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その巻が完成した場合は、題名の横に「改」をつけます。
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「師匠、俺、正式に、国に名のしれたクラン〈紅蓮の鳳凰鳥〉のメンバーになりました。」
「そうか。だが、気をつけるなよ。仲間ができても、対処できない敵は山ほどいるのだからな。」
そう、俺は正式にクラン〈紅蓮の鳳凰鳥〉のメンバーになった。
クランに入るにはこの国の中心部にある【ベンユダ帝国都市】の役所に必要事項を記入し、届けなければならなく、
あの自己紹介をし合ったあの日から4日後の、今日の朝やっと、承認の手紙が来た。
そして、手紙と一緒に長方形の板のようなものが届いた。
このことを含め、今日、初めてのクラン活動に挑む。
待ち合わせは、午前9時にこのリトル・ヘブンの隣町、ルミアの中心部を通っている
アルトミクス大路の中心部、国王:ルクア王像の前だ。
そして、その約束の時間より少し早く、リードはルクア王象の前に到着した。
すると、驚いたことに、クランのメンバーが一人も遅れることなく、全員が時間前に揃っていた。
「すみません、待ちましたか?」
俺は、創設者(リーダー)の、妙にイケメンでムカつくリグに声をかけた。
「いや、今日は珍しく時間前に揃っただけだ。みんな、新人にいい顔見せたいんだろ。
いつもリイナは、遅れてきてたのにな〜」
「いえ、私は一度も時間に遅れたことなんてないですが?」
冷静に返したのは、今日も魔法少女風の格好をしたリイナ(本当に魔法少女)。
全然10歳の返答じゃない気がする。
「リイナはね、昔から物覚えが早くて、このクランだと、頭脳的な役割をしてるのよ」
と、教えてくれたのは技師のフィレールだ。
この間にも、リグとリイナの言い合いは続いていく。
「そもそも毎回クラン集合に遅れていたのは、リグさんじゃないですか」
「いや、俺は一度も遅れたことないけど?」
「いえ、この私は何度もリグさんが遅れたところを見ています」
「そうだぞ〜、リグ。自分の非は認めたほうがいいぞ〜」
間延びした言い方で言い合いに割り込んだのは、体格が良い、ホテアデスだ。
リイナはホテアデスが味方についたことで勢い付き、とどめを刺した。
「はぁ、創設者あるものが、新人にいい顔を見せたくって、メンバーの第一印象を壊すなんて、まったく考えられませんよ」
その後、リグがリイナに謝らされたのは、言うまでもないだろう。
「あ、リード?」
ホテアデスが声をかけてきた。
「はい」
「べユンタ帝国都市からの承認の手紙と一緒に、長方形の物体を渡されなかったか?」
「渡されましたけど…。」
「これはな、魔力を込めるとクランメンバーと話ができる。何かあったら、迷わず使うといい。」
へー。結構便利な石じゃん。
その間にリグが起こしたトラブルが一段落し、俺たちはルミア街の郊外にある巨大な草原、リッテル草原に向かった。