尊敬している先輩がいる。仕事が出来て周りのことをよく考えられて頼りになる先輩。だけどたまに何も無いところで転びそうになったり、人に気を使いすぎて自分の意見が言えない、ストレスが溜まってもそれに気づかないとか色々心配なのだ。
そんな頼れるけど時々抜けている先輩に恋をしていた。だけど、先輩は自分のことに関して鈍感だから俺の好意に気付いてないと思うけど…。けど、それはそれで好都合だな。だって周り男共は先輩の功績に嫉妬して、先輩に冷たくあたってるし、女共は他人からでも分かるくらいの先輩に対しての態度が違う。あぁ、腹が立つ。それに先輩はとてもイケメンだ。あぁ心配だな。先輩に悪い虫がつかないかな…あぁ、でも、その時はそれを消せばいいだけか。先輩を大好きなのは、愛しているのは俺だけでいいんだから。他の奴なんて要らないでしょ、ねぇ…先輩…..?
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「ふぅ〜終わった〜!」
仕事がやっと終わってついそんな声をあげながら椅子にもたれ掛かる。
「お疲れ様です…」
後輩である菊乃が声をかけてくれる。いつもなら元気だけど今日は少し元気が無さそうだ。最近ずっと残業ばかりだったから無理もないか…。体調とか心配だし今日は早く帰らせよう。
「今日はもう帰ってもいいよ!」
「それは嬉しんですけど…」
菊乃は言いかけて黙り込んでしまう。変なこと言ったけな。そんな事を考えていれば菊乃が口を開く。
「この資料…ミスしちゃって…..」
「えっ、嘘…まじか〜」
確かに間違ってた。しかも、結構なミス。これ直すの結構かかるな。これは残業確定だな…。というか珍しいな普段何事においてもそつなくこなしてる菊乃がこんなミスをするなんて。相当疲れてるな、これ。
「すみません!」
「大丈夫だよ、僕が直しておくよ!」
「いえ、俺がやります!!大体これは俺のミスなんだすから…!」
菊乃の申し出はホントにありがたい。だけど、菊乃は疲れているみたいだから早く返してあげないと。
「ホントにありがたいんだけど大丈夫だって…それより菊乃、疲れてるだろ?今日くらい早く帰れよ!」
「わかりました…」
渋々納得してくれたようだった。なんでこうゆう変な所で頑固なんだろうか…。菊乃が帰ってしまえば僕独りになってしまう。少し寂しいけど仕事をしますか。
「終わった〜!」
スマホを見てみれば時刻は深夜2時を示してた。まじか…どうやって帰ろうかな…。幸いな事に会社から自宅は案外近いところにあるのだ。別に歩けば数十分で帰ることが出来る。だが、今日まで溜まりに溜まった疲労が歩いて帰ることを全力で否定しているのだ。それでも家に帰りたい。正直めんどくさいし、眠くてたまらないけど家に帰るか。
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街は時間が時間なこともあり人は少ない。大通を通れば帰れるけど地味に遠回りなんだよな。代わりにこっちの路地裏を通れば少しだけ早く帰れる。だけどこの路地裏は人目がつかないこともあり犯罪が行われているとも噂されている。できれば近寄りたくなんてないんだけど…疲労が溜まった頭ではまともな思考ができるわけ無かった。
だけどこれがいけなかったんだ。ただちょっと早く家に帰れるからって近道をしなければ…..
暫く薄暗い道を進んでいると前方から声が聞こえてきた。普段こんなところ通らないこともあり余計に怖い。どうしようこのまま進もうかな。
コメント
2件
嬉しい!ありがとう(⸝⸝> ·̫ <⸝⸝)
え?天才ですか?ノベル書く技術分けてくれませんかw?