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書いてる時もキツかったです、泣
ええ嘘そんなに悲しい過去なの😭
「スマホとかで、ちょっと調べたりした?」
「いや、俺は紗羽の口から聞きたかったから。」
知るのが怖かったのもある。紗羽には言わないけど。
「そっか。蓮菟くん、いい人だね」
「なわけ」
「えー、まあいいや。
私、4人家族だったの。お父さんお母さんと妹。」
俺は紗羽の言葉に黙って耳を傾ける。
「私母親に虐待されてて。怒鳴られたり蹴られたり。外に出されて入れてもらえなかったこともあったの。何をしても理不尽に怒鳴ってくるお母さんが大嫌いだった。」
虐待…だから、あの傷……
「なんで虐待されてたかって言うと、妹とよく比べられて、妹…玲乃は、私より6歳も年下の小学2年生だったけど、優秀で、私とは全然違かった。
頭の良さも、運動神経も、人当たりも、性格も。全部真逆なの。玲乃はお父さんにもお母さんにも可愛がられて、幸せそうだった。それでも玲乃のことも妬んだりはしなかった。玲乃はすっごい優しかった。私にも普通に接してくれて、慕ってくれた。嫌いになりたくても嫌いになれないって言うか…いい子なんだよね。ほんと。
私が虐待されてることは玲乃は知らない。玲乃がいないところで毎回叩くの。正直怖かったし泣きそうだったけど、怖くないって言い聞かせて泣くのも我慢してた。お父さんは私が虐待されてることは知ってた、はず。いつも横目で見てたから。でも助けるなんてことしてくれなかった。私をゴミみたいに見て、見て見ぬふりをする。そんなお父さんも大嫌いだった。
結局私は1人で、耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて…1人で溜め込んで……死にたくなった。私が死ねば全部終わるから。この苦痛から逃げれるから。」
俺は何も言えなかった。何を言えばいいのか分からなかった。紗羽は泣き笑いみたいな顔をするだけで。俺は俯いて話を聞くことしか出来なかった。
「でもね、そんな時にお母さんが旅行に行くって言い出して、私を置いて3人で、行っちゃったの。キャンプに行くって。玲乃には色々経験させたいからって玲乃は「お姉ちゃんは?」ってずっと言ってくれてたけど、玲乃の言葉も無視して3人でキャンプに行った。」
「もしかして…?」
「そう。そこで事故が起きたの。
この話は警察の人から聞いたんだけどね、3人は落下したんだって、30mぐらいの崖から。両親は即死、死んで半年ぐらい経ってた。でもね、玲乃の骨には損傷は見当たらなかったって。玲乃は餓死なの。私はお母さんとお父さんのことだから、2人で玲乃のこと守ったんじゃないかなぁ。
玲乃は、自分の両親が腐っていくのを見ながら、死んだんだよ?まだ8歳の女の子が…」
紗羽が涙目になっているのが分かる。俺も今にも泣きそうだった。紗羽はそんな過去があって、俺と過ごしていたんだ。
「…辛いよな。」
「…うん」
「俺になんか分かるわけないけど、そんなこと想像しただけで泣く」
そう言いながら俺の涙腺は限界だった。ダバダバと涙が出る。
紗羽が俺の顔をまじまじと見る。紗羽も泣きそうな感じだ。
「ふっ、ふふっ…なんで泣いてんの!あははっ、おかしいっ」
「何がおかしいんだよ!!」
「あはははっ、だって…ふははっ」
紗羽のことを知れて、紗羽にグッと近づけた気がする______