム「うわあ!」
マキシーム「何も見えません・・・」
そして私たちは落ち葉の中から出てきました。
ミア「あ、駄目。ずるい!」
ミアが叫びました。私は泣きそうな顔でラファエルを見て驚きました。急いで走り出し、沢山の種の前まで来ると、ラファエルは喜んでツルツルの種二つを手に持ちました。そこへ、ヘラクレスオオカブトのガブリエルがやってきました。
ヘラクレスオオカブトのガブリエル「おいラファエル!なんて酷いことをするんだ!」
ラファエルはガブリエルの声に驚き、後ろ振り向くと怒っているシャルロットとマキシームとミア、そして怒らずに泣きべそをかく私を見つめます。
ガブリエル「みんなに謝るんだ!」
ラファエル「おいら・・・おいら・・・」
ラファエルも私と同じ涙が溢れ出し泣きながら逃げ出しました。
ガブリエル「待て!」
ガブリエルは驚いて声をかけました。でもラファエルは、木の上に逃げ込んで、穴に引きこもってしまいました。
「ラファエル・・・」
私は涙目で彼の名前を口にしました。
ラファエルが木の穴にこもりっきりになって、もうすっかり夕焼けです。
ミア「ラファエル!」
マキシーム「降りてきてくださいよ!」
「ラファエル・・・!お願い降りて来て‼︎私たちに理由だけでも聞かせてちょうだい(´;Д;`)」
私は泣きながら呼び続けます。
穴の中でラファエルは泣きじゃくっています。
ガブリエル「もう許さん!懲らしめてやる!」
シャルロット「待って!」
ガブリエルはシャルロットを見つめます。
シャルロット「なんであんな事をしたのかな?」
ガブリエル「種を独り占めしたかっただけなんだろう?」
ミア「でも、いつものラファエルはそんな事しないよ?」
マキシーム「確かに」
「それに」
私が泣きながら声をかけてガブリエルとシャルロットとミアとマキシームは私を見つめます。
「ラファエルは自分の気持ちを言葉にするのが不得意だから私と同じくいじめられたと思い込んでいるわ(´;Д;`)」
シャルロットは私を慰めて言いました。
シャルロット「そうかもしれないわね。きっと何か理由があるはずよ。ちゃんとラファエルに聞いてみよう?」
ガブリエル「そうだな・・・」
ガブリエルは意を決して、ラファエルにもう一度呼びかけました。
ガブリエル「ラファエル、さっきは怒鳴って悪かった。なあ、もう怒ってないからさ。お前の気持ちを教えてくれよ。みんなお前の友達だろ?」
ラファエルはガブリエルの声を聞いて、木の穴から出てきました。
ミア「ラファエル!」
ミアは嬉しい声をあげ、泣きべそをかいた私も嬉しくなり、ガブリエルもマキシームも嬉しくなりました。
涙目のラファエルが木の上から降りて俯きながらも本心を打ち明けました。
ラファエル「おいら・・・おいら・・・元気になって欲しかったんだ・・・」
みんな「え?」
「どういう事?」
私は泣き止んで訪ねます。
ラファエル「アダム、お腹痛いから、種集め来られないって」
ガブリエル「そうだったのか」
「みんなと種集めゲームより腹痛を起こしたアダムを信じて欲しかったのね・・・」
ラファエルが頷きました。私は優しいんだなと思いすぐ理解しました。
ミア「じゃあ種をアダムに?」
ラファエル「うん。一杯持って行こうと思ったのに一つも取れなくて。おいら、おいら・・・ごめんなさい!」
ラファエルが泣きながら謝りました。
ミアがラファエルのアゴを撫でました。
ミア「優しいんだね。もう気にしないで」
「ラファエル」
ラファエル「未来姉ちゃん・・・?」
「私が泣いていたのはね、ラファエルが暴れん坊だからじゃないの。ラファエルに理由を聞きたくて、ラファエルが逃げちゃったのを見て悲しかったのよ!だって、私みんなのこと大好きだからよ!」
私はラファエルに微笑みました。
ラファエル「未来姉ちゃん・・・」
ガブリエル「未来ちゃん、ラファエルの事を心配してくれてたんだな^_^」
「うん!」
ラファエル「許してくれる?」
シャルロット「勿論!」
マキシーム「ですですでーす!」
私も嬉しく笑って頷きました。
ラファエル「わあ、ありがとう!」
ラファエルは笑いました。
夜になると、気持ち良さそうに眠っているヒメボタルのアダムの隣でラファエルは早く元気になってほしいという思いを込めて、沢山集めた種を近くに置きました。
それをシャルロットとマキシームとガブリエルとミアは微笑んで陰で見守っています。私はもう人間界に戻って眠ってしまっています。
翌日、元気になったアダムは種を持って人間界からインセクトランドに戻ってきた私とみんなの所にやって来ました。
ヒメボタルのアダム「すっかり良くなったよ!ラファエルありがとう」
ラファエルは照れ笑い。
ガブリエル「よし、じゃあみんなで種集めだ!」
シャルロット「あ、良いこと考えた、集めた種を森に植えようよ」
「わあ、凄い良い考え。昨日は種少なかったからよね」
ミア「確かにそうだったね未来お姉さん。そしたら森がまた木で一杯になるね」
ラファエル「じゃあ土堀が必要だな。おいらに任せてよ!よーし、ガッシャン、ガッシャン、ガシャリンコ!」
ラファエルは大きなアゴを武器に、土を掘ると、私とみんなは笑い出しました。種を植えてもっと沢山の種を実れば良いわね。
つづく
次回もお楽しみに^_^
ラファエル:おともだちの本当の気もちをそうぞうしてみよう!